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出版者情報
〈新版〉荻原雲来と渡辺海旭
ドイツ・インド学と近代日本
- 書店発売日
- 2019年3月26日
- 登録日
- 2019年3月14日
- 最終更新日
- 2019年3月14日
紹介
明治時代、在家から僧となり、サンスクリット学、仏教学の世界的権威となった人がいる。荻原雲来と渡辺海旭である。この二人はドイツに留学して起居を共にし、ドイツの師が菩薩と呼んだほど刻苦精励した。本書は当時ドイツに留学した人びとと、この二人のドイツ体験を追ったものである。
目次
【目次】
はじめに
プロフィール 荻原雲来
プロフィール 渡辺海旭
1 近代における原典研究の幕開け
マックス・ミュラーと南条文雄、笠原研寿/アルブレヒト・ヴェーバー/マック
ス・ミュラーの渡英/マックス・ミュラーの研究分野/インドに対するドイツ人
とイギリス人の見方/マックス・ミュラーに対する評価/イギリスでの南条、笠原
2 日本人からみたドイセン
ドイセンの人となり/高楠順次郎/姉崎正治/木村泰賢
3 オルデンベルクに出会った日本人
ブッダの実在を論証したオルデンベルク/氏に出会った日本人/オルデンベルク・
コレクション
4 ロイマン門下の日本人
留学生群像/荻原と渡辺/ロイマンの学問分野への影響
5 近代における原始仏教学の導入
―阿含経典に光を当てた人びと―
西洋のパーリ語研究/高楠順次郎/姉崎正治/荻原雲来/サンスクリット語原始経
典の出現と渡辺海旭/木村泰賢/赤沼智善/語学としてのパーリ語/「阿含経』に
光を当てた人びと/アビダルマ仏教学の受容
6 洋行前の荻原雲来
就学時代の師/就学時代の仲問/洋行二年前(1897年)/洋行前年(1898年)
7 荻原雲来のドイツ
出発/師ロイマン/シュトラースブルクの街/勉学開始/ロイマンの人となり/渡
辺海旭/ベンドールとの出会い/姉崎来訪/学問の進展/万国東洋学会に参加/ド
イツでの高い評価/留学の延長/ケンブリッジ大学訪問/シュヴアルツヴァルトで
の避暑/渡辺海旭・スイスでの学会に参加/黒田真洞『大乗仏教大意』の独訳/学
位授与式/欧州学会での壮挙
8 荻原雲来の帰朝
帰朝の途/浄土宗大学教授に就任/京都での報告会/京都大学での歓迎会
9 荻原雲来の人と学問
学問形成/帰朝後/出版/学風/学への信念/友情/余香
10 渡辺海旭のドイツ
シュトラースブルクの下宿/渡辺から見た師ロイマン/「普賢行願讃」研究に着手
/洋行後の第一論文/中央アジア探検の開始/サンスクリット語原始経典の発見/
街のカーニバル/第二回万国宗教史学会参加/シュトラースブルクのマリア祭/荻
原雲来の帰朝/ベンドール教授の死/ドイツ満喫/マックス・ヴァレザーとの出会
い/ヴァレザーと意気投合/修道院通い/サンスクリット断片類の比定/学位取得
/大乗仏教研究の隆盛/本国からの送金打ち切り/リヒヤルト・ピッシェルの死/
ヴィゴー・ファウスベルの死/中央アジア出土写本解読の渦中/非公開の大谷探検
隊出土品/帰朝/諸家のみた渡辺海旭
11 荻原、渡辺とローゼンベルク
ロシアと日本の仏教界/アビダルマ研究のプロジェクト/来日から帰国へ/ロー
ゼンペルクのみた日本/アビダルマ・プロジェクトのその後/むすび
12 法隆寺・佐伯定胤と渡辺海旭
―伝統的仏典研究と原典研究―
佐伯定胤の師佐伯旭雅/仏教史上における性相学/定胤の学問と弟子/法相宗か
ら聖徳宗へ/人となり/渡辺海旭/伝統仏教学と海外留学者
〈付論〉
1 1899年の仏教界
―荻原雲来のドイツ出発―
2 1900年の仏教界
―渡辺海旭のドイツ出発―
上記内容は本書刊行時のものです。