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自叙の迷宮
近代ロシア文化における自伝的言説
発行:水声社
A5判
288ページ
定価
4,000円+税
- 書店発売日
- 2018年3月9日
- 登録日
- 2018年2月28日
- 最終更新日
- 2018年2月28日
紹介
ロシア文化における自叙はロマン主義の時代に興隆し、続くリアリズムの時代には減退した。しかし19世紀末、いわゆる「銀の時代」の始まりとともに、再び事実性への志向が強まり、創作の手法としての自叙や、作家の伝記への関心が高まりを見せるようになる。
現在と過去の錯綜の中に生起し、虚実入り混じる多様な〈自叙〉の実相を、革命前後の時代を中心とする近代ロシア文化の中に追う。
目次
序――自叙についての迷宮的前書き 中村唯史
宗教説話に滲出する自叙
――ポリカルプと逸脱の精神 三浦清美
アレクサンドル・ブローク批評における「同語反復」 奈倉有里
亡命ロシアの子どもたちの自叙
――学童の回想と文学 大平陽一
ヴァシーリー・トラヴニコフとは誰か?
――ホダセーヴィチにおける自叙と文学史の交点 武田昭文
伝記史料とイメージ操作
――二十世紀ロシアの作曲家の自叙 梅津紀雄
自叙は過去を回復するか
――オリガ・ベルゴーリツ『昼の星』考 中村唯史
後書きに代えて――自叙と歴史叙述のあいだ 中村唯史
上記内容は本書刊行時のものです。