書店員向け情報 HELP
出版者情報
書店注文情報
在庫ステータス
取引情報
ほんとうの道徳
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2019年6月20日
- 書店発売日
- 2019年6月25日
- 登録日
- 2019年5月27日
- 最終更新日
- 2024年4月26日
紹介
そもそも道徳教育は、学校がするべきじゃない!
2018年度に小学校、2019年度には中学校でも、道徳が「教科」となった。
学習指導要領は「家族愛」や「生命の尊さ」「国や郷土を愛する態度」など22の「価値」を教えるということを掲げている。しかし、ある価値観を教えるというのが、果たして「正しい教育」なのか? 現場の先生にとっても悩み多き問題だ。
そもそも、「道徳」は教え、評価できるようなものなのか? 著者はその問いに否定的だ。学ぶべきは道徳ではなく「市民(シチズンシップ)教育」であり、それはすなわち相互承認に基づく「教養」だと考える。
では、その中身とはどのようなものだろうか。
それを考えるには、道徳とはそもそも何なのかを知る必要がある。実は、この答えは古くから哲学者たちが突き詰めて考えてきたことなのだ。
道徳の授業なんて、「いい子」ぶった答えをしていればよい。
――そんな授業はもう終わりにしよう。
気鋭の哲学・教育学者が、道徳の本質をわかりやすく解き明かし、来るべき教育の姿を構想する。
道徳副読本として教師や親、子どもたちも使える「理想の道徳教科書」となる一冊。
装丁:クラフト・エヴィング商會
前書きなど
道徳に評価の基準や尺度など存在するのか、価値観の押しつけにはならないか、といった疑問が多く出されてきました。
―――と、ここで早速ですが、本書の結論をまず一つ。
評価云々の前に、実は原理的に言って、「道徳教育」は本来学校がやるべきではないのです。代わりにやるべきは、「市民教育」です。
なぜ、学校教育では「道徳教育」をやるべきではないのか、そして「市民教育」とは一体何なのか。その詳細は本論で存分に論じていくことにしたいと思いますが、大きなことを言うなら、この結論は、人類の血で血を洗う争いの果てに、哲学者たちがようやく二百数十年前に考え出した偉大な知恵なのです。
上記内容は本書刊行時のものです。