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近代刑法原理と過失犯論 山本 紘之(著) - 信山社出版
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近代刑法原理と過失犯論 (キンダイケイホウゲンリトカシツハンロン)

社会科学
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発行:信山社出版
A5変形判
縦218mm 横159mm 厚さ18mm
重さ 521g
280ページ
上製
定価 7,200円+税
ISBN
978-4-7972-8263-4   COPY
ISBN 13
9784797282634   COPY
ISBN 10h
4-7972-8263-0   COPY
ISBN 10
4797282630   COPY
出版者記号
7972   COPY
Cコード
C3332  
3:専門 3:全集・双書 32:法律
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2023年5月26日
書店発売日
登録日
2023年5月17日
最終更新日
2023年5月29日
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紹介

◆責任主義と明確性原理に沿う過失犯論◆ 
本書は,責任主義や罪刑法定主義(とりわけ明確性の原則)といった近代刑法原理を導きの糸として,過失犯論のひとつの体系を志向する理論書である。行為者本人にとって予見が「可能であった」という評価はいかにして担保されるかとの問題意識の下,責任主義に基づく過失犯論を考究し,さらには,従来必ずしも重要視されてこなかったように見える,明確性の原則に沿った過失犯論の構築が追求される。

目次

『近代刑法原理と過失犯論(学術選書237)』
 山本紘之(大東文化大学法学部教授) 著

【細 目 次】

はしがき
初出一覧

序 章
一.問題の所在
二.契機の認識について
三.情報収集義務について
四.まとめ

◆第1部 基礎理論◆

第1章 予見可能性の「契機」について
一.はじめに
二.認識必要説
 1.戦前の状況
 2.ノヴァコフスキーの見解
 3.ヤコブスの見解
 4.シュミットホイザーの見解
 5.シュトルエンゼーの見解
 6.デュトゲの見解
 7.わが国の状況
三.認識必要説への批判
 1.F. C. シュレーダーの見解
 2.アルトゥール・カウフマンの見解
 3.ヘルツベルクの見解
  (1) シュトルエンゼーへの批判 (2) デュトゲへの批判
 4.ロクシンの見解
  (1) シュトルエンゼーへの批判 (2) デュトゲへの批判
四.検 討
 1.F. C. シュレーダーの批判について
 2.忘却犯について
 3.認識なき過失の可罰性について
 4.「契機」の明確性について
五.おわりに

第2章 予見可能性の「契機」の実態について
一.はじめに
二.デュトゲによるドイツの状況の分析
 1.主要な裁判例
  (1) 「契機」が必要な背景について (2) 第三者の不適切な行動に関する契機 (3) 被害者の不適切な行動に関する契機 (4) 他者の答責性がない場合における契機 (5) 「契機」の明示のない裁判例 (6) 「契機」への言及のない裁判例
 2.裁判例の分析 
  (1) 分析の基礎的枠組 (2) 裁判例の分析 (3) 小 括 (4) デュトゲの見解に対する批判 (5) 批判の検討
三.わが国の状況
 1.主要な裁判例
 2.裁判例の分析
四.おわりに

第3章 過失犯における情報収集義務について
一.はじめに
二.情報収集義務という概念について
三.情報収集義務の系譜
 1.ビンディングの見解
 2.エンゲルマンの見解
 3.エンギッシュの見解
 4.危惧感説との関連
四.エンギッシュ以降の展開
 1.間接的なものとする見解
 2.直接的なものとする見解
 3.小 括(83)
五.検 討(83)
 1.情報収集義務の必要性について
 2.情報収集義務の位置づけについて
 3.情報収集義務の賦課時期
 4.情報収集義務の対象について
 5.直接の結果回避義務の賦課時期
六.おわりに

第4章 予見可能性の判断枠組みについて
一.はじめに
二.過失犯における認識について
 1.デュトゲの見解の骨子
 2.デュトゲに対する批判の骨子
 3.検 討
三.情報収集義務について
 1.規範論的位置づけ
 2.具体的検討
 3.義務の程度について
四.予見可能性の判断枠組みについて
 1.基本的視座
 2.契機の認識
 3.情報収集義務
五.おわりに

第5章 過失犯の処罰限定論について
一.はじめに
二.処罰限定論の根拠
 1.概 観
 2.事実上の回避可能性という視点
 3.批 判
 4.検 討
三.セクター別処罰限定論について
 1.防御的医療
 2.医療行為の有用性
 3.検 討
四.おわりに

◆第2部 周辺問題◆

第6章 過失犯における主観的正当化要素について
一.はじめに
二.ドイツの議論
 1.概 観
 2.不要説
 3.必要説
 4.判例の動向
三.わが国の議論
 1.不要説
 2.必要説
 3.判例の動向
四.検 討
 1.概 観
 2.要否について
 3.内容について
五.おわりに

第7章 過失不作為犯をめぐる議論の素描
一.はじめに
二.過失犯における作為と不作為
三.管理監督過失と不作為犯論(1990年代半ばまで)
 1.概 観
 2.作為義務と注意義務の関連――区別を必要とする見解
 3.主体の選定
 4.進言義務
 5.小 括
四.回収義務をめぐる議論(1990年代後半以降)
 1.概 観
 2.作為義務と注意義務の関連
  (1) 区別を必要とする見解 (2) 区別を不要とする見解 (3) 判例実務の動向
 3.主体の選定
 4.進言義務
 5.小 括
五.まとめと展望

第8章 過失犯における作為と不作為
一.はじめに
二.作為と不作為の区別が問題になる事例
三.区別に関する見解
 1.規範的な区別基準
  (1) 社会的な意味を基準とする見解 (2) 作為を優先させる見解 (3) 非難の重点を基準とする見解
 2.自然科学的な区別基準
  (1) 身体運動を基準とする見解 (2) エネルギーを基準とする見解 (3) 因果性を基準とする見解 (4) 法益を基準とする見解
 3.区別を考慮しない見解
四.検 討
 1.区別基準の検討
 2.過失犯における区別基準について
 3.まとめ
五.おわりに

第9章 過失不作為犯における限定要素
一.はじめに
二.予見可能性による限定
 1.いわゆる「いったん公式」について
 2.「因果関係の基本的部分」について
三.主体の限定
四.単独犯の競合か共同正犯か
五.おわりに

第10章 複数関与者における過失責任の画定
一.はじめに
二.近時のドイツの判例
 1.ブッパータール事件
 2.学校崩落事件
三.学説上の評価
 1.ブッパータール事件について
 2.学校崩落事件について
四.検 討
五.おわりに

第11章 過失犯における遡及禁止論について
一.はじめに
二.過失犯における遡及禁止論の素描
 1.伝統的な対立軸
 2.近時のドイツの判例――ヴィネンデン銃乱射事件
 3.遡及禁止論の具体的適用
三.検 討
 1.伝統的な対立軸について
 2.「認識可能な犯罪傾向」の意義
 3.具体的帰結
  (1) 可罰性が肯定される例 (2) 可罰性が否定される例
 4.体系的位置づけとわが国への示唆
四.おわりに

索 引

著者プロフィール

山本 紘之  (ヤマモト ヒロユキ)  (

大東文化大学法学部教授

上記内容は本書刊行時のものです。