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ウクライナ戦争と向き合う 井上 達夫(著) - 信山社出版
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ウクライナ戦争と向き合う (ウクライナセンソウトムキアウ) プーチンという「悪夢」の実相と教訓 (プーチントイウアクムノジッソウトキョウクン)

社会科学
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発行:信山社出版
新書判
縦173mm 横105mm 厚さ12mm
280ページ
並製
定価 1,200円+税
ISBN
978-4-7972-8160-6   COPY
ISBN 13
9784797281606   COPY
ISBN 10h
4-7972-8160-X   COPY
ISBN 10
479728160X   COPY
出版者記号
7972   COPY
Cコード
C3232  
3:専門 2:新書 32:法律
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2022年9月28日
書店発売日
登録日
2022年9月20日
最終更新日
2022年9月26日
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書評掲載情報

2023-03-05 産經新聞  朝刊
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紹介

◆プーチンという「悪夢」の実相と教訓。ぜ戦争に? その終わりは? ―いま試される「法」「政治」そして「思想」◆
世界と日本が直面する問題の核心に法哲学者、井上達夫が真正面から迫る。プーチンという「悪夢」の実相と教訓。ロシアのウクライナ侵略。なぜ戦争に? その終わりは? 我々は何をすべきなのか、何を学ぶべきなのか。いま試される「法」「政治」そして「思想」。「知の糧」への企て(法と哲学新書)第3弾。

目次

『ウクライナ戦争と向き合う ― プーチンという「悪夢」の実相と教訓』

 井上達夫(東京大学名誉教授)著

【目 次】

◆プロローグ―我々は何処へ行くのか

◇一 増幅する悪夢的現実
⑴ 疫学的危機と政治的危機の拡大再生産 
⑵ 戦争長期化の懸念と世界の行く末への不安 

◇二 本書が向き合う問題
⑴ ウクライナ戦争の性質と原因 
⑵ 戦争終結への道筋 
⑶ ウクライナ戦争が日本に突き付ける課題 
・当事者意識の希薄性 
・九条問題の正面解決―立憲主義的安全保障体制の確立 

◆第一章 いかなる戦争が戦われているのか

◇一 「ロシアは侵略していない」という不思議な「論理」
⑴ 「ネオナチ的支配からのウクライナ解放」という言説の呪力 
⑵ 「集団的自衛権行使」論の虚妄性 

◇二 「NATOの東方拡大がプーチンを追い詰めた」のか?
⑴ 国際政治におけるリアリズム派の「NATO東進帰責論」 
⑵ NATOの変容―集団的自衛権体制から地域的集団安全保障体制へ 
・冷戦期対立構図の崩壊によるNATOの機能転換 
・NATO東進帰責論の米国陰謀説的偏見 
・NATO・ロシア関係の変遷 
⑶ コソボ紛争とNATO・ロシア関係 
・NATOのコソボ紛争軍事介入とエリツィンの核恫喝発言 
・プーチンの親米的・親NATO的対応 
⑷ ロシアの軍事的攻勢とNATOのロシアに対する軍事的非関与主義 
・攻めるプーチン、自制するNATO 
・民主化の波へのプーチンの軍事的応答 
⑸ 「リアリスト的プーチン像」の破綻 

◇三 「西側」の責任はどこにあるのか―責任の問い方に潜む罠
⑴ 米国とNATOの真の罪責 
・「西側」の欺瞞に対するプーチンの応酬 
・バイデン陰謀説の欠陥 
・「バイデンのそそのかし」より巨大な米国の罪責 
⑵ 自己批判の陥穽―「二悪二正論」を越えて 
・戦争責任問題における「二悪二正論」の呪縛 
・「二悪二正論」の自壊性と執拗性 
⑶ 「チョムスキーよ、お前もか」 
・対露宥和主義へのチョムスキーの傾斜 
・ウクライナ知識人たちの公開書簡 
・チョムスキーの意図の好意的解釈―ウクライナへの愛? 
・「自己批判の陥穽」へのチョムスキーの転落 

◇四 プーチンがウクライナを侵略した真の狙いは何か
⑴ 「ユーラシアニズム」というアイデンティティ政治への転向? 
・ロシアにおけるユーラシアニズムの復活とプーチン 
・ミンスク合意の虚妄性 
・ウクライナ征服のイデオロギー的道具 
⑵ 「対外硬、内に憂あり」―プーチンの自己保身戦争 
・挑発されざる戦争に為政者が走る一般的理由 
・民主化の波に対するプーチンの自己保身 
・自己保身主因論に対する批判への応答―陰りゆくプーチンの威光 
・軍人イヴァショフによるプーチン批判 
・アイデンティティ起業家的プーチン像と自己保身主因論の整合性 

◆第二章 戦争はいかにして終わり得るのか

◇一 ウクライナ戦争の実相認識と国際社会の対応

◇二 第三国の仲介調停による紛争解決の可能性―中国の利害と期待可能な役割
⑴ 戦況の膠着と停戦交渉の頓挫―調停役はいないのか 
・ロシアとウクライナの亀裂拡大と第三者的調停役の不在 
・調停者としての中国の可能性 
⑵ 中国の政治的・経済的利害状況 
・中国経済の沈下要因としてのロシア 
・中国の国際政治原則・世界戦略を掘り崩すロシア 
・中国の戦略的利害が見えていない習近平 

◇三 戦争泥沼化の行く末―破滅は止められるか
⑴ 戦術核兵器使用から第三次世界大戦へ?
・「戦術核兵器限定使用」の非現実性 
・「核のブラフ」への屈従の自壊性 
⑵ ロシアが勝てない戦争をプーチンが止めない理由 
・米国とソ連の失敗から学習できないプーチン 
・なぜロシアはウクライナ戦争に勝てないのか 
・プーチンの戦況認識が歪められている可能性 
・戦況が不利でもプーチンが戦争を止められない理由 
⑶ 「テレビと冷蔵庫の戦い」―ロシア国民は覚醒できるか 
・ロシア国民しかプーチンを止められない 
・アレクイシエービッチの「知恵の言葉」―ロシア国民の変容可能性 
・「プーチンが排除されても明るい展望は開かれない」のか? 
・「冷蔵庫をテレビに勝たせる」ための対露経済制裁の意義と効果 
・対露経済制裁強化はロシア国民に対して苛酷か? 
・ロシアの民に捧ぐ、ディランとともに―To Russians, with Dylan 

◆第三章 この戦争から日本は何を学ぶべきか

◇一 ウクライナ戦争の「当事者意識なき当事者」日本
⑴ 「反ロシア共同戦線」への日本の参加 
・「火事場」に立ち入った日本 
・ミロノフの恫喝の意味 
⑵ サハリン・プロジェクト撤退問題―危機管理意識なき日本 
・問題認識の倒錯―敵に回したロシアに依存し続けたい日本 
・エネルギー政策の抜本的転換ができない日本
 
◇二 立憲主義的統制に服する自衛戦力の確立
⑴ 「危なすぎて使えない軍隊」としての自衛隊 
・「仁義なき戦争」が跋扈する国際社会 
・日本の安全保障体制の根本的欠陥―憲法九条と自衛隊の矛盾の放置 
・自民党「改憲四項目案」の愚 
・なぜ自衛隊は「使えない軍隊」なのか 
・最低限の憲法九条改正構想 
⑵ 国際社会は「自らを助くる者のみを助く」 
・「戦うウクライナ」が変えた欧米の支援姿勢 
・「平和を愛する諸国民の公正と信義」の実相 
⑶ 「日米安保信仰」を超えて 
・護符としての日米安保―「いざとなったら米軍が護ってくれるから大丈夫」 
・護符の効験の実相 
・自主防衛能力確立と日米安保体制対等化の不可分性 

◆エピローグ―壊れやすきもの、汝の名は世界

著者プロフィール

井上 達夫  (イノウエ タツオ)  (

東京大学名誉教授

上記内容は本書刊行時のものです。