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ブリッジブック法学入門〔第3版〕
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2022年4月27日
- 書店発売日
- 2022年5月19日
- 登録日
- 2022年5月10日
- 最終更新日
- 2023年6月13日
紹介
◆好評を博した“一風変わった”法学入門の第3版。5つの新章を加え、各分野の動向にあわせ全体の情報をアップデイト◆
法学の基礎から“今”を語る最新のテーマまでを、信頼の執筆陣が語りつくし、法学の魅力を案内する。法学って何が面白いの?と感じている人に読んで欲しい入門書。第1部法学の基礎(第1~5章)/第2部法学の展開(第6~16章)
目次
『ブリッジブック法学入門〔第3版〕』(ブリッジブックシリーズ)
南野 森(九州大学法学部教授) 編
〈執筆者紹介〉(五十音順。*は編者)
五十君麻里子(いぎみ・まりこ):九州大学法学部教授:第2章
井上宜裕(いのうえ・たかひろ):九州大学法学部教授:第12章
上田竹志(うえだ・たけし):九州大学法学部教授:第11章
遠藤 歩(えんどう・あゆむ):九州大学法学部教授:第8章
笠木映里(かさぎ・えり):東京大学法学部教授:第14章
笠原武朗(かさはら・たけあき):九州大学法学部教授:第9章
川島 翔(かわしま・しょう):九州大学法学部准教授:第16章
小島 立(こじま・りゅう):九州大学法学部教授:第5章、第15章
豊崎七恵(とよさき・ななえ):九州大学法学部教授:第4章3、第13章
八田卓也(はった・たくや):神戸大学法学部教授:第4章1・2、第10章
原田大樹(はらだ・ひろき):京都大学大学院法学研究科(法学部)教授:第3章、第7章
南野 森*(みなみの・しげる):九州大学法学部教授:はしがき、第1章、第6章
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【目 次】
・はしがき
◆Ⅰ 法学の基礎◆
◆第1章 法と法学
1 法とは何か
「べし」と「である」̶「当為命題」としての法/規範としての法/強制秩序としての法/法とその「妥当性」/動態的秩序と静態的秩序
2 法学とは何か
法の解釈/法解釈に正解はあるのか/合憲限定解釈/有権解釈/解釈に対する制約
◆第2章 法と法学の歴史
1 ローマ法の成立と復活
都市国家の法から世界帝国の法へ/古典期法学の「はこ舟」/ボローニャから全ヨーロッパへ
2 分化するヨーロッパと法の展開
ローマ法の継受/法における啓蒙思想の実現/民法典の編纂とローマ法の復権
3 日本における西洋法の継受
開 国/立憲君主制への道・近代法典の編纂
◆第3章 法律と法体系
1 法学の全体像
法学の基本的発想/法学の内部構造/法律に関係する職業
2 法の基礎知識
法と法学の役割/法の種類/法の優劣関係
3 法律の基礎知識
法律条文の構造/法解釈の技術/note 難しい法律用語/立法の技術
◆第4章 裁判制度とその役割
1 裁判制度
裁判と裁判手続の種類/裁判所および裁判制度を支える人びと/note 裁判官の身分/司法制度改革
2 民事裁判
民事手続一般/判決手続/判決手続以外の紛争解決手段/note 民事訴訟の判決文について
3 刑事裁判
刑事訴訟の基本構造/刑事手続のアウトライン/note 取調べの可視化と弁護人立会い/近代刑事訴訟の理想と日本刑事手続の現実/近年における立法の展開/これからの刑事裁判はどうなる?
◆第5章 判例の読み方
1 判例を読むために知っておくべきこと
「判例」と「裁判例」の違い/「判例研究」または「判例評釈」の一般的な方法論/「生の判決文」を読むことの大切さ/最高裁判決の位置づけ
2 具体的に判例を検討してみよう
序論/事実の概要/「判決理由」(判旨)/他の判決との関係(「判決の射程」を含む)
付録 北方ジャーナル事件
◆Ⅱ 法学の展開◆
◆第6章 違憲審査制と国法秩序
1 憲法とは何か
警察官は誘拐犯?/法律の根拠としての憲法/憲法のさまざまな意味/note 憲法の意味
2 憲法の特質
硬性憲法としての憲法/最高法規としての憲法/違憲審査制を定める憲法
3 違憲審査制は両刃の剣!?
日本の違憲審査制は機能不全?/実はおそるべき制度?/司法の独立と民主政
◆第7章 感染症対策と行政法の役割
1 感染症の脅威
民事法・刑事法による対応方法とその限界/法律による行政の原理
2 強制入院と宿泊療養
note 指定感染症と新感染症/強制入院の法的性格/宿泊療養の法的性格
3 行動制限と補償
行動制限の法的性格/損失補償と政策的補償
◆第8章 個人保証人とその保護
1 保証の意義とその種類
債権の担保/抵当権と保証の比較/保証の種類/保証人の種類
2 個人保証人を保護する理由と方法
締結方法の問題性/保証責任の永続性および広汎性/経済政策
3 個人保証人保護の光と影
借入れの困難/信用保証協会への依存/機動的な融資の阻害/現在の課題
◆第9章 会社とその利害関係者
1 会社とは何か?―営利社団法人
法 人/社団法人/社団法人の構成員=社員/会 社
2 社員としての出資者
なぜ出資者が社員なのか?/会社の債権者に対する社員の責任/有限責任制度の存在意義
3 出資者以外の利害関係者
資金供給者としての債権者/不法行為債権者/従業員/経営者
◆第10章 民事訴訟における「既判力」の作用局面
1 「既判力」とは何か
1.既判力の基本的内容/2.既判力の制度的意義──紛争の蒸し返しの防止/3.既判力が作用する局面
2 「既判力」の作用範囲を制限的に捉える考え方
1. 事例2 /2. 事例2 の解決についての一般的な考え方と有力説による批判
3 有力説の検討と考えの方向性
1.有力説に対する疑問/2.止揚的解決/3.揺り戻しとまとめ
◆第11章 ADR の過去・現在・未来
1 ADR 概論
ADR とはなにか/ADR の種類
2 ADR の過去
戦前のADR/戦後のADR/ニッチとしてのADR ?/訴訟とADR
3 ADR の現在
ODR(オンライン紛争解決)への注目/ODR 論の諸相/ODR と新しい紛争・新しい解決/ADR/ODR の未来?
◆第12章 刑罰権の濫用防止と厳罰化
1 刑法とは何か
刑法の意義/刑法の基本原理/刑法の機能
2 犯罪とは何か
犯罪の意義/構成要件該当性/違法性/責 任
3 刑罰とは何か
刑罰の意義/生命刑/自由刑/財産刑/note 日本国民の圧倒的大多数が死刑の存続を望んでいる?
4 厳罰化とその効果
厳罰化の功罪
5 罪刑法定主義の現状
不真正不作為犯論/共謀共同正犯論
6 刑法解釈論と刑事立法論
解釈論の射程
◆第13章 刑事訴訟の存在意義
1 「刑罰権の実現(処罰)」
「処罰」の意味と刑罰権/訴訟の仮説的性格/疑わしきは被告人の利益に/目的としての刑罰権の実現
2 刑事手続上の人権と人身の自由
刑事手続上の人権/人身の自由
3 刑罰権・刑事権力からの擁護
刑事訴訟の存在意義/人権の普遍性/被疑者・被告人の擁護と無辜の不処罰
◆第14章 社会保障法による医療の保障
1 社会法と医療保障
社会法の成立と発展/社会保険による医療保障/現物給付と金銭給付
2 医療の画一化・平等化
医療保険法令による市場取引の代替/note 法令を探す/画一的で平等な医療の実現/混合診療
3 混合診療解禁論―議論の経緯と残された課題
混合診療解禁論/残された課題
◆第15章 「 ダウンロード違法化」から考える著作権法の課題
1 知的財産法とは
知的財産法の役割
2 著作権法における「ダウンロード違法化」の問題
私的使用のための複製(著作権法30 条)の意義/音楽・映像に関するダウンロード違法化および刑事罰化/「ダウンロード違法化の対象範囲の見直し」の議論における混乱/「侵害コンテンツのダウンロード違法化」に向けた議論/「侵害コンテンツのダウンロード違法化」の内容
3 著作権法の現代的課題
著作権法を取り巻く現状/「業界」や「コミュニティ」の「慣習」や「規範」/法に本来的に存在している「余白」の認識/著作権法における自主的な秩序形成の重要性
◆第16章 中世カノン法と教会裁判制度
1 カノン法とは何か
古典カノン法/note 「カノン法」と「教会法」/カノン法の解釈学の成立/中世カノン法学/法学と教皇立法
2 中世教会における裁判
内的法廷と外的法廷/note 聖職者の職務と人格/教会裁判所とその管轄
3 ローマ・カノン法訴訟の一断面
弁論主義の歴史的淵源/note 論拠としての聖書/中世教会の訴訟制度観/note カノン法上の衡平/カノン法の現在
・事項索引
上記内容は本書刊行時のものです。