版元ドットコム

探せる、使える、本の情報

文芸 新書 社会一般 資格・試験 ビジネス スポーツ・健康 趣味・実用 ゲーム 芸能・タレント テレビ・映画化 芸術 哲学・宗教 歴史・地理 社会科学 教育 自然科学 医学 工業・工学 コンピュータ 語学・辞事典 学参 児童図書 ヤングアダルト 全集 文庫 コミック文庫 コミックス(欠番扱) コミックス(雑誌扱) コミックス(書籍) コミックス(廉価版) ムック 雑誌 増刊 別冊
エコロジー階級の登場についての覚書 ブルーノ・ラトゥール(著) - 新評論
..
詳細画像 0
【利用可否不明】

エコロジー階級の登場についての覚書 (エコロジーカイキュウノトウジョウニツイテノオボエガキ)

社会科学
このエントリーをはてなブックマークに追加
発行:新評論
四六判
192ページ
定価 2,200 円+税   2,420 円(税込)
ISBN
978-4-7948-1292-6   COPY
ISBN 13
9784794812926   COPY
ISBN 10h
4-7948-1292-2   COPY
ISBN 10
4794812922   COPY
出版者記号
7948   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2025年11月
書店発売日
登録日
2025年8月19日
最終更新日
2025年10月25日
このエントリーをはてなブックマークに追加

書評掲載情報

2026-02-15 読売新聞  朝刊
評者: ドミニク・チェン(早稲田大学教授・情報学研究者)
MORE
LESS

紹介

この新しい階級概念は、私たち一人ひとりの明日の姿を描いている。
人間を大地につなぎ直す大いなる反転。万人の新たな政治参加モデル

 近代化の進行によって人類活動は加速度的に増大し、私たちは人間活動の痕跡が地質に明確に残る時代、「人新世」に到達した。いまや人間の生産システムは破壊システムの様相を呈し、甚大な気候危機を招いている。ところが、多くの人々は未曽有の危機が迫る中、無関心、麻痺状態に陥ったままだ。親が子に「居住可能な世界」を残すこともままならなくなった文明を、未だに「合理主義的」と見なしている。
 本書はそんな私たちに、「近代化」を早急に脱して「エコロジー化」を目指すべきだと説く。ただエコロジー化への移行は容易ではない。著者らはその原因を、近代人に特有の自然観、「自然は外部的で遠くから把握が可能なもの、人間社会とは無関係に存在するもの」という見方にあると分析する。その自然観ゆえに、近代人は虚構の居住世界に迷い込んでしまう。彼らにとって、居住する大地も帰属する国家も市場経済も、すべてがこの自然観(近代の認識論)に支配された抽象的存在なのである。自然を資源とみなし「無限の生産」を目指すことができるのもそのせいだ。ところが、いまや人類活動は地球の「環境容量」を遥かに超えるところまで来てしまった。そしてそこに、「終わりなき侵略戦争」が覆い被さっている。
 著者らが「エコロジー化」への第一歩として挙げるのがエコロジー階級の政治的育成である。ただしそれは、マルクスやエリアスがあげたような伝統的社会階級ではなく、生き物の生存条件の維持に最大の価値を置く「地‐社会階級」である。著者らはエコロジー運動を社会運動に効果的に繋げるべきだとするが、そこに重大な要件を一つ設ける。近代の自然観を排し、新たな自然観をとることだ。そこでの自然とは「クリティカルゾーン」(生き物が誕生以来、何十億年という年月をかけて地上に創出し、維持してきた地球の表層数キロの薄膜)のことをいう。私たちが目指すべきは「生産」ではなく、クリティカルゾーンの「居住可能性条件」の維持、拡大、修繕を図ることだと本書は結論づける。(かわむら・くみこ 環境社会学・科学社会学)

著者プロフィール

ブルーノ・ラトゥール  (ブルーノ ラトゥール)  (

Bruno LATOUR(1947-2022)フランスの人類学者・哲学者。科学人類学の立場からの近代文明批判を展開し、その後、自ら「新気候体制」と名づける今日の政治哲学的問題を研究してきた。

ニコライ・シュルツ  (ニコライ シュルツ)  (

Nikolaj SCHULTZ(1990-)デンマークの社会学者。現在、気候変動が社会理論に与える影響について研究中。

川村久美子  (カワムラクミコ)  (

かわむら・くみこ 環境社会学・科学社会学

上記内容は本書刊行時のものです。