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出版者情報
人はどこまで合理的か 下
- 初版年月日
- 2022年7月15日
- 書店発売日
- 2022年7月12日
- 登録日
- 2022年6月17日
- 最終更新日
- 2022年6月18日
書評掲載情報
2022-09-24 |
日本経済新聞
朝刊 評者: 大坪庸介(東京大学准教授) |
2022-08-07 | 産經新聞 朝刊 |
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紹介
「理性に従う」ことは、カッコ悪いのか?
理性こそが、進歩と繁栄を導く――。
理性的思考のための最強ツール群を、倫理学や経済学、統計学、
ゲーム理論など幅広い学問から抽出。その考え方を解説、伝授する。
この1000年あまりの間に、人類は本来持っている合理性を拡張すべく、
数多くの合理性のツールをつくり出してきた。
そのツールとは、「論理」「批判的思考」「確率」「統計」「意思決定理論」
「ゲーム理論」など幅広い学問分野から生まれた、
合理的に思考するための数多くの“道具”である。
こうしたツールは、危険な選択を修正し、疑わしい主張を値踏みし、
おかしな矛盾に気づき、人生の浮き沈みや悲劇について洞察を得るのを助けてくれる、
人生にとっても社会にとっても、非常に重要なものだ。
にもかかわらず、これらツールをすべてまとめて説明する本はこれまでどこにもなかった。
本書は人類の英知の結晶である、最強の合理性ツール群をまとめて解説・伝授する、初めての本である。
ハーバード大学の人気講義が教える、理性の働かせ方!
目次
第6章 合理的選択理論は本当に合理的か
■悪者にされ嫌われてきた「合理的行為者」の正体
■合理的行為者が満たす7つの公理
■「限界効用の逓減」と保険とギャンブルと大惨事
■共約可能性・推移性の公理違反を犯す場合
■非合理と言い切れない、独立性の公理違反
■「プロスペクト理論」による公理違反と合理性
■合理的選択が本当に合理的なことはやはり多い
第7章 できるだけ合理的に真偽を判断する
■不完全な情報を基に合理的な決定を下すには
■信号とノイズを見分けるのはなぜ難しいか
■反応バイアスを最適に設定する方法
■測定の感度を上げればミスも誤警報も減る
■法廷における信号検出の精度は十分か
■科学研究の「再現性の危機」と信号検出理論
第8章 協力や敵対をゲーム理論で考える
■ゲーム理論なしでは社会の重大問題に向き合えない
■じゃんけん・ゼロサムゲーム・混合戦略・ナッシュ均衡
■猫に鈴・非ゼロサムゲーム・ボランティアのジレンマ
■待ち合わせ・調整ゲーム・フォーカルポイント
■チキンゲームとエスカレーションゲームへの対処法
■囚人のジレンマの克服法「掟」「しっぺ返し戦略」
■囚人のジレンマの多人数版「共有地の悲劇」
第9章 相関と因果を理解するツールの数々
■違うとわかっていても混同する相関と因果
■相関があるかどうかは散布図と回帰分析でわかる
■特異な現象の繰り返しは少ない「平均への回帰」
■実は答えるのが意外に難しい「因果関係とは何か」
■因果をつなぐのは一本道ではなくネットワーク
■その相関は因果関係か――ランダム化と自然実験
■その相関は因果関係か――マッチング、重回帰など
■「主効果」「交互作用」で因果を賢明に考察する
■あらゆる手段を駆使しても人間は予測しきれない
第10章 なぜ人々はこんなに非合理なのか
■理性の衰退を懸念させるデマや陰謀論、迷信の流布
■たわごとの蔓延に関する説明にならない説明
■望ましい結論に誘導する「動機づけられた推論」
■党派性に侵された議論「マイサイドバイアス」
■非合理な両極化を引き起こす原因は何か
■陰謀論は「神話のマインドセット」の信念
■人はなぜ疑似科学・超常現象などに騙されるのか
■エンタメとしての都市伝説・フェイクニュース
■陰謀論が蔓延しやすいのには理由がある
■社会から非合理を減らすためにできること
■「合理性の共有地の悲劇」を防ぐ制度も必要
第11章 合理性は人々や社会の役に立つのか
■理性は人生とこの世界をより良いものにするか
■合理的に判断することは人生の役に立つのか
■世界の物質的進歩は合理性の成果だ
■道徳の進歩も合理性によりもたらされたのか
■道徳を進歩させた合理的で健全な議論の数々
参考文献
原注
上記内容は本書刊行時のものです。