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難読漢字の奥義書 円満字 二郎(著/文) - 草思社
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難読漢字の奥義書 (ナンドクカンジノオウギショ)

文芸
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発行:草思社
四六判
256ページ
定価 1,500円+税
ISBN
978-4-7942-2505-4   COPY
ISBN 13
9784794225054   COPY
ISBN 10h
4-7942-2505-9   COPY
ISBN 10
4794225059   COPY
出版者記号
7942   COPY
Cコード
C0095  
0:一般 0:単行本 95:日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2021年2月24日
書店発売日
登録日
2021年1月19日
最終更新日
2021年2月10日
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書評掲載情報

2021-03-20 朝日新聞  朝刊
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紹介

難読漢字をどう読むか。
テレビやネットでこの種のクイズが大流行だが、
答えにたどり着くためには、ただ暗記するだけでなく、
漢字の読み方の基本的なルールを知っておくと便利である。
というよりも、ただどう読むかを知るよりも、
実は漢字の読み方には漢字の歴史や日本語の歴史が隠されており、
その由来を知ることの方がもっと面白いのである。

この本は漢字学で様々な興味深いエッセイを書き続けてきた著者が
「難読漢字」をきっかけとして興味津々の話題を提供する、
クイズ形式を借りた漢字・日本語についての読み物である。
難読漢字の読み方のさらにもう一段上の読み解き方や
楽しみ方の極意を教えよう、と説く。

「白膠木」(ぬるで、植物名)「特牛」(こっとい、地名)
「破落戸」(ごろつき)「賑恤」(しんじゅつ)などは読めるだろうか。
あるいは「撓わに」(たわわに)「窈窕と」(ようちょうと)
「不貞寝」(ふてね)「顳顬」(こめかみ)などはどうだろうか。
一つ一つの難読漢字の背後には、「どう読むのか?」よりも
さらにおもしろい、「どうしてそう読むことになったのか?」という
物語が横たわっている。「古代中国の人がどういう工夫をしてきたか」
「日本語を漢字で書き表すときに日本人がどういう工夫をしたか」など、
もっと奥深い漢字の世界に参入することができる本である。

目次

まえがき

1章 いかにも難しそうな漢字の読み方
1 訓読みと音読みって、何が違う?
2 訓読で読めれば、意味がわかる!
3 訓読みはなんとなく想像がつく?
4 便利な訓読みにも難点がある
5 勘違いから訓読みが生まれる?
6 日本で生まれたオリジナルの漢字
7 三島由紀夫の華麗なる訓読み
8 部分から音読みを予想する
9 部分が同じならば音読みも同じ?
10 音読みの予想は微妙にずれがち?
11 ずれた予想が定着した音読み
12 予想がつかない音読みもある!
13 芥川龍之介の絢爛たる音読み

2章 やさしい漢字の難しい読み方
1 音読みは一種類とは限らない
2 意味によって変わる音読み
3 二種類の音読みで読める熟語
4 時には第三の音読みも存在する!
5 現代中国語から生まれた読み方
6 音読みはさまざまに変化する
7 やさしい漢字の難しい訓読み
8 訓読みには古い日本語が潜んでいる
9 訓読みもさまざまに変化する
10 音読みと訓読みを混ぜて読む
11 森鷗外の多彩なる訓読み

3章 当て字について考える
1 音訓を使って外来語を書き表す
2 外来語の意味を漢字に翻訳する
3 夏目漱石に見る外来語の書き表し方
4 インドからやってきた当て字
5 ありふれた日本語にも当て字はある!
6 発音の変化が当て字を生み出す
7 複数の漢字をまとめて訓読みする
8 日本語の意味を複数の漢字で表現する
9 音読み熟語をまるごと訓読みする
10 二字熟語に送りがなを付けて読む
11 島崎藤村は漢字熟語をどう読ませたか?
12 読み方と漢字の微妙な関係

4章 動植物を表す漢字のいろいろ
1 動植物を漢字一文字で書き表す
2 日本語オリジナルの動植物漢字
3 動植物漢字を日本語独自の意味で使
4 動植物を表す音読み熟語
5 動植物を表す訓読み熟語
6 動物熟語を日本語に翻訳する
7 植物熟語を日本語に翻訳する
8 動植物の日本語名を漢字熟語で表す
9 日中異義の動植物熟語
10 『万葉集』の動植物漢字を読んでみよう
11 外来語の動植物を表す漢字

5章 難読地名の世界を散策する
1 難しい漢字を使った地名
2 やさしい読み方の意外な組み合わせ
3 地名に残る特殊な訓読み
4 訓読みの変化は地名をも難しくする
5 複数の漢字をまとめて読む地名
6 一筋縄では読めない地名もある!
7 地名に残る古い音読み
8 この地名の音読みはひと味違う?
9 平安時代の難読地名を読んでみよう
10 外国の地名を表す漢字

おわりに  
文学作品からの用例の出典一覧  
索引 

著者プロフィール

円満字 二郎  (エンマンジ ジロウ)  (著/文

円満字二郎(えんまんじ・じろう)
1967 年、兵庫県西宮市生まれ。大学卒業後、出版社で国語教科書や漢和辞典などの担当編集者として働く。2008 年、退職してフリーに。著書に、『漢字ときあかし辞典』『部首ときあかし辞典』『漢字の使い分けときあかし辞典』『四字熟語ときあかし辞典』(以上、研究社)、『漢和辞典的に申しますと。』(文春文庫)、『数になりたかった皇帝 漢字と数の物語』『漢字の植物苑 花の名前をたずねてみれば』(以上、岩波書店)、『雨かんむり漢字読本』(草思社文庫)などがある。

上記内容は本書刊行時のものです。