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なぜ、それは儲かるのか 山口 真一(著/文) - 草思社
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なぜ、それは儲かるのか (ナゼソレハモウカルノカ) 〈フリー+ソーシャル+価格差別〉×〈データ〉が最強な理由 (フリープラスソーシャルプラスカカクサベツカケルデータガサイキョウナリユウ)

ビジネス
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発行:草思社
四六判
280ページ
定価 1,600円+税
ISBN
978-4-7942-2461-3   COPY
ISBN 13
9784794224613   COPY
ISBN 10h
4-7942-2461-3   COPY
ISBN 10
4794224613   COPY
出版者記号
7942   COPY
Cコード
C0034  
0:一般 0:単行本 34:経営
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2020年7月24日
書店発売日
登録日
2020年6月26日
最終更新日
2020年7月14日
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紹介

世界中のビジネスが、
1つの勝ちパターンに呑み込まれる。

大量のユーザ獲得、従来の数倍の収益、コスト0で顧客満足向上…。
それができるのには、理由がある。
気鋭の経済学者が新ビジネスモデル「FSP-Dモデル」を解説。

なぜ、デパートや製造業など旧来のビジネスは岐路に立たされているのか?
なぜ、モバイルゲームやフリマアプリなどの新興産業は大きな利益を上げているのか? 
〈F=フリー〉〈S=ソーシャル〉〈P=価格差別〉〈D=データ〉の4つを相互作用させる
新しいビジネスモデル「FSP-Dモデル」が、世界のビジネスを席巻しようとしている。
GAFAからメルカリ、LINE、モバイルゲーム業界までもが活用するこのビジネスモデルを、
気鋭の経済学者が解説。すべてのビジネスパーソンに送る経営戦略未来地図。

<内容より>
・「無課金」と「高額課金」の混在が高利益を生む理由
・投資0で顧客満足度を向上させる「ネットワーク効果」
・コンテンツの無料公開は、総合的に見て、損か得か?
・どんどん課金させたモバイルゲームが枯れて失敗した訳
・データ分析の外注頼みが成長鈍化・リスク増大の根源
・1つのプラットフォームが一人勝ちするとは限らない
・SNS上の意見は重要だが利用者の声を代表してはいない
・「限界費用ゼロ」の商品・サービスを扱うべし
・収益を従来の数倍にする「多段階価格差別」とは何か
・フリマアプリで中古売買が増えると新品販売も増える
・データ利活用が進まない原因は経営者にある
・プラットフォームの栄枯盛衰を見抜きつつ便乗しろ
・SNSを利用してリスク回避・販売促進する方法

目次

第1章 今までのやり方で売れないのはなぜか

いたるところに見られる変化のしるし
・既存のビジネスモデルは壊れつつある
・新型コロナウイルスで加速する既存ビジネス崩壊
・マイクロソフトもビジネスモデル転換を迫られた
・日本企業の変化への対応は遅すぎる
技術革新と価値観の変化をとらえよ
・技術革新が既存ビジネスを破壊するという意味
・つながりと体験を重視する価値観へのシフト
・技術革新と価値観の変化の相互作用が新市場を生む
「フリー」「ソーシャル」「価格差別」「データ」
・変化に対応した新ビジネスモデル「FSP-D」
・ビジネス戦略を立てられない人のための戦略書
・FSP-Dがわかれば何をすればいいか見えてくる

第2章ビジネスを席巻するFSP-Dモデルの正体

限界費用ゼロがフリーを加速させた
・「フリー」は実は昔からあった
・情報財のフリーの裏にある「限界費用ゼロ」の意味
情報財にはフリーにさせる圧力がかかる
・差別化ができない商品の価格は限界費用に近づく
・限界費用ゼロを逆手にとれば情報財で高収益が
しかし本当にフリーで儲かるのか
・フリーにしたら損失と利益、どちらが大きい?
・フリーによる成功例にはどのようなものがあるか
・フリー版も十分使える・楽しめるものにする
・「フリーの方が儲かる」という実証研究が多数ある
第一のソーシャル=ネットワーク効果を活かせ
・「直接ネットワーク効果」とは何か
・「間接ネットワーク効果」とは何か
ネットワーク効果がビジネスに欠かせない理由
・利用者の増加が加速して行く仕組みができる
・ネットワーク効果はフリーと相性が良い
第二のソーシャル=バイラルマーケティング
・マーケティング手法はどのように変遷してきたか
・バイラルマーケティングの成功例・失敗例
・バイラルマーケティングを成功させるには
・有効性示す各種調査――60%の企業が手ごたえ
・ソーシャルメディアは情報収集ツールである
・「発信するための消費」とは何か
・インスタ映えの経済効果は7700億円
価格差別が高利益の鍵を握る
・何を無料にし、何から、誰から収益を得るかが重要
・価格差別とは何か
・進化した「多段階価格差別」のビジネスモデル
データはビジネスに不可欠な第二の石油
・企業の成長の裏にはデータ利活用がある
・FSPとデータ利活用は非常に相性がいい
・既存産業のFSPによる再編にはデータが必須

第3章儲かるビジネスほどフリーを活用する

「フリー」はこの10年で進化した
・従来の4つのモデルと新しいモデル
基本的なビジネスモデル「フリーミアム」
・「定額課金」と「デジタル財課金」
メディアが利用してきた「三者間市場」
・民放テレビは代表的な三者間市場
・三者間市場とデータ利活用を結びつけたグーグル
・三者間市場がフリーミアムと組み合わせられる理由
三者間市場は広告だけではない
・加盟店から手数料収入を得るクレジットカード会社
・サービスから得られるデータを収益源とするモデル
無料で誘い別のものを売る「直接的内部相互補助」
・典型例としての「0円ケータイ」「駐車料金無料」
・フリーではなく格安提供の場合――プリンタ
無報酬なのに急速に拡大「非貨幣市場」
・無報酬でいいから役に立ちたいという人を取り込む
・無報酬のリポーターが貢献――ウェザーニュース
・非貨幣市場がうまく行く理由①――集合知
・非貨幣市場がうまく行く理由②――内発的動機づけ
無料で消費を喚起する「フリー型広告モデル」
・宣伝のためにコンテンツの一部を無料で提供する
・フリー型広告モデルがうまく行く理由――補完効果
フリーはなぜこれほどまでに魅力的なのか
・「値引き」が「無料化」に勝てないことを示す実験
フリー数多の死
・フリーを導入しても失敗するビジネスは多い
・フリーが失敗する理由①――コモディティ化
・フリーが失敗する理由②――熱心なユーザの欠如
・フリーが失敗する理由③――何に課金するか
フリーでは赤字継続を許容する企業姿勢が必要
・成功が困難だった事例――ツイッターの赤字
・ある程度の期間の赤字継続を覚悟する必要がある
情報社会では経済のあり方、お金の使い方が変わる
・「お金」の奪い合いと同時に「時間」の奪い合いも
・フリーから得る「豊かさ」はGDPでは測れない
あらゆる業種でフリーを活かすことが必要に
・フリーを活用するには情報財を扱うことが必須

第4章1%から利益を生み出す「価格差別」

多段階価格差別はなぜ高利益を生み出すか
・価格差別の鍵「需要曲線」「支払い意志額」
・価格差別による収益上昇を図に表す
モバイルゲームの価格差別の実例で考える
・実際の需要曲線の形と多段階価格差別の効果
・多段階価格差別は数倍の収益拡大を実現
多段階価格差別による収益増大と「上位1%」
・多段階価格差別を支えているのは上位1%のユーザ
・上位1%の法則はあらゆるところに見られる
・上位1%の法則を収益に結びつける3つのポイント
・下位99%の尊重は中長期的な高い収益につながる
価格差別により急成長したモバイルゲームの事例
・モバイルゲームと従来のゲームの違いは何か
・ゲームへのFSP-Dモデル導入で新市場が誕生
・価格差別戦略の失敗例――価格のつり上げ
・多段階価格差別では中長期目線が重要
多段階価格差別は特殊なビジネスモデルではない
・アイドルグループAKBの握手券つきCD
・メッセージアプリLINEのスタンプ
・フリマアプリ・メルカリの販売手数料

第5章ネットワーク効果をビジネスに活かす

ソーシャルの基本「ネットワーク効果」
・品質を上げなくても利用者が増えれば価値が上がる
・ビデオ規格で起きたネットワーク効果をめぐる争い
ネットワーク効果3つの魅力的な特徴
・「先行者優位」「ロックイン効果」「一人勝ち」
・現実には「3つの特徴」が成り立たない場合もある
・古参ユーザのネットワーク効果への貢献は縮小する
・差別化されれば一人勝ちにはならない
ネットワーク効果をビジネスモデルに組み込むには
・消費者間のインタラクティブ性を取り入れる
・プラットフォーム化する
ネットワーク効果の働くサービスで成功する方法
・ユーザ獲得の鍵となる概念「クリティカル・マス」
・クリティカル・マス超越法①――低価格・プレゼント
・クリティカル・マス超越法②――利用障壁をなくす
・クリティカル・マス超越法③――情報公開

第6章ソーシャルを活かすマーケティング戦略

ソーシャルメディアの主役である若者の消費行動
・「若者は消費をしない」というのは誤解
・若者に人気のシェアリングは一次消費を増やす
・シェアは「お試し」「リスク軽減」で消費を加速
経済効果1兆円以上のクチコミを利用せよ
・クチコミは「情報の非対称性」を解消する
・クチコミの消費押上げ効果は年間1兆円以上
ソーシャルリスニングで消費者動向を分析する
・ソーシャルリスリングの長所
・ソーシャルリスニングをビジネスに導入するには?
・通信学習サービス「ドラゼミ」での取り組み例
ソーシャルでは情報の偏りに注意する
・ソーシャルリスニングの短所
・高頻度投稿ユーザは批判的で強い意見を持つ傾向
消費者との距離を縮める「愛されアカウント」
・消費者と同じ立場でコミュニケーションができる
・「愛されアカウント」という運用方法
ブランド戦略に活かす
・ヒルトンの事例に見る価値向上のメソッド
・インフルエンサーの影響力でブランド価値が向上
ネット炎上リスクを正しくとらえる
・企業のネット炎上は1日に1件以上発生している
データが明らかにした「意外」な炎上の実態
・炎上に書き込んでいるネットユーザはごく一部
・炎上がメディアに取り上げられると影響が深刻化
炎上リスクを回避して適切にソーシャルを活用する
・炎上を未然に防ぐアカウント運用法
・それでも炎上したら、どうすればいいのか

第7章情報社会のビジネスの根底にある「データ」

FSP-Dモデルを支えるデータ利活用
・データはビジネスの土台
・データ分析があるからフリーで収益化できる
・ソーシャルとデータ分析には相乗効果がある
・適切な価格戦略はデータが明らかにする
業種を問わず到来するデータ利活用の波
・製造業のデータ利活用――インダストリー4・0
・農業もデータ利活用の時代へ――スマート農業
データ利活用できない日本企業
・やらなければいけないとわかっていても進まない
・ビジョンあって初めて進むデータ利活用
「協調」「創造」の企業風土がイノベーションの源
・生産性・創造性の鍵「心理的安全性」
・企業風土はデータ利活用とも関係している
データ利活用における「三本の矢」
・データ分析人材の内製化が成長と低リスク化の鍵
・経営者がデータ分析に関するビジョンと知識を持つ
・協調的・創造的な組織文化を醸成する
既成ビジネスをFSP-Dモデルで再構築したら
・農業をFSP-Dモデルで再構築したら
・製造業をFSP-Dモデルで再構築したら
情報社会のビジネスの鍵は「信頼」
・消費者からの信頼を勝ち取る

第8章FSP-Dモデルと情報社会のこの先

FSP-Dはビジネス界を席巻する
・FSP-Dモデルをフル活用できるサービスとは
・フル活用できないならFSP-Dモデルに便乗する
FSP-Dモデルは一時的な流行で終わらない
・情報社会を近代化の歴史の中で考える
・今後200年続く情報社会のビジネス=FSP-D

あとがき
参考文献
事例索引
事項索引

著者プロフィール

山口 真一  (ヤマグチ シンイチ)  (著/文

山口 真一(やまぐち・しんいち)
国際大学グローバル・コミュニケーション・センター准教授。博士(経済学)。専門は計量経済学。研究分野は、ネットメディア論、情報社会のビジネス論、プラットフォーム戦略など。「あさイチ」「クローズアップ現代+」(NHK)や「日本経済新聞」をはじめとして、メディアにも多数出演・掲載。組織学会高宮賞受賞(2017年)、情報通信学会論文賞受賞(2017年・2018年)、電気通信普及財団賞受賞(2018年)。主な著作に『炎上とクチコミの経済学』(朝日新聞出版)、『ネット炎上の研究』(勁草書房)、『ソーシャルゲームのビジネスモデル』(勁草書房)などがある。他に、日本リスクコミュニケーション協会理事、海洋研究開発機構(JAMSTEC)アドバイザー、グリー株式会社アドバイザリーボード、東洋英和女学院大学兼任講師などを務める。

上記内容は本書刊行時のものです。