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出版者情報
中東を学ぶ人のために
- 初版年月日
- 2024年6月30日
- 書店発売日
- 2024年6月26日
- 登録日
- 2024年4月16日
- 最終更新日
- 2024年5月13日
紹介
【全体像を一気につかむ、知の見取り図】
歴史、宗教、ジェンダー、石油経済、ビジネス、紛争、難民――中東のダイナミズムを、16の論点から解き明かす。最新の研究に基づく必読の入門書。
【序章より抜粋】
中東の情報は世に溢れている――でも、それでは物足りない。そんなふうに感じる人は、中東を「学ぶ」時期に来ている。
ニュースで一言二言の「解説」として扱われる情報については、手元にたくさんある。しかし、人々がどのように社会生活を送っているのか、どのように経済活動を営んでいるのか、あまり関心を持とうとしない。つまり、人々が私たちと同じように考え、感じ、集まり、交換するという当たり前の中東の姿を抜きにして、一足飛びに中東の政治現象を論評しようとする。せっかく「学ぶ」機会を得ようとしているのだから、ここは腰を据えてじっくりと中東と向き合ってみてはどうだろうか。
私たちの判断の拠りどころとなるのは、立場ではなく、「学び」そのものである。中東研究の歴史が紡いできた学知を自身のなかに蓄えながら、その知識に基づいて対象を解釈し、自身の見解を述べることが、私たちの主張を確かにする。この主張に基づいて批判し、批判され、議論を続けることで新たな理解を作り上げる。「学び」とは、そうした不断のプロセスである。
目次
序章 中東を「学ぶ」 (末近浩太・松尾昌樹)
第1部 繁栄する文化
1 言語と宗教 (竹田敏之)
2 歴史叙述 (小笠原弘幸)
3 アラブ小説 (柳谷あゆみ)
4 中東の近現代思想 (岡崎弘樹)
第2部 変容する社会
1 ジェンダー (嶺崎寛子)
2 移民・難民 (錦田愛子)
3 都市と農村 (柏木健一)
4 メディア (千葉悠志)
第3部 躍動する経済
1 経済開発 (土屋一樹)
2 石油/脱石油 (堀拔功二)
3 イスラーム金融 (長岡慎介)
4 中東でのビジネス (齋藤純)
第4部 混迷する政治
1 世界のなかの中東 (今井宏平)
2 紛争 (江﨑智絵)
3 パレスチナ問題 (山本健介)
4 宗教と政治 (高尾賢一郎)
終章 さらなる学びへ (末近浩太・松尾昌樹)
コラム 中東の音楽映画 (中町信孝)
言葉に映し出される家族 (村上薫)
ほんとうのバーザール (岩﨑葉子)
権威主義と民主主義 (渡邊駿)
※巻末に「必読文献リスト」「国別データシート」つき
上記内容は本書刊行時のものです。