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6歳と3歳のおまけシール騒動
贈与と交換の子ども経済学
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2023年3月13日
- 書店発売日
- 2023年3月13日
- 登録日
- 2023年2月8日
- 最終更新日
- 2023年3月15日
書評掲載情報
2023-04-22 |
毎日新聞
朝刊 評者: 渡邊十絲子(詩人) |
2023-04-08 | 日本経済新聞 朝刊 |
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紹介
昭和の末期、大流行したビックリマンチョコのおまけシール。その渦中にあった6歳と3歳の息子とその仲間たちの克明な日誌的観察記録をもとに、子ども文化、子ども経済、仲間関係の発達を社会歴史的な文脈の中で丁寧に描き出した稀有なフィールド研究。
子どもたちはシール交換やシール収集を通じてなにを学んでいたのか? 日々の何気ない些細な出来事を、子どもたちの生きる時代や社会状況を踏まえて丁寧に分析する。
目次
はじめに
序 章 ビックリマンシールに先立つ子ども文化
1 子ども文化としてのメンコ
(1)メンコの〝起こし〟勝負の歴史
(2)戦前の子どもたちのメンコ遊び
(3)戦前から戦後への子どもの遊びの変化
(4)戦前から戦後へ「メンコ」遊びに共通する特徴
2 高度資本主義社会の「子ども文化
(1)仮面ライダースナックの登場
(2)ビックリマンチョコの登場
■第一部 ビックリマンシールへの欲望に火がつき燃え上がる
第一章 欲望がくすぶり始め火がつく
▼1987年7月・8月・9月▲
1 お菓子のおまけのシールを集める
(1)お小遣いをもたず駄菓子屋を知らない子どもたち
(2)Uが「ドキドキ学園シール」を集め始める
2 シールの収集と交換が意味すること
(1)二つの所有概念
(2)「素朴な交換」と「私的所有物の物々交換」
3 「シール交換」という交渉術
(1)Fが他者の欲望を欲望せよと教える
(2)3歳児Yにとってのシール交換の意味
(3)シール交換のために他児をだましたり恫喝する
4 ビックリマンシールへの欲望が芽生える
(1)ビックリマンシールを集めているミヤ君からのプレゼント
(2)ビックリマンシールへの欲望の誕生
第二章 欲望の火が燃え広がる
▼1987年10月・11月・12月▲
1 テレビ放送や小学生などエクソシステムからの誘惑
(1)子どもに作用している四つのシステム
2 ビックリマンシールが生み出す新たな関係世界
(1)年上の子どもたちとの交流
(2)シールを介した仲間との関係(UとYの態度から)
(3)シールをめぐる子どもたちのさまざまな態度
■第二部 ビックリマンシールへの欲望が薄れていく
第三章 ビックリマンシールの流行の飽和
▼1988年1月~1988年3月▲
1 年が明けてもブームに陰りの徴候なし
2 ビックリマンシールの流行の飽和
(1)ミヤ君がシールを集めなくなる
(2)ビックリマンシール盗難事件
(3)ビックリマンシールの流行の飽和
第四章 ビックリマンブーム消滅への長い道のり
▼1988年4月~1990年3月▲
1 Uの小学1年生前半(1988.4~1988.8)
(1)一年生になって
(2)新しいタイプの交換の出現
(3)盗難事件とブーム衰退の徴候
2 Uの小学1年生後半(1988.9~1989.3)
(1)異年齢の子どもたちとの交流
(2)女の子とのシール交換
(3)ブームは去りつつあるが未練も
3 Uの小学2年生(1989.4~1990.3)
(1)ビックリマンへの関心の残存と消滅
(2)ブームの火消し壺、盗難事件
(3)ブームの完全消滅期
終 章 歴史的状況に埋め込まれた子どもたちの発達
1 子ども文化としてのビックリマンシール
(1)伝承されるものとしての文化
(2)ビックリマン収集遊びはなぜ継承されなかったのか
(3)企業販売戦略の元に徒花として咲いたビックリマン「子ども文化」
2 子どもたちの経済学(贈与と交換)
(1)子どもたちにとっての物々交換
(2)子どもたちにとっての贈与
(3)子どもたちは何を経験し何を学んだのか
3 社会歴史的な文脈における発達
(1)昭和末期のバブル期に育つこと
(2)子どもたちが日々の生活の中で学ぶこと
4 おわりに
あとがき
引用文献 / 人名索引 / 事項索引
装幀 臼井新太郎
関連リンク
上記内容は本書刊行時のものです。