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変貌する恋愛と結婚 小林 盾(編集) - 新曜社
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変貌する恋愛と結婚 データで読む平成

発行:新曜社
四六判
286ページ
並製
価格 2,500円+税
ISBN
978-4-7885-1630-4
Cコード
C1036
教養 単行本 社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2019年4月8日
書店発売日
登録日
2019年3月8日
最終更新日
2019年4月25日
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書評掲載情報

2019-06-29 朝日新聞  朝刊
評者: 長谷川眞理子(総合研究大学院大学学長)

紹介

少子化が続く現代。男女の恋愛・結婚事情に変化は起きているのか。全国1万2000人のビッグデータから、恋愛・結婚・家族についての経験と心理を克明に分析。その多様性と不平等を実証的に解明した日本における初めての大規模恋愛レポート。

目次

変貌する恋愛と結婚 目次

はじめに    小林 盾・川端 健嗣

【第1部 恋愛】    (前川啓治)

第1章 若者の恋愛―だれが草食化したのか    小林 盾

コラム  2015年社会階層とライフコース全国調査、
     2018年社会階層とライフコース全国調査―多様性と代表性    小林 盾
     
第2章 少女雑誌における恋愛
    ―少女雑誌は男女の友愛・恋愛をどのように扱ってきたのか    今田 絵里香

第3章 ロマンティックラブ・イデオロギーと
    ロマンティックマリッジ・イデオロギー
    ―変容と誕生    谷本 奈穂・渡邉 大輔

第4章 キャバクラ嬢の恋愛―疑いつつ信じる、夢から醒めつつ夢を見る    小林 盾

第5章 恋愛から結婚―恋愛は結婚へのパスポートか    小林 盾・大﨑 裕子

コラム 国際結婚―「とにかく我慢、怒らない、ギブアンドギブ」    森田 厚・小林 盾

【第2部 結婚と家族】    (前川啓治)

第6章 婚活―婚活と出会いをめぐって    山田 昌弘

コラム 家族と移動レジーム―若年非正規雇用者の困難をめぐって    佐藤 嘉倫

第7章 結婚と教育―学歴別にみた女性の結婚チャンスと幸福感    森 いづみ

第8章 結婚と信頼―未婚化は不信社会をもたらすか    大﨑 裕子

コラム 家族と幸福―生涯未婚者は不幸なのか    ホメリヒ カローラ

第9章 結婚と再婚―再婚という生き方がしめす家族の未来    金井 雅之

第10章 出産―子どもを持つことについての格差    筒井 淳也

コラム 家族と階層意識―家族をもつことは地位なのか    数土 直紀

第11章 親子関係―縁が切れることで、かえって家族の絆は強まるのか    川端 健嗣

コラム 家族の重要性―モダニズム再考    今田 高俊

第12章 家族と自由―交際・結婚・出産育児の社会経済的不平等    内藤 準

コラム 家族とリスク―プライベートな領域にどのような不平等がひそんでいるのか    川端 健嗣

第13章 ライフコース―私たちの人生は多様化したのか    渡邉 大輔・香川 めい

編者対談―恋の魔法が解けたあとに    小林 盾・川端 健嗣(司会:森田 厚)


装幀=はんぺんデザイン 吉名昌

前書きなど

はじめに

 小林盾・川端健嗣

変貌する恋愛と結婚―恋愛の謎、結婚の秘密

 皆さんは、現代の日本社会で恋愛や結婚がどのように行われていると思いますか。恋愛事情や結婚事情に、変化は起きているのでしょうか。少子化はこの先も進むのでしょうか。

 この本では、昭和から平成にかけて、恋愛や結婚をめぐる状況がどのように変貌したのかを、さまざまな角度から考えます。そのために、全国1万2000人を対象としたビッグデータを集めて、恋愛・結婚・家族についての人びとの経験や心理を克明に分析しました。いわば、平成の日本社会のスナップショット集であり、日本初の大規模恋愛レポートとして「日本版キンゼイレポート」といえるかもしれません(キンゼイレポートとは1948年に発表された、アメリカの恋愛事情についてのレポート)。

 恋愛、結婚には、いつでも謎や秘密がつきまといます。たとえば、つぎの文章は、正しいでしょうか、間違っているでしょうか。

Q1 若者は、草食化して恋愛しなくなった。

Q2 結婚した人ほど、幸せである。

Q3 学歴が高い人ほど、子どもが多い。

Q4 人びとの生き方が多様化して、パターンが増えた。

 答え合わせには、本文を読んでみてください(Q1は第1章若者の恋愛、Q2は第7章結婚と教育、Q3は第10章出産、Q4は第13章ライフコース)。

データで読む平成―2015年社会階層とライフコース全国調査

 この本全体で「人びとの生き方が多様化した結果、かえって恋愛や結婚における格差が拡大したのかもしれない」という仮説を立てて、データで検証をしていきます。ただし、たんに「過去から現在への変遷」を解明するだけでなく、できるだけ「未来への希望」を見つけられるようにしました。

 全体で2つに分かれ、第1部では「恋愛」、第2部では「結婚と家族」がテーマになっています。若者の恋愛から始まり、結婚、出産、親子関係へと、人生のステップにおおむね沿うようにしました。若い世代なら「未来へのタイムマシーン」として、年配の世代なら「想い出のアルバム」として、読めるかもしれません。

 どの章も、それだけで読むことができます。コラムでは、「国際結婚」などテーマを絞ってデータ分析しました。末尾におまけとして、編者2人の対談をつけました。本音が出ているかもしれません。

 データとして、おもに2015年社会階層とライフコース全国調査というアンケートを用いました。これは、全国の1万2000人から恋愛、結婚、出産について、一歳ごとのパネルデータを含めてデータ収集したものです。ここまで詳細なデータは、これまでありませんでした。これに加え、インタビューや雑誌の内容を分析している章もあります。

高校生、大学生、社会人に向けて

 主な読者には、高校生、大学生、社会人、そして社会学者を想定しています。恋愛や結婚は、およそすべての人に関わることですので、できるだけ前提知識なしに、砂漠に水が染みこむように理解できるよう工夫しました。各章はどれも4つの節に分けられ、第1節が問題、第2節がデータと方法、第3節が分析結果、そして第4節でまとめとなっています。

 なお、この本は『ライフスタイルとライフコース―データで読む現代社会』(山田昌弘・小林盾編、成蹊大学アジア太平洋研究センター叢書、2015年、新曜社)の続編にあたります。とはいえ、それぞれの本は独立して読むことができます。

この本を通して、読者の皆さんが豊かな未来のためになにかヒントを見つけだしてくれたら、私たちとしては嬉しいかぎりです。

付記

 この本は、成蹊大学アジア太平洋研究センターから助成を受けており、成蹊大学アジア太平洋研究センター叢書の1冊として刊行されます(共同プロジェクト「ライフコースの国際比較研究―多様性と不平等への社会学的アプローチ」2014~6年度、研究代表小林盾)。アジア太平洋研究センターの皆さん、とくに高安健将所長、大﨑裕子特別研究員から、サポートいただきました(写真はプロジェクトミーティングの様子、2017年11月)。

 また、本研究はJSPS科研費JP24330160の助成を受けたものです(基盤研究B「少子化社会における家族形成格差の調査研究―ソーシャル・キャピタル論アプローチ」2012~4年度、研究代表小林盾)。

 新曜社の高橋直樹氏は、ご自身のしっかりした軸を持ちながらも、編者や執筆者の意向をつねに尊重してくれました。おかけで、データを厳密に分析しつつ、読みやすい内容になったかと思います。皆さまに心より感謝いたします。

上記内容は本書刊行時のものです。