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会話分析・ディスコース分析・ドキュメント分析 ティム ラブリー(著) - 新曜社
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会話分析・ディスコース分析・ドキュメント分析 (カイワブンセキ ディスコースブンセキ ドキュメントブンセキ)

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発行:新曜社
A5判
224ページ
並製
価格 2,400円+税
ISBN
978-4-7885-1599-4   COPY
ISBN 13
9784788515994   COPY
ISBN 10h
4-7885-1599-7   COPY
ISBN 10
4788515997   COPY
出版者記号
7885   COPY
Cコード
C1011  
1:教養 0:単行本 11:心理(学)
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2018年10月15日
書店発売日
登録日
2018年9月21日
最終更新日
2018年10月12日
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紹介

SAGE質的研究キット第7巻
 心理学のみならず、医学、看護学、教育、保育など、様々な分野で、会話分析やディスコース分析に基づく研究が盛んです。しかし従来のテキストは、社会構築主義といった背景となる理論を解説することに主眼をおいたものが大半で、理論や考え方に馴染みがない初学者には非常に敷居の高いものでした。本書の特色は、データの具体的な集め方や書き起こし方について、その手続きやノウハウを実践的に解説しているところにあります。学生を指導する中で著者が苦労し工夫を凝らしてきた成果が存分に込められ、初学者や質的研究に馴染みがない研究者が最初に手に取るのに最適な一冊です。

目次

会話分析・ディスコース分析・ドキュメント分析 目次

編者から(ウヴェ・フリック)
  「SAGE質的研究キット」の紹介
  質的研究とは何か
  質的研究をどのように行うか
  「SAGE質的研究キット」が扱う範囲

本書と第2版について(ウヴェ・フリック)

謝 辞

1章 ディスコースを研究する
  導入的ないくつかの考え
  起源についてのいくつかの考え
  次章以降についてのいくつかの考え

2章 アーカイブを生み出す
  「データ」のソース
  ドキュメントにもとづくソース
  音声とビジュアルにもとづくソース
  まとめ

3章 倫理と「データ」の記録
  研究「データ」を作成し記録する際の倫理的問題
  まとめ

4章 記録の実際
  記録機器
  何を記録するかをどのように知るか?
  インタビューとフォーカスグループの実際
  音声、もしくはビデオにもとづくエスノグラフィーの実際
  まとめ

5章 音声とビデオ材料の書き起こし
  記録の紹介
  場面を描写する
  基本的なトランスクリプト
  細部の問題
  ジェファーソン式トランスクリプト
  作業用トランスクリプト vs. 報告用トランスクリプト
  ビデオにもとづくデータを使う
  イメージを書き起こす
  まとめ

6章 会話を探究する
  発話におけるありふれた瞬間の探究
  社会生活の習慣的組織化
  だから何なのか?
  まとめ

7章 ドキュメントについての会話、ドキュメントによる会話の探究
  ドキュメントの使用
  ケーススタディ─精神科の記録はどのように作られたか
  ケーススタディ─レポート結果の読み取りとレポートの知見の報告
  ケーススタディ─法廷のビデオ記録の理解
  まとめ

8章 会話とディスコースを探究する─いくつかの議論とジレンマ
  分析者の隠れた役割
  相互行為の1コマのみに焦点をあてる
  フォーカスグループやインタビューから得たデータの、ローカルな文脈について研究する
  権力(や他の鍵概念)について研究する
  まとめ

9章 ドキュメントを探究する
  何がそこにあるのか(何がそこにないのか)を考える
  事例を検討する
  論点を広げる
  誰にとっての問題か、誰にとっての解決か?
  いままでの歴史を考える
  まとめ

10章 ディスコースを研究する─おわりに
  アーカイブをコード化し、分析し、考える
  品質とリフレクションの問題
  会話、ディスコース、ドキュメントを分析する諸段階とキーポイント
  (最後の)まとめ

訳者あとがき
用語解説
文 献
人名索引
事項索引

装幀=新曜社デザイン室

前書きなど

会話分析・ディスコース分析・ドキュメント分析 本書と第2版について

ウヴェ・フリック

 ディスコースを分析することは、現在、質的研究における主要なアプローチの一つとなっている。会話を分析することは、データとしてのドキュメントの利用と同様に、質的研究の歴史において長い伝統がある。こうしたアプローチにおいて、データ収集はしばしば、自然に生じるやりとりを記録することで、材料のセットを作り出したり、あるいは、たとえば新聞記事を選んだり各種機関のファイルからドキュメントを選ぶことに焦点があてられている。このプロセスでは、インタビューやフォーカスグループといった、特に研究プロセスのためにデータを作り出す伝統的なデータ収集の方法はマイナーな役割を果たしている。ここで決定的なのは、むしろ研究目的のために現存する材料を利用可能にし、まとめ上げる方法である。したがって、音声やビデオ材料の書き起こしやアーカイブの作成といったステップが研究プロセスにおける中核となり、単なる技術的な、もしくは些細な問題ではない。倫理は、この文脈において、特定のしかたでだけでなく、異なったしかたで関連することになる。

 本書はこうした問題を、ディスコース分析や会話分析の観点から扱う。そうすることで、書き起こしのようなトピックに、異なった、かつ、おそらく「SAGE質的研究キット」の他の巻よりもより組織だった解釈を与える。しかし本書はまた、「キット」の他の巻によって補われもする。インタビューやフォーカスグループは会話の特定の状況であり、伝達される内容だけでなく、それ自体として分析が可能だからである。したがって、本書とバーバー(Barbour, 2017)によるフォーカスグループの巻、クヴァール(Kvale, 2007/Brinkmann & Kvale, 2017)によるインタビューに関する巻は、互いに補完しあう関係にある。

 同じことはビジュアル材料(Banks, 2007/2017)の利用についても言え、ディスコースを研究するために利用することができる。ギブズ(Gibbs, 2017)によるデータ分析に対するより一般的なアプローチは、ディスコースや会話の分析に関連する材料のコード化、とりわけコンピュータやコンピュータソフトの利用について、より詳細に概観している。本書は、「SAGE質的研究キット」の文脈の中で、とりわけ単一のアプローチを取り上げているが、同時に、キットのより一般的な視野の中にしっかり埋め込まれている。分析の質やプランニングについてのより突っ込んだ考察は、質的研究のデザイン(Flick, 2007/2017c)や研究プロセスにおける質の管理(Flick, 2007/2017d)に関する、より一般的な指摘に付随することがらである。本書の第2版は、全般にわたってアップデートされ、拡充されている。

上記内容は本書刊行時のものです。