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文科系のための遺伝子入門 土屋 廣幸(著) - 新曜社
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文科系のための遺伝子入門 (ブンカケイノタメノイデンシニュウモン) よくわかる遺伝リテラシー (ヨクワカルイデンリテラシー)

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発行:新曜社
四六判
144ページ
並製
価格 1,400円+税
ISBN
978-4-7885-1595-6   COPY
ISBN 13
9784788515956   COPY
ISBN 10h
4-7885-1595-4   COPY
ISBN 10
4788515954   COPY
出版者記号
7885   COPY
Cコード
C1047  
1:教養 0:単行本 47:医学・歯学・薬学
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2018年9月
書店発売日
登録日
2018年8月30日
最終更新日
2018年9月21日
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紹介

遺伝と遺伝子の基礎がよくわかる!
今の時代、遺伝子の基本知識は必須です。遺伝子研究の発展はめざましく、今では、人ひとりの全遺伝情報(ゲノム)が安価に解読できるようになり、医療現場では、遺伝情報を利用した診断治療の新しい技術が次々に生まれています。しかし、遺伝子や遺伝の内容を理解するのは大変難しいと思っている人が多いのではないでしょうか。「遺伝子」をウィキペディアで調べると、たいていの人はしょっぱなから降参でしょう。そこで本書は、遺伝子に関連する言葉を、文化系の人々でもわかるように丁寧に説明しました。また、今日話題の遺伝に関する様々なトピックスの内容もぬかりなく説明しています。もちろん「文系」でなくても、最新の遺伝子研究について知りたい人にピッタリの一冊です。

目次

文科系のための遺伝子入門 目次

推薦の言葉
はじめに
 この本で明らかにしたいこと

第1章 遺伝子の役割――その1 親から子へ遺伝情報を伝える

 血液型
 メンデルの法則とエンドウマメの形質
 ■第1章のまとめ

第2章 染色体とDNAと遺伝子

 染色体
 DNAという言葉の意味
 DNAの構造
 DNAと遺伝子の違い
 塩基
 DNAの二重らせん構造の発見
 あらためて、遺伝子とDNAと染色体の関係についてまとめると
 ■第2章のまとめ

第3章 細胞分裂とDNAの複製、そして転写

 ■第3章のまとめ

第4章 遺伝子の役割――その2 タンパク質をつくるための情報

 セントラル・ドグマ (DNA → RNA → タンパク質)
 転写――メッセンジャーRNAの生成
 RNAの構造
 コドン表(遺伝暗号表)
 エクソンとイントロン
 選択的スプライシング
 翻訳――メッセンジャーRNAからタンパク質へ
 ミトコンドリア
 ■第4章のまとめ

第5章 五大栄養素

 タンパク質、糖質(炭水化物)、脂肪
 ■第5章のまとめ

第6章 タンパク質

 酵素タンパク質
 構造タンパク質
 貯蔵タンパク
 輸送タンパク質
 収縮タンパク質
 防御タンパク質
 調節タンパク質
 ■第6章のまとめ

第7章 遺伝子解析の限界

 1つの遺伝子に異常があるときでも、異常の場所は個人によって異なることがある
 遺伝子異常にはスニップス(SNPs、一塩基多型)以外にも、いくつか変異のパターンがある
 遺伝子だけですべての特性・性質が決まるわけではない
 多因子遺伝とは
 ■第7章のまとめ

第8章 遺伝子をめぐるトピックス

 羊のドリー
 iPS細胞(人工多能性幹細胞)
 次世代シーケンサー(シークエンサー)
 全ゲノム塩基配列解析、ゲノムワイド関連解析、エクソーム解析
 ヒトゲノム計画
 ヒトゲノム計画に続くもの
 1000ドルゲノム計画
 アンジェリーナ・ジョリーさんとがん関連遺伝子
 がん関連遺伝子とは105
 直接消費者に提供される遺伝学的検査(DTC遺伝学的検査)
 遺伝子編集(ゲノム編集)――クリスパー/キャス
 ■第8章のまとめ

あとがき

 参考書籍
 引用文献
 索引
     

前書きなど

文科系のための遺伝子入門 あとがき

 遺伝子という言葉は、日常生活でもよく見聞きするようになった割には十分明らかでないまま用いられているように思います。けれども、これからの時代、遺伝子は医学、薬学、生物学、農林水産業、工業だけでなく、経済、経営、社会、政治さまざまな分野において、ますます利用が盛んになっていくでしょう。

 著者は医学部/大学病院小児科に所属していたころには、患者さんの診断・治療との関連から初歩的な分子遺伝学的解析に関わりました。やがて新生児の健診に従事するようになってから、生後間もなくの赤ちゃんたちも一人ひとり個性が異なることに気づき、論文発表するとともに、さまざまな先行研究を踏まえて単行本『性格はどのようにして決まるのか』(新曜社、2015年)を出版しました。一方、教育は性格決定に大きく影響することが知られていますが、教育に遺伝子をどのように生かすとよいかについて、イギリスの高名な遺伝心理学者プローミン教授たちの著した新しい教育論『遺伝子を生かす教育』(新曜社、2016年)を訳出しました。本書も含めて、この3冊の本で遺伝子と性格をめぐる研究の現況をレビューすることができたのは著者としての喜びです。

 本書でも少しふれたところですが、ヒトの性格は遺伝によって50%、残りの50%は環境によって決まり、そして、遺伝と環境のあいだには相互作用があることが明らかになっています。遺伝の要素を決めるものとして、特定の遺伝子を検討したり(候補遺伝子検索)、あるいはヒト細胞の持つ遺伝情報のすべてについて、多数の関連遺伝子の変異をいちどに調べることも行われます(ゲノムワイド関連解析やエクソーム解析)。

 このような研究の積み重ねによって、ヒトとは何かという普遍的な問いへのアプローチも進むでしょうし、オーダーメード医療や病気のよりよい治療法の開発も可能になるでしょう。読者の皆様をそのような新しい世界の入り口にご案内できれば幸いです。

 本書では、DNAの複製とセントラル・ドグマ(DNAの情報がRNAへ転写されて、その情報を元にタンパク質へ翻訳される仕組み)について少し詳しく述べました。DNAの複製は遺伝子の役割の一つである親から子どもへの遺伝の基礎ですし、もう一つの役割であるタンパク質(ひいては生命)の設計図であることについてはセントラル・ドグマが基本です。もちろん、遺伝子の役割は簡単に二分化できるわけではありませんが、このように整理すると、遺伝子の意味が理解しやすいように思います。

 本書の執筆にあたっては、千葉大学大学院副医学薬学府長、羽田明先生のご助言・ご高閲をいただきました。また、新曜社社長、塩浦暲様には変わらぬご支援をいただきました。お二人に心から感謝申し上げます。

上記内容は本書刊行時のものです。