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はじめての描画療法 杉浦 京子(編集) - 新曜社
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はじめての描画療法 (ハジメテノビョウガリョウホウ)

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発行:新曜社
四六判
160ページ
並製
価格 1,800円+税
ISBN
978-4-7885-1594-9   COPY
ISBN 13
9784788515949   COPY
ISBN 10h
4-7885-1594-6   COPY
ISBN 10
4788515946   COPY
出版者記号
7885   COPY
Cコード
C1011  
1:教養 0:単行本 11:心理(学)
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2018年9月
書店発売日
登録日
2018年8月17日
最終更新日
2019年10月28日
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紹介

 描画療法は絵画を描くことを中心にした芸術療法の一種です。本書は「描画療法とは」「描画療法の基礎知識」「描画療法の研究」「描画療法の実践」の四部に内容を分けて、実践にあたって気をつけるべきこと、準備する道具、さまざまな実践方法の種類と違い、解釈の仕方や事例など、実践にかかわる基本的な事柄をわかりやすい文章で解説しました。口絵には、患者さんが描かれた26枚の美しい絵を収載しています。描画療法に関心をもつ学生さんから、公認心理師として初めて現場に出られる方まで、広くおすすめできる入門書です。

目次

はじめての描画療法 目次

Ⅰ描画療法とは
 はじめに
 導入と適応
 治療的要因
  心理的退行・内面の表出・カタルシス
  芸術療法の四つの立場
  自己実現とイメージ
  自己創造と自己治癒
  治療的関わり解釈や分析について
 描画療法のなりたち
  絵を描くことの起源
  現代の描画療法の起源

Ⅱ描画療法の基礎知識
 方 法
  描画療法の材料・道具について
  描画療法のさまざまな技法
  集団描画療法
 理 論
  描画療法の基礎理論
  芸術心理学
  イメージの心理学
  芸術とフロイトの精神分析
  芸術とユングの分析心理学
  筆跡学
  色彩心理学
  発達的視点
  中井久夫「描画療法の導入に際しての注意点」 
  秋谷たつ子「投映法と知能テスト(図形テスト)」 
 実践に際して
  描画療法のアセスメントと治療の二面性
  描画の分析や解釈について
  解釈をしないということと解釈を返すこと

Ⅲ描画療法の研究
 描画療法の初期研究
  描画療法の研究前史
  アメリカとイギリス
  日 本
 描画療法の近年の研究
  介入前後の効果研究
  効果研究のメタ研究
 描画療法のこれからの研究
  手法について
  テーマについて

Ⅳ描画療法の実践
 実践方法
  個人描画の場合
  集団描画の場合
  適応と導入方法
  自由画の実践方法
  課題画(テーマ描画)の実践方法
 自由画の実践事例 
 課題画の実践事例

あとがき
事項索引
人名索引 

装幀=新曜社デザイン室

前書きなど

はじめての描画療法 あとがき
  数年前に新曜社の編集者である森光さんから描画療法の本を書いてくださいとのお話を伺った時に、ぱっと脳裏に浮かんだのは、赤い金魚でした。それは当時日本芸術療法学会で発表された精神科医の三根芳明先生の事例です。そこで三根先生にお話をしたところすぐに快諾を得ました。それが本書第・部「描画療法の実践」に掲載されている事例です。三根先生のおかげで精神科領域での描画療法の実際が把握でき、心理臨床家や精神科領域の方にも具体的な指針として大いに役立つことでしょう。

 第Ⅲ部の「描画療法の研究」については、投映描画法テストバッテリー(星と波描画テスト・ワルテッグ描画テスト・バウムテスト)で共同発表や共同執筆をしている茨城大学大学院の金丸隆太先生にお願いしました。特に描画療法の研究をする学生や大学院生、描画研究者への指針として大いに役立つことでしょう。

 私は第Ⅰ部の「描画療法とは」と第Ⅱ部の「描画療法の基礎知識」、そして第Ⅳ部の冒頭の数ページを担当しました。私は大学の教員を退職後、アーツセラピー研究所で、芸術療法の臨床・教育・研究活動をしています。臨床経験は一九六八年からの早稲田大学の学生相談を皮切りに、日本医科大学では小児科の子どもの相談と学生相談を中心に行ってきました。もともと絵が好きで中高大時代は美術部におりました。心理臨床の世界に入った当時は、あえて美術を仕事にしたくないと近寄らずにいたのですが、早稲田大学で附属や系列の中・高校生の不登校の事例に活用すべく箱庭療法を勉強したことがきっかけで、芸術療法の世界に足を踏み入れました。かれこれ半世紀近くになりますが、今では芸術(表現)療法などの世界にどっぷりと浸っています。今回は私の臨床に基づいた記述をと心がけ事例を交えながら書き進めました。図らずも私のこれまでの臨床のまとめとなり、臨床での私の奥の手を盛り込んだものになりました。少しでも参考になれば幸いです。

 最後につくづく私はクライエントさんに育てられてきたと、またクライエントさんこそが我々臨床家の導き手であると思いました。すべてクライエントさんに心から感謝申し上げます。

  二〇一八年八月 執筆者を代表して 杉浦京子

上記内容は本書刊行時のものです。