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舎弟たちの世界史
発行:新泉社
四六判
縦194mm
横133mm
厚さ24mm
重さ 400g
344ページ
定価
2,200円+税
- 初版年月日
- 2020年8月20日
- 書店発売日
- 2020年8月1日
- 登録日
- 2020年7月2日
- 最終更新日
- 2020年8月1日
書評掲載情報
2020-09-19 |
日本経済新聞
朝刊 評者: 吉川凪(翻訳家) |
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紹介
「聞いてくれたまえ。これは、全斗煥将軍が国を統べていた時代の話だ」
ノワール映画の我らが主人公[独裁者]と、その兄に怯える〈舎弟たち〉――。
時代の狂気のなかで破壊されたタクシー運転手ナ・ボンマンの人生を、軽妙洒脱、ユーモラスな文体で、悲喜劇的に描ききった話題作。
1980年に全斗煥が大統領に就任すると、大々的なアカ狩りが開始され、でっち上げによる逮捕も数多く発生した。
そんな時代のなか、身に覚えのない国家保安法がらみの事件に巻き込まれたタクシー運転手ナ・ボンマンは、政治犯に仕立て上げられてしまい、小さな夢も人生もめちゃくちゃになっていく。
軍事政権下における「国家と個人」「罪と罰」という重たいテーマを扱いつつも、スピード感ある絶妙な語り口、人生に対する鋭い洞察、魅力的なキャラクター設定で、不条理な時代に翻弄される平凡な一市民の人生を描いた悲喜劇的な秀作。
韓国でロングセラー。
渾身の本格長篇、待望の邦訳!
〈イ・ギホの小説は、大いに笑わせてくれるが、そのぶん心を痛めさせられる。喜劇さえもがすでに悲劇の一部なのだ。読みやすく一気に読み進められるが、読後にはなかなか本を閉じることができない、深い傷を負った人間の哀しいジョークのような小説だ。〉――申亨澈(「解説」より)
目次
第I部
第II部
第III部
作家のことば
解説……申亨澈
訳者あとがき
上記内容は本書刊行時のものです。