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絶望の林業 田中 淳夫(著/文) - 新泉社
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絶望の林業 (ゼツボウノリンギョウ)

社会科学
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発行:新泉社
四六判
304ページ
定価 2,200円+税
ISBN
978-4-7877-1919-5   COPY
ISBN 13
9784787719195   COPY
ISBN 10h
4-7877-1919-X   COPY
ISBN 10
478771919X   COPY
出版者記号
7877   COPY
Cコード
C0095  
0:一般 0:単行本 95:日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2019年8月17日
書店発売日
登録日
2019年7月17日
最終更新日
2019年7月31日
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書評掲載情報

2019-11-09 日本経済新聞  朝刊
評者: 岡田秀二(岩手大学名誉教授)
2019-10-12 朝日新聞  朝刊
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紹介

「日本の林業は成長産業である」。
最近よく耳にする言葉です。その証左はどこにあるのでしょうか。そしていま、日本の林業現場で何が行われているのでしょうか?
補助金漬け、死傷者続出、低賃金、相次ぐ盗伐、非科学的な施策……。林業の現場には時代遅れで、悲惨な現状が隠されています。
若者の就労者が増えたことで、成長産業と期待されている日本林業。しかし、その実態は官製成長産業であり、補助金なくしては成り立たない日本の衰退産業の縮図といえます。
30年にわたり森林ジャーナリストとして日本の森、林業にかかわってきた田中淳夫だからこそ書けた、林業業界の不都合な真実に鋭く切り込んだ問題作。

目次

はじめに─ 騙されるメディアと熱い思い

第1部 絶望の林業
1:「林業の成長産業化」は机上の空論
2:木あまり時代が生んだ木づかい運動
3:外材に責任押しつける逃げ口上
4:森も林業も知らない林業家
5:正反対の意味で使われる「間伐」
6:木材価格は高いという神話

第2部 失望の林業
Ⅰ.諦観の林業現場
1:手を出せない林地がいっぱい
2:徒労の再造林と獣害対策
3:森を傷つける怪しげな「間伐」
4:機械化こそ高コストの元凶
5:騙し合いの木材取引現場
6:事故率が15倍の労働環境
Ⅱ.残念な林業家たち
1:改革したくない森林組合
2:倫理なき素材生産業者
3:素人が手がける自伐型林業
4:林業をやめたい山主の本音
5:ロスだらけの木材の在庫管理
6:木悪説にハマった建築家たち
7:見失っている木育の対象
Ⅲ.滑稽な木材商品群
1:“見えない木”合板受容の功罪
2:木を見せない木造建築の罠
3:普及するのか国産材CLT
4:セルロースナノファイバーの憂鬱
5:再生可能なバイオマス発電
6:ハードウッドと大径木の危機
7:国産材を世界一安く輸出する愚
Ⅳ.痛恨の林業政策
1:モラルハザードを起こす補助金行政
2:無意味な「伐期」にこだわる理由
3:地球環境という神風の扱い方
4:違法木材野放しのクリーンウッド法
5:視界不良の林業教育機関
6:実態無視の視察と欺瞞だらけの白書
7:森の未来を見ない林政担当者

第3部 希望の林業
1:夢の「理想の林業」を描く
2:吉野林業の幸福な時代
3:森を絶やさず林業を行う恒続林
4:投資ポートフォリオとしての林業
5:篤林家たちの森と林業
6:絶望の中に希望は見つかるか

あとがき

著者プロフィール

田中 淳夫  (タナカ アツオ)  (著/文

1959年大阪生まれ。静岡大学探検部を卒業後、出版社、新聞社等を経て、フリーの森林ジャーナリストに。森と人の関係をテーマに執筆活動を続けている。主な著作に『森は怪しいワンダーランド』(新泉社)、『森林異変』『森と日本人の1500年』(平凡社新書)、『鹿と日本人―野生との共生1000年の知恵』『樹木葬という選択』(築地書館)、『ゴルフ場に自然はあるか? つくられた「里山」の真実』(ごきげんビジネス出版・電子書籍)ほか多数。

上記内容は本書刊行時のものです。