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中野重治と朝鮮問題 廣瀬 陽一(著) - 青弓社
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中野重治と朝鮮問題 (ナカノシゲハルトチョウセンモンダイ) 連帯の神話を超えて (レンタイノシンワヲコエテ)

社会一般
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発行:青弓社
四六判
縦188mm 横128mm 厚さ22mm
重さ 341g
292ページ
上製
定価 2,800円+税
ISBN
978-4-7872-9264-3   COPY
ISBN 13
9784787292643   COPY
ISBN 10h
4-7872-9264-1   COPY
ISBN 10
4787292641   COPY
出版者記号
7872   COPY
Cコード
C0095  
0:一般 0:単行本 95:日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2021年12月28日
書店発売日
登録日
2021年11月16日
最終更新日
2022年5月11日
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書評掲載情報

2022-02-05 朝日新聞  朝刊
評者: 戸邉秀明(東京経済大学教授・日本近現代史)
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重版情報

2刷 出来予定日: 2022-05-06
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刊行から5カ月、書評などで取り上げていただき、おかげさまで2刷出来です。作家・中野重治が戦後に精力的に取り組んだ朝鮮問題の内実とは。文学や中野重治だけでなく、朝鮮に関心がある方にも広く手に取っていただきたい本です。

紹介

中野重治が戦後に書いた朝鮮や在日朝鮮人をめぐるテクストを丹念に読み込み、安保闘争や浅間山荘事件、東西冷戦などの社会状況を踏まえながら、彼の朝鮮認識の実像を浮き彫りにする。新たな連帯を希求する中野の思想的・政治的な実践の到達点と可能性を示す。

目次

まえがき

序 章 〈中野重治と朝鮮問題〉研究史と本書の視座

第1章 「被圧迫民族の文学」概念の形成と展開――日米安全保障条約と日韓議定書
 1 「圧迫民族の文学」としての日本文学との決別
 2 「被圧迫民族の文学」の試み――「司書の死」をめぐって

第2章 植民地支配の「恩恵」、在日朝鮮人への〈甘え〉
 1 「梨の花」のなかの朝鮮表象と父親の存在
 2 日本社会における〈朝鮮〉の欠落――在日朝鮮人の日本語能力を鏡として

第3章 「朝鮮人の転向」という死角
 1 〈越境〉と「模型」の境界標
 2 「朝鮮人の転向」の源泉としての金達寿「朴達の裁判」

第4章 反安保闘争と「虎の鉄幹」のナショナリズム
 1 「虎の鉄幹」のナショナリズムと日本帝国主義――その共犯関係
 2 啄木におけるインターナショナリズム――晶子から「虎の鉄幹」への移動
 3 「国民感情」の醸造と安保闘争への批判的意見

第5章 「科学的社会主義」と少数民族の生存権
 1 「発展」への疑念――「プロクラスティネーション」をめぐって
 2 被圧迫民族への〈償い〉――「素人の読み方」を手がかりに

第6章 「被圧迫民族」としての日本人へ
 1 浅間山荘事件にあらわれた暴力――極左冒険主義/関東大震災時の朝鮮人虐殺
 2 日本における朝鮮問題の総体的考察――「在日朝鮮人と全国水平社の人びと」と「緊急順不同」を中心に

参考文献

初出一覧

あとがき

【お詫びと訂正】
本書に以下の誤りがありました。

[正誤表]
9ページ凡例(3):北朝鮮民主主義人民共和国 → 朝鮮民主主義人民共和国
23ページ12行:安漠のルビ → アンマク
34ページ8-9行:方向転換なのか → 方向転換であったか
36ページ12行:金三奎のルビ → キムサムギュ
37ページ12行:金漢鐘 → 金鐘漢
38行15行:支部 → 支店
39ページ1行:交付 → 公布
48ページ10-11行:韓国語に訳されて単行本として刊行された中野の文学作品は、二〇〇六年にソウル・J&Cが刊行した『雨の降る品川駅』だけである。 → 韓国語に訳されて単行本として刊行された中野の文学作品は一つもない。
50ページ15-16行:普州 → 晋州 (2カ所)
72ページ5行:一九四六年 → 一九四七年
153ページ15行:洪宗郁のルビ → ホンジョンウク
169ページ5行:朝鮮王朝最後の国王 → 朝鮮王朝第26代国王
263ページ1行:金鐘範のルビ → キムジョンボム
274ページ19行:文学部購読 → 文学部講読
275ページ6行:四月 → 七月
285ページ17行:――無署名「非理を通さず」 → ――「非理を通さず」

読者のみなさまにご迷惑をおかけしたことを、心からお詫びします。

廣瀬陽一/青弓社編集部 2022年2月8日(5月11日更新)

版元から一言

戦前にはプロレタリア文学運動に身を投じ、共産党員や政治家としても活躍した作家・中野重治。中野の著作は、天皇制との闘争や転向など、共産主義運動との関連で批評されてきたが、中野が敗戦後から晩年まで取り組んだ朝鮮問題の実態や全体像は語られてこなかった。

中野が書いた戦後のテクストにおける朝鮮や在日朝鮮人の言説を丹念に読み込み、安保闘争や浅間山荘事件、東西冷戦などの社会的な事件・状況を踏まえながら、彼の朝鮮認識の変容と実像を明らかにする。

植民地主義やナショナリズム、転向、親日/反日、民族的連帯など、朝鮮や在日朝鮮人をめぐる諸問題に誠実に向き合い、それまでにない連帯のありようを模索した中野の思想的・政治的な実践が示す可能性を浮かび上がらせる。

著者プロフィール

廣瀬 陽一  (ヒロセ ヨウイチ)  (

1974年、兵庫県生まれ。大阪府立大学大学院博士後期課程修了。博士(人間科学)。日本学術振興会特別研究員。専攻は日本近代文学、在日朝鮮人文学。著書に『金達寿とその時代――文学・古代史・国家』『日本のなかの朝鮮 金達寿伝』(ともにクレイン)、編著書に『金達寿小説集』(講談社)など。
ホームページ:http://srhyyhrs.web.fc2.com/
メールアドレス:srhyyhrs@gmail.com

上記内容は本書刊行時のものです。