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小説の生存戦略 大橋 崇行(編著) - 青弓社
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小説の生存戦略 ライトノベル・メディア・ジェンダー

発行:青弓社
A5判
縦210mm 横148mm 厚さ20mm
重さ 380g
256ページ
並製
定価 2,000円+税
ISBN
978-4-7872-9255-1
Cコード
C0095
一般 単行本 日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2020年4月28日
書店発売日
登録日
2020年3月24日
最終更新日
2020年6月19日
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紹介

アニメ、映画、ウェブサイト――活字で書かれた小説でなくても、現代文化では様々なメディアを通じて物語が発信され、受容されている。小説が現代の多様な文化のなかで受容者を獲得し拡張する可能性、サバイブする戦略を、多角的な視点から解き明かす。

目次

はじめに 大橋崇行

第1部 拡張する現代小説

第1章 現代文芸とキャラクター――「内面」の信仰と呪縛 大橋崇行
 1 マンガを小説で表現する――恩田陸『蜜蜂と遠雷』
 2 直木賞における評価と作中人物の「内面」
 3 現代文芸におけるキャラクターの越境

第2章 キャラクター化される歴史的人物――「キャラ」としての天皇・皇族の分析から 茂木謙之介
 1 歴史と物語、現在における切断
 2 特異「キャラ」としての近代天皇
 3 平成末期、天皇キャラの乱舞

第3章 霊感少女の憂鬱――ライトノベルと怪異 一柳廣孝
 1 ラノベと怪異
 2 ラノベ独自の「怪異」表象とは何か
 3 「霊感」と「霊感少女」の起源
 4 ラノベのなかの「霊感少女」たち

第4章 「太宰治」の再創造と「文学少女」像が提示するもの――『ビブリア古書堂の事件手帖』シリーズ 大島丈志
 1 『ビブリア古書堂』シリーズと太宰治『晩年』
 2 「断崖の錯覚」の再創造
 3 太宰治「断崖の錯覚」から『ビブリア古書堂』シリーズへ
 4 『ビブリア古書堂』シリーズと「文学少女」が提示するもの

コラム ライト文芸 大橋崇行

コラム ウェブ小説からみる出版業界の新しい形 並木勇樹

コラム 中国のネット小説事情――「起点中文網」のファンタジーカテゴリー「玄幻」を中心に 朱沁雪

第2部 創作空間としてのメディア

第5章 遍在するメディアと広がる物語世界――メディア論的視座からのアプローチ 山中智省
 1 「読んでから見るか、見てから読むか」の現在
 2 多様で複雑なライトノベルをめぐるメディアミックス
 3 「アダプテーション」が発生するポイントはどこか

第6章 三つのメディアの跳び越えかた――丸戸史明『冴えない彼女の育てかた』を例に 山田愛美
 1 「会話劇」としての『冴えない彼女の育てかた』
 2 挿絵の活用
 3 アニメとの比較

第7章 学校図書館とライトノベルの交点――ライトノベルは学校図書館にどのような可能性をもたらすのか 江藤広一郎
 1 中学・高校図書館とライトノベル
 2 これまでの教育空間とライトノベル
 3 今後の学校図書館とライトノベル
 4 ICT教育とライトノベル

コラム 学校教育を取り込むライトノベル 佐野一将

コラム ライトノベルで卒業論文を書く人へ――「ぼっち」がメジャーになる瞬間 須藤宏明

コラム ラノベ編集者の仕事 松永寛和

コラム VRがもたらす体験 山口直彦

コラム ライトノベルとメディアミックス――特にアニメ化について 芦辺 拓

第3部 文化変容とジェンダー

第8章 ライトノベルは「性的消費」か――表現規制とライトノベルの言説をめぐって 樋口康一郎
 1 ライトノベルの表紙は「暴力」か
 2 オタク文化と表現規制
 3 表現規制の問題点
 4 表現規制問題を批評するライトノベル
 5 PC/SNS時代の「公共」

第9章 「聖地巡礼」発生の仕組みと行動 金木利憲
 1 聖地巡礼とはどのような現象か
 2 ビジュアル情報と聖地巡礼

第10章 少女小説の困難とBLの底力 久米依子
 1 少女小説の直面する困難
 2 現代日本と少女小説のルール
 3 新たなモード
 4 BLという可能性

第11章 繭墨あざかはなぜゴシックロリータを着るのか――衣装で読み解くライトノベルのジェンダー 橋迫瑞穂
 1 『ブギーポップ』シリーズにおけるマントと帽子
 2 「炎の魔女」とブギーポップ
 3 ゴシックロリータとジェンダー
 4 「子宮」とゴシックロリータ
 5 ジェンダーを攪乱する衣装

コラム 2・5次元舞台 須川亜紀子

コラム 魔法少女アニメとライトノベルの魔法 山内七音

座談会 ライトノベル研究のこれまでとこれから 一柳廣孝/久米依子/大橋崇行/山中智省
 1 ライトノベル研究会はなぜ始まったのか
 2 『ライトノベル研究序説』から『ライトノベル・スタディーズ』へ
 3 二〇一五年以降の動向
 4 研究のこれから

おわりに 山中智省

版元から一言

映画、マンガ、アニメ、ゲーム、テレビドラマ、ウェブサイト――活字で書かれた小説でなくても、現代文化では様々なメディアを通じて物語が発信され、受容されている。多様な表現ジャンルの価値がフラットになるいま、小説にはどのような可能性があるのか。

現代の小説の枠組みを確認するために、マンガやアニメ、ゲームなどのサブカルチャーを雑食的に取り入れて発展・成熟を遂げてきたライトノベルの方法や様式を検証する。そのうえで、ジャンル間を越境してコンテンツを接続するメディアミックスのあり方、図書館や教育での小説の位置、ジェンダーや2・5次元との関係性などを照らし出す。

小説が現代の多様な文化のなかで受容者を獲得し拡張する可能性、サバイブする戦略を、多角的な視点から解き明かす。

著者プロフィール

大橋 崇行  (オオハシ タカユキ)  (編著

作家。東海学園大学人文学部准教授。専攻は日本近代文学。小説に『浅草文豪あやかし草紙』(一迅社)、著書に『言語と思想の言説』(笠間書院)、共編著に『ライトノベル・フロントライン』全3巻(青弓社)など。

山中 智省  (ヤマナカ トモミ)  (編著

目白大学人間学部専任講師。専攻は日本近代文学、サブカルチャー研究。著書に『ライトノベルよ、どこへいく』(青弓社)、『ライトノベル史入門 『ドラゴンマガジン』創刊物語』(勉誠出版)、共編著に『ライトノベル・フロントライン』全3巻(青弓社)など。

上記内容は本書刊行時のものです。