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高所綱渡り師たち 石井 達朗(著) - 青弓社
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高所綱渡り師たち (コウショツナワタリシタチ) 残酷のユートピアを生きる (ザンコクノユートピアヲイキル)

芸術
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発行:青弓社
A5判
縦210mm 横148mm 厚さ19mm
重さ 367g
256ページ
定価 3,400円+税
ISBN
978-4-7872-7473-1   COPY
ISBN 13
9784787274731   COPY
ISBN 10h
4-7872-7473-2   COPY
ISBN 10
4787274732   COPY
出版者記号
7872   COPY
Cコード
C0076  
0:一般 0:単行本 76:諸芸・娯楽
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2025年4月23日
発売予定日
登録日
2025年2月26日
最終更新日
2025年4月18日
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紹介

高層ビル間にピンと張ったロープの上を、長く重いバランス棒だけを抱えて一歩一歩進む綱渡り師たち――。彼ら/彼女らはなぜ挑戦するのか。墜落の恐怖をどのようにして超えているのか。勇者たちの果敢な生きざまを丹念に描き出す渾身のドキュメンタリー。

目次

第1章 ロープの上の途方もない可能性
 1 ロープ上で観客を魅了する幼女
 2 代役がセンセーショナルな人気を博す
 3 婚外子を出産、そしてナポレオンと出会う
 4 土砂降りのなかでロープを……――ロンドンっ子の驚きと称賛が止まらない
 5 「マダム」と「マドモワゼル」、二人のサキが出現
 6 満身創痍で芸を続ける――壮絶なる晩年

第2章 ブロンディン――綱渡りの代名詞になった巨人
 1 天才少年、波瀾万丈の日々
 2 歴史に残る「ブロンディン」はアメリカで誕生した
 3 ついにその日がやってきた――ナイアガラに挑む
 4 ナイアガラでの前代未聞の行為の数々
 5 ダブリンで、作業スタッフの事故死を経験する
 6 母国フランスに錦を飾れないのは「重婚」が原因か
 7 オーストラリアでも衰えを知らない技を見せる
 8 六十代半ばでニューヨーク公演、そしてロンドンのついのすみかへ

第3章 「ブロンディン」を名乗り、ブロンディンに挑む
 1 自他ともに認める「オーストラリアのブロンディン」とは
 2 少年を巻き込む二つの悲劇
 3 「オーストラリアのブロンディン」を名乗る男の無鉄砲なパフォーマンス
 4 ナイアガラで生まれた男のナイアガラ挑戦

第4章 体でジェンダーイメージをくつがえす女たち
 1 サーカスが、女が自由を手にできる数少ない領域だった
 2 セリーナ・ヤング――最初の「女ブロンディン」
 3 セリーナ・パーウェル、またの名をマダム・ジュヌヴィエーヴの痛ましい墜落死
 4 ナイアガラを渡った歴史上ただ一人の女性

第5章 当代最高の綱渡り師だった男の数奇な行路
 1 桁外れの情熱に突き動かされた人生
 2 ブロンディンに真っ向勝負を挑む
 3 「ストロングマン」の桁外れの身体能力
 4 初めて公衆の面前で綱渡りを披露する
 5 バランス棒なし、素手でワイヤーを歩く
 6 ナイアガラ――運命の日がきた
 7 よきパートナーに起こった悲劇
 8 放浪、そしてふたたび挑戦への情熱に駆り立てられる
 9 綱渡り師から本格的な興行師に
 10 業界を震撼させるルルは、少年なのか少女なのか
 11 アフリカの砂漠を縦断する大冒険、そして晩年

第6章 勇気と実力で時代を走り抜けたザゼル
 1 天性の才能と特訓による無二のアンファン・テリーブル
 2 ザゼル誕生前夜
 3 十五歳の少女の常識を超えた芸とは……
 4 天才少女にも事故は起きる
 5 それでも危険な人間大砲を続ける
 6 大いなる転機――イギリスからアメリカへ、そして結婚
 7 度重なる事故を生き延びる
 8 伝説の女性を再起不能にした最後の事故

第7章 栄光と悲惨――綱渡り一族の壮大なる歴史
 1 語り伝えられる墜落事故
 2 伝説の綱渡り師カール・ワレンダの起源
 3 サーカス団が馬車で移動していた時代
 4 女性関係
 5 ヘレン・クライス――願ってもない新星が現れる
 6 先妻マーサと後妻ヘレン
 7 大サーカス団専属の獣医師を務めた男
 8 夫と父の墜落死を乗り越える――頭領の娘ジェニー・ワレンダ
 9 八十代でアクロバットを見せるカーラ・ワレンダの華々しい生涯
 10 最愛の弟の墜落死――どうして安全対策をしないのか
 11 綱渡りのレジェンドの墜落死
 12 落下死の本当の原因はどこにあるのか
 13 ワレンダ一族存亡の危機――ニック・ワレンダはそれを救えるか

第8章 偉業か、狂気か――SNSの時代にあえて仕掛けるワレンダ一族の末裔
 1 サーカスで生活する者たちの窮状
 2 悪夢のような「七人のピラミッド」を復活する
 3 さらなる限界に挑む――八人のピラミッドは可能か
 4 まるで復讐のような挑戦
 5 ナイアガラ滝で、最も難しい挑戦をする
 6 これはもはや「狂気」でしかないか――グランドキャニオンへの挑戦
 7 存在を揺るがす大事故が起きた
 8 奇跡的な復活

第9章 完全なる犯罪――創造する者はアウトローでなければならない
 1 フィリップ・プティという生き方
 2 私的サーカス体験――綱渡り以前
 3 フィリップ・プティを知る
 4 ポール・オースターが、パリでプティを見ていた
 5 世界貿易センターでの「行為」が解き明かされる
 6 ヨーロッパでやっていた数々の冒険
 7 真っ青な空のもと、シドニーのベイ・ブリッジで……
 8 徹夜で人知れずおこなう仕事は過酷である
 9 「共犯者」がいなければ綱渡りはできない
 10 すべてを見ていた謎の訪問者
 11 決行のとき
 12 ポール・オースターとの親交
 13 「地上最大のショー」の巨大サーカス団で一年、仕事をする
 14 その後のプティ――故郷パリに錦を飾る
 15 危険は敵ではない

参考文献一覧

あとがき――いまなぜ綱渡りなのか

版元から一言

高層ビル間にピンと張ったロープの上を、長く重いバランス棒だけを抱えて一歩一歩進む綱渡り師たち――。地上の観客が息を詰めて見上げるなか、空中で歩いたり、座ったり、寝転んだりを繰り返す。悲鳴をあげる観客。彼ら/彼女らはなぜ挑戦するのか。どのようにして墜落の恐怖を超えられるのか。

ナイアガラの滝の上を走る1本のワイヤー。綱を感じる足裏、皮膚が感じる湿気、微風をいち早く察知する。それはまるで身体を世界へと拡張させているかのようだ。SNSの時代には考えられない身体の極北がそこにある。

大の男だけではない。8歳の少年や15歳の少女、サーカス芸人の女性、何世代にもわたり延々と危険な技を続ける綱渡り一族。死をも恐れない老若男女が「より高く」「より長く」「より魅力的に」綱を渡る。「アクロバット」を「アート」に転換する現代の高所綱渡り師たちもいる。

生の実感、死の恐怖、生死の境界の究極のポエジーがそこにある。高所綱渡りに挑む勇者たちの、緊張感みなぎる生きざまを丹念に描く渾身のドキュメンタリー。

著者プロフィール

石井 達朗  (イシイ タツロウ)  (

舞踊評論家、慶應義塾大学名誉教授。関心領域は、舞踊、祭祀、呪術芸能、アクロバット、サーカス、ジェンダー・セクシュアリティからみる身体文化。著書に『マヤ・デレン――眼差しは何を見ていたのか』(水声社)、『ダンスは冒険である――身体の現在形』(論創社)、『身体の臨界点』『アクロバットとダンス』『ポリセクシュアル・ラヴ――ひとつではない愛のかたち』『アジア、旅と身体のコスモス』『男装論』(いずれも青弓社)、『異装のセクシュアリティ 新版』『サーカスのフィルモロジー――落下と飛翔の100年』(ともに新宿書房)、『サーカスを一本指で支えた男』(文遊社)、『アウラを放つ闇――身体行為のスピリット・ジャーニー』(PARCO出版)、共著に『天人戯楽――大野一雄の世界』(青弓社)、『見世物小屋の文化誌』(新宿書房)など。

上記内容は本書刊行時のものです。