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世界を環流する〈インド〉 松川 恭子(編著) - 青弓社
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世界を環流する〈インド〉 グローバリゼーションのなかで変容する南アジア芸能の人類学的研究

芸術
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発行:青弓社
A5判
縦210mm 横148mm 厚さ23mm
重さ 444g
368ページ
並製
定価 4,400円+税
ISBN
978-4-7872-7437-3   COPY
ISBN 13
9784787274373   COPY
ISBN 10h
4-7872-7437-6   COPY
ISBN 10
4787274376   COPY
出版者記号
7872   COPY
 
Cコード
C1070
教養 単行本 芸術総記
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2021年1月22日
書店発売日
登録日
2020年11月5日
最終更新日
2021年4月2日
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紹介

インドと南アジア芸能の現状を政治・経済・社会的な変化の文脈に位置づけ、人類学の観点から考察する。グローバル化のなかでの芸能のフローと変容を4つの類型に分けて、複数の地点間を多方向的・可逆的に巡回する文化的フローと環流のダイナミズムを捉える。

目次

序 章 グローバリゼーションと〈インド〉文化の環流を芸能からみる 松川恭子
 1 南アジア系移民の世界中への広がり
 2 南アジアでの一九九〇年代以降の新しいメディア状況
 3 環流する〈インド〉文化
 4 本書の構成

第1部 ワールドミュージックの拡張と展開

第1章 越境し環流する音楽文化――フランスでのインド伝統音楽の再帰的グローカル化 田森雅一
 1 インド音楽の国際化とフランスでの受容
 2 フランスの文化政策とインド音楽振興の背景
 3 現在のフランスでのインド音楽とワールドミュージック
 4 ムスリム世襲音楽家の活動とフランスとのコネクション
 5 ジプシー音楽との出合いとムサーフィルの結成

第2章 「愛」を歌うスーフィー歌謡――カウワーリーの現在を中心に 村山和之
 1 南アジアのスーフィー歌謡のかたち、カウワーリーと非カウワーリー
 2 カウワーリー――南アジア世界でスーフィズムと結び付く芸能の代表
 3 スーフィー詩の世界からみるカウワーリー
 4 変容するスーフィー歌謡の世界

第3章 インドの宗教歌謡キールタンの越境――宗教実践とポピュラー音楽の間 小尾 淳
 1 キールタンの越境――「西洋」とキールタンの出合い
 2 キールタンの拡大――音楽、ヨーガ、スピリチュアリティ
 3 キールタンイベントの実際

第2部 局地的フローにみるローカルとグローバルの交渉

第4章 民謡の共和国――ネパールでのロクギートの流動と歴史的展開 橘 健一
 1 ロクギート研究の動向と周縁性、グローバル化
 2 ロクギートの広がりと「チェパン語の歌」の停滞
 3 「マイナー言語ロクギート」への分岐――観光、博覧会、民族ナショナリズムとの接続
 4 ロクギートのグローバルな環流と日本
 5 ロクギートによる「誘惑」と「融和」
 6 ロクギートのさらなる分岐と「よどみ」

第5章 インド北東部ナガランド州にみるローカリティの再創造――ポピュラー音楽振興政策とフェスを通して「つながる」ナガの若者たち 岡田恵美
 1 多層化するナガの帰属意識と若者問題
 2 ナガの音楽性とインド本土文化との差異化
 3 ナガランド州政府によるポピュラー音楽振興政策
 4 ローカリティの再創造

第6章 ふさわしいリズムを求めて――チベタン・ポップ歌手のレコーディング過程からみるグローバル化の様相 山本達也
 1 本章の議論の位置づけ
 2 チベット難民、チベット文化、チベタン・ポップ
 3 チベタン・ポップのCDの制作過程
 4 通過儀礼としてのレコーディング過程
 5 グローバルなデジタル的感性を作り上げるもの
 6 痕跡としてのメロディー、歌唱法への再帰性

第3部 リージョナリティを媒介するフローの環流

第7章 パチもんの逆襲――インド映画の二十一世紀 杉本良男
 1 ボリウッド化
 2 南からの旋風
 3 地方の逆襲
 4 環流するボージプリー映画

第8章 「傍流」としての地域芸能が生み出す故郷とのつながり――湾岸アラブ諸国クウェートでのゴア・クリスチャンのティアトル劇実践 松川恭子
 1 ゴアからクウェートへ、クウェートからゴアへ
 2 クウェートでのティアトル劇実践――移民社会とゴアをつなぐ活動
 3 ティアトル劇の往還とクウェート―ゴア間での意味づけのずれ

第4部 南アジア系舞踊のグローバルなネットワークと環流

第9章 インド舞踊のグローバル化の萌芽――ある舞踊家のライフヒストリーをもとに 竹村嘉晃
 1 舞踊家になることを夢見る
 2 舞踊家としての人生の始まりと移動
 3 仕方なしの一時滞在から定住へ――インド舞踊の伝播とグローバルな萌芽

第10章 見え隠れする芸能の宗教性――マレーシアでのインド舞踊の存在 古賀万由里
 1 ヒンドゥー教の舞踊としての復興とグローバル化現象
 2 マレーシアへのインド舞踊の流入
 3 多文化主義のなかでのインド舞踊の展開
 4 アート産業としてのインド舞踊
 5 多元的観衆を魅了する

第11章 南インド古典音楽・舞踊の環流 寺田𠮷孝
 1 小景
 2 アメリカ合衆国の南インド人コミュニティ
 3 イギリスとカナダのスリランカ系タミル人コミュニティ
 4 音楽・舞踊を学ぶ場
 5 お披露目公演(アランゲートラム)
 6 スリランカ系タミル人の影響
 7 インターネット教授法
 8 加速する人の往来
 9 在外アーティストのインド進出

あとがき 松川恭子

事項索引

人名索引

【訂正】
山本達也「第6章 ふさわしいリズムを求めて――チベタン・ポップ歌手のレコーディング過程からみるグローバル化の様相」の下記のカタカナ表記は制作過程で削除するべきものでしたが、当社の手違いで残っています。読者と著者にお詫びし、訂正します。(青弓社編集部)
198ページ、後ろから3行;ア・ク・パド・マ
199ページ、12行;ラチャ・バイー・ブラ・マ
201ページ、10行;グジャス・ラ・クラ・モ

版元から一言

グローバリゼーションのなかで変容するインドと南アジア芸能の現状を、政治・経済・社会的変化という文脈に位置づけて、人類学的な観点から明らかにする。

インドの経済自由化と南アジアの社会変化のなか、音楽、舞踊、演劇などの南アジア芸能が、多様化する情報メディアの拡大と人の移動を通じて幅広く受容・消費される状況が注目を集めている。
特に、芸能の実践者たちが従来の社会関係を超えてトランスナショナルなネットワークに参入することで生じる南アジア芸能の再定義と拡張を捉える。現代の芸能実践者たちは、様々な観客・消費者の嗜好に応えるために従来とは異なる美意識とパフォーマンスを身につけ、市場経済原理に合わせたマネジメントとマーケティングをおこなっている。

各章で、彼らが新たな需要に応える一方で、既存の芸能形態や社会形態を維持しながら南アジア芸能を創発・変容させていく過程を具体的な事例に基づいて描き出す。実践者の移動と芸能に着目して、インド文化を中心にした南アジア文化をめぐる表象とポリティクスの問題を浮き上がらせる。

グローバリゼーションのなかでの南アジア芸能のフローと変容を4つの類型に分けて、複数の地点の間を多方向的・可逆的に流れる文化的フロー、環流のダイナミクスを捉える。

著者プロフィール

松川 恭子  (マツカワ キョウコ)  (編著

1972年、大阪府生まれ。甲南大学文学部教授。専攻は文化人類学、南アジア地域研究。著書に『「私たちのことば」の行方』(風響社)、共著に『湾岸アラブ諸国の移民労働者』(明石書店)、International Labour Migration in the Middle East and Asia(Springer)など。

寺田 𠮷孝  (テラダ ヨシタカ)  (編著

1954年、三重県生まれ。国立民族学博物館名誉教授。専攻は民族音楽学。著書に『音楽からインド社会を知る』(臨川書店)、編著にMusic and Society in South Asia(国立民族学博物館)、論文に“T. N. Rajarattinam Pillai and Caste Rivalry in South Indian Classical Music”(Ethnomusicology, 44(3))など。

上記内容は本書刊行時のものです。