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宮城聰の演劇世界 塚本 知佳(著) - 青弓社
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宮城聰の演劇世界 (ミヤギサトシノエンゲキセカイ) 孤独と向き合う力 (コドクトムキアウチカラ)

芸術
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発行:青弓社
A5判
縦210mm 横148mm 厚さ19mm
重さ 457g
280ページ
並製
定価 2,000円+税
ISBN
978-4-7872-7388-8   COPY
ISBN 13
9784787273888   COPY
ISBN 10h
4-7872-7388-4   COPY
ISBN 10
4787273884   COPY
出版者記号
7872   COPY
Cコード
C0074  
0:一般 0:単行本 74:演劇・映画
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2016年5月
書店発売日
登録日
2016年3月24日
最終更新日
2020年6月15日
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書評掲載情報

2016-08-19 週刊読書人
評者: 南隆太=東京経済大学教授・イギリス演劇専攻
2016-05-29 読売新聞  朝刊
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重版情報

2刷 出来予定日: 2019-10-04
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ゆっくりと売れ続けて、2刷ができあがりました。宮城聰さんの精力的な創作活動の魅力、舞台作品の見どころを丁寧に紐解いています。舞台写真多数です。

紹介

SPACの芸術総監督を務め、世界的な評価も高い演出家・宮城聰。身体と言葉と音楽が一体となった独自の演出手法で祝祭的な舞台空間をつくりあげている。インタビューと14作品の美的・政治的な読解から、宮城演劇の魅力と演劇のポテンシャルに迫る批評の試み。

目次

はじめに

第Ⅰ部 インタビュー篇

A 宮城聰インタビュー――孤独と向き合う力

B 俳優インタビュー
 阿部一徳
 美加理
 吉植荘一郎
 大高浩一
 武石守正

C スタッフインタビュー
 中野真希
 棚川寛子
 深沢 襟
 村松厚志
 成島洋子

第Ⅱ部 作品篇

A 旅:行き着く先はどこ?
 第1章 『マハーバーラタ~ナラ王の冒険~』――神話と袖
  1 神話と伝統
  2 「誰でも神の世界が現れたように思いました」――リングと高層ビル
  3 「王には料理の腕前を授けようぞ」――十二単と腹掛け
  4 「私は泣きながら蛇に飲まれます」――蛇と象
  5 「ダマヤンティ姫は、再び婿選び式を開催いたします」――箒とホクロ
  6 「あまねく平和の訪れに 心に悦びあらしめよ」――馬車と肉
  7 神話ふたたび

 コラム1 海外公演

 第2章 『黄金の馬車』――メタシアターと山車
  1 劇中劇と歴史意識
  2 「芝居はうけたのよ!」――船と幟
  3 「舞台ではいざなみの命、浮世ではカミーラと申します」――櫛と烏帽子
  4 「あたしがあたしの居場所で何をしようが勝手でしょう」――勾玉と桶
  5 「黄金の馬車はわたしたちのものよ!」――剣と小旗
  6 「いいえ、私には芝居が現実。ここに残るわ」――鏡と御簾
  7 役者と孤独

 コラム2 舞台芸術公園

 第3章 『グスコーブドリの伝記』――科学とお茶
  1 「あらゆる透明な幽霊の複合体」
  2 「蘭の花を煮よう」――絵本と白衣
  3 「ここはサイエンスフィクションの世界ですからね」――上着と煙
  4 「農民になりたい」――手帳と肥料
  5 「未来は明るいです」――木枠とテープ
  6 「お茶を淹れましょう」――模型とページ
  7 幸福と科学

 コラム3 人形劇

B ジェンダー:人はなぜ変わる?
 第4章 『王女メデイア』――鎮魂と書物
  1 植民地と女性
  2 「いちばん惨めなのが、わたしたち人間の女」――紙袋とサーベル
  3 「アジアから来た女というだけで」――ラジオと盆
  4 「これはメデイアじゃないわ」――ゴム手袋と扇子
  5 「我が子を手にかける、だから何だというの」――ネクタイと包丁
  6 「わたしたちはここ。どうぞご覧あれ」――法律書と鈴
  7 歴史の天使たち

 コラム4 ムーバー/スピーカー

 第5章 『ク・ナウカで夢幻能な「オセロー」』――漂着とハンカチーフ
  1 デズデモーナ・ゲーム
  2 「サイプラスの港につきて候ふ」――頭巾と壺
  3 「跡弔ひて賜び給へ」――ヴェールとベルト
  4 「本人の口からお聞きください」――仮面と板
  5 「われ知らぬ間に」――ドレスと橋掛かり
  6 「しばし我が身はためらひて」――籠手と鋏
  7 弔いと魔女

 コラム5 シェイクスピア

 第6章 『夜叉ヶ池』――約束と鐘
  1 民話と現代
  2 「水は、美しい」――紗幕と字幕
  3 「お談話を一つ、お聞かせなすって下さいましな」――白髪と竜神
  4 「生命のために恋は棄てない」――文箱と子守唄
  5 「人は、心のままに活きねばならない」――太郎と太鼓
  6 「一所に唄をうたいましょうね」――鎌と撞木
  7 犠牲と自由

 コラム6 演劇鑑賞教室

 第7章 『ペール・ギュント』――帝国と双六
  1 戦争と近代国民国家
  2 「おれは王様になる、皇帝になる」――紙カブトとぼろ服
  3 「おのれ自身に満足せよ」――尻尾と左目
  4 「わたしがきた道には、戻り道はないの」――ボタンと斧
  5 「ギュント的おのれ自身」――羽織袴と竹馬
  6 「あなたの罪じゃない」――タマネギと柄杓
  7 父親と銀貨

 コラム7 オペラ

C 言語:わたしって誰?
 第8章 『ハムレット』――記憶とチョコレート
  1 記憶の反共同体
  2 「この身を忘れるな」――ビー玉と剣玉
  3 「ことば、ことば、ことば」――本と雲
  4 「尼寺へ行くがいい」――紙と円筒
  5 「お願い、私を忘れないで」――桴と髑髏
  6 「あとは、沈黙」――杯とダンボール箱
  7 喪としての演劇

 コラム8 宮城聰名言集――演劇篇

 第9章 『忠臣蔵』――武士道とソロバン
  1 現代口語演劇と身体性
  2 「道場じゃなくて、算術習わせろって言うんだよ」――帳面と決済箱
  3 「決めた、身の振り方?」――文机と袴
  4 「汚名を晴らすじゃなくて、汚名をすすぐでしょ」――硯と湯呑み
  5 「切腹は見たことあるもん」――襷と打ち掛け
  6 「あの、算術に、確率って言うのがあるんですけど」――竿と筆
  7 民主主義と独裁政治

 コラム9 利賀と静岡

 第10章 『真夏の夜の夢』――コトバと新聞紙
  1 シェイクスピアと野田秀樹
  2 「気のせいではないの」――メガネとパーカッション
  3 「聞いてくれないか」――暖簾とバク
  4 「こいつに一筆」――契約書と籠
  5 「森が消えていました」――灰と逆隠れみの
  6 「今、呑みこんでしまったコトバでお話し」――涙とノート
  7 言霊と夢

 コラム10 音楽

 第11章 『メフィストと呼ばれた男』――リハーサルと椅子
  1 「もうとうに、わたしたちの家じゃないのよ」――演劇と亡命
  2 「私のすべきことは分かってる」――テーブルと柱
  3 「ただの俳優にすぎないのよ」――カップと制服
  4 「私は今メフィストを演じるべきかい?」――王冠と化粧台
  5 「なにかが腐っているのだ」――銃と死体
  6 「私は…私は…」――客席と幕
  7 「芸術なんかじゃ太刀打ちできないような悲劇が、この世には存在するのよ」――詩学と政治学

 コラム11 宮城聰名言集――劇場篇

D 身体:向こうには何が?
 第12章 『グリム童話~少女と悪魔と風車小屋~』――奇跡と手
  1 童話と暴力
  2 「すべてのものが、あるべき場所に」――折り紙とまばたき
  3 「両手をきりおとせ」――影絵とアコーディオン
  4 「あなたが二度妃にして下さった」――梨と鳥
  5 「花々の名前をお教えしたのは無駄だったのか?」――骸骨と十字架
  6 「これからは、すべての奇跡に驚き続けよう」――バケツとシーツ
  7 詩の復権と弱い演劇

 コラム12 悪魔

 第13章 『ふたりの女 平成版 ふたりの面妖があなたに絡む』――分身と砂
  1 アングラと革命
  2 「僕を『あなた』と呼ぶ見知らぬ妻に会いました」――サウンド・バギーと鍵
  3 「こんなところに止めちゃ困る」――サーキットと駐車場
  4 「その六条という女。永遠に消してみせるわ」――髪油とケーキ
  5 「それはあなたが、僕の影法師を見ているからです」――フェリーと風呂敷
  6 「パット・ブーンの『砂に書いたラブレター』をかけて」――手紙とアリ
  7 器官と身体

 コラム13 俳優宮城聰

 第14章 『黒蜥蜴』――変装と宝石
  1 戦後と高度成長
  2 「物と物とがすなおにキスするような世界に生きていたいの」――電気飴と産毛
  3 「指紋よりたしかなもの」――トランプと紋章
  4 「そして最後に勝つのはこっちさ」――長椅子と書類
  5 「この世界には二度と奇蹟が起らないようになったんだよ」――ライターと夜光虫
  6 「うれしいわ、あなたが生きていて」――ダイヤと石ころ
  7 美意識と自死

 コラム14 演劇の教科書?

宮城聰主要演出作品リスト

おわりに

版元から一言

宮城聰は、1990年にク・ナウカ・シアターカンパニーを旗揚げし、2007年からは静岡県舞台芸術センター(SPAC)の芸術総監督を務める舞台演出家。その身体と言葉と音楽が一体となった独自の演出手法で原作の魅力を最大限に引き出し、祝祭的な舞台空間をつくりあげる。日本人演出家による演劇作品としては、20年ぶりにフランスのアヴィニョン演劇祭のプログラムに公式招聘されるなど、国際的な評価も高い。

古代インドの叙事詩『マハーバーラタ』、エウリピデスの『メデイア』、山崎ナオコーラが脚本を担当した『グスコーブドリの伝記』、シェイクスピアの『オセロー』『ハムレット』、平田オリザの『忠臣蔵』、野田秀樹が潤色した『真夏の夜の夢』、唐十郎の『ふたりの女』など――多様な作品と精力的に向き合い、演劇でしかなしえない時空間を創造し続ける宮城演劇の可能性を、詳細な舞台表象分析と熱がこもった筆致で明らかにする。

宮城氏や俳優およびスタッフのインタビューで構成する第1部、宮城演出による14の代表的な舞台作品の粗筋を紹介したうえで、美学的側面だけではなく社会的・政治的な視点からも解読した第2部、さらにカラーを含む多くの舞台写真もあわせて所収する。現代の舞台演出の最前線に迫る、演劇批評の臨界点。

著者プロフィール

塚本 知佳  (ツカモト トモカ)  (

1972年、千葉県生まれ。演劇批評。論文に「死を想うこと」(「シアターアーツ」第56号)、「「処女」の喪失と維持」(「シアターアーツ」第22号、第9回シアターアーツ賞受賞)、「神なき時代の祭儀」(日本大学大学院芸術学研究科文芸学専攻修士論文)、「地下演劇における祭儀性について」(「藝文攷」第2号)など。

本橋 哲也  (モトハシ テツヤ)  (

1955年、東京都生まれ。東京経済大学教員。専攻はカルチュラル・スタディーズ。著書に『ディズニー・プリンセスのゆくえ』(ナカニシヤ出版)、『深読みミュージカル』(青土社)、『侵犯するシェイクスピア』(青弓社)、『ポストコロニアリズム』(岩波書店)、『カルチュラル・スタディーズへの招待』(大修館書店)など。

上記内容は本書刊行時のものです。