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社会的孤立の支援と制度 川北 稔(著) - 青弓社
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社会的孤立の支援と制度 (シャカイテキコリツノシエントセイド) ひきこもりの20年から多元的包摂へ (ヒキコモリノニジュウネンカラタゲンテキホウセツヘ)

社会一般
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発行:青弓社
A5判
縦210mm 横148mm 厚さ25mm
重さ 472g
356ページ
並製
定価 4,000 円+税   4,400 円(税込)
ISBN
978-4-7872-3555-8   COPY
ISBN 13
9784787235558   COPY
ISBN 10h
4-7872-3555-9   COPY
ISBN 10
4787235559   COPY
出版者記号
7872   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2025年5月13日
書店発売日
登録日
2025年2月26日
最終更新日
2025年12月2日
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紹介

「ひきこもり」という枠を超える社会的孤立への支援とそのための制度とは何か。20年以上にわたる国や行政による支援の変遷、相談窓口や民生委員が直面する実態、海外の研究動向を精緻に分析し、ひきこもりなどの社会問題群を社会的孤立へと再定位する。

目次

はじめに

序 章 生涯にわたる孤立の状況と「ひきこもり」概念の限界
 1 8050問題の登場
 2 社会的孤立と8050問題
 3 8050問題につながるのは「ひきこもり」だけなのか
 4 ライフコースを通じた社会的孤立の視点
 5 ひきこもり概念に潜在する課題
 6 再び8050問題について――求められる新しい支援の形
 7 本書の議論の見取り図
 8 本書の構成

第1部 社会的孤立とひきこもりの概念

第1章 社会的孤立の概念――生涯にわたる孤立はどのように捉えられるか
 1 社会的孤立への注目
 2 孤立と孤独の概念
 3 孤独・孤立の弊害と支援の困難
 4 ライフコースと孤立
 5 「参加」の欠如と「交流」の欠如
 6 日本の孤立問題

第2章 ひきこもり概念の意義と限界
 1 「ひきこもり」概念のどこに問題があるのか
 2 ひきこもりの「過剰拡張」と「見過ごし」
 3 ライフコースの視点からみたひきこもり
 4 狭義ひきこもり層内部の「見過ごし」
 5 広義ひきこもりへの「過剰拡張」――無業者の辺縁化
 6 自立をめぐる親子間の葛藤
 7 「ひきこもり」の限定的な用法

補論1 社会的に孤立する人の支援エピソードの検討

補論2 既存の「ひきこもり」研究の限界――社会学的研究の自己反省の試み

第3章 海外の孤立研究は何を明らかにしてきたのか――子ども・若者の対人不安と成人期への移行を中心に
 1 ライフステージごとの孤独・孤立
 2 子ども・若者の対人不安
 3 若者の移行の危機
 4 海外での子ども・若者の自立研究のまとめ

補論3 参加の欠如が対人交流に及ぼす影響について

第2部 統計調査にみる孤立とひきこもり

第4章 内閣府ひきこもり調査の検討
 1 ひきこもり調査に含まれる課題
 2 「女性のひきこもり」に関する議論の問題――2023年発表の調査を例に
 3 外出という視点からみた孤立とその背景

第5章 社会的孤立に関する調査による外出限定層の検討
 1 データと方法
 2 結果
 3 考察
 4 結論

第6章 民生委員を対象とするひきこもり・社会的孤立調査
 1 40歳以上のひきこもり事例への注目
 2 都道府県による調査の概要
 3 民生委員を対象とする「ひきこもり」調査
 4 民生委員を対象とする社会的孤立支援事例の調査
 5 まとめ――民生委員を対象とした社会的孤立調査について

第7章 生活困窮者窓口のひきこもり支援と「命の危険」
 1 生活困窮者相談窓口のひきこもり対応
 2 命の危険調査
 3 死亡事例に関する実態
 4 考察と課題

第8章 地域包括支援センターでの8050事例への対応
 1 地域包括支援センターのひきこもり事例への対応
 2 地域包括支援センターの支援事例調査――自己放任(セルフ・ネグレクト)と依存
 3 連携の課題
 4 まとめ

第3部 多元的包摂への展望

第9章 支援における分断と全方位型のアセスメントの展開
 1 生物・心理・社会アプローチ
 2 全方位型アセスメント
 3 まとめ

第10章 ひきこもりと孤立に関する支援論の変遷
 1 ひきこもりに特化した支援論
 2 生活困窮者自立支援や地域共生社会の観点からの支援論

第11章 生きづらさを抱える人の支援活動における「当事者」像の課題
 1 集合的アイデンティティとアイデンティティ・ポリティクスの課題
 2 『つながりの作法』の検討
 3 「当事者研究」の限界
 4 伴走型支援での多角的なつながりの構想

終 章 孤立の多元的な理解と支援
 1 第1部のまとめ
 2 第2部のまとめ
 3 第3部のまとめ

初出一覧

おわりに

版元から一言

不登校、若年無業者、ひきこもり、セルフ・ネグレクト、孤立死に至るまで、この20年間に顕在化した一連の社会問題には、「社会的孤立」という共通の課題が通底している。本書は、この社会的孤立を「社会的参加」と「対人的交流」という2つの軸から捉え、生涯を貫く視点から位置づけを試みる。

孤立問題の代表例として注目されてきた「ひきこもり」をめぐっては、異質な事象をも取り込む概念の過剰拡張や、恣意的な典型像にもとづく実態の単純化の結果、共通理解の形成が妨げられている。本書では、ひきこもりを含む諸課題を「社会的孤立」として再定位し、その背景にある生物学的・心理的・社会的側面を多角的に探る。

全国規模の調査データの分析、国の支援政策の再検証、支援現場の事例検討を通じて、社会的孤立に対する多元的理解と支援の方向性を描き出す本書は、研究・支援現場・政策を架橋し、孤立した人の包摂に求められる手がかりを提示する。

著者プロフィール

川北 稔  (カワキタ ミノル)  (

1974年、神奈川県生まれ。愛知教育大学教育学部准教授。著書に『8050問題の深層――「限界家族」をどう救うか』(NHK出版)、共編著に『「ひきこもり」への社会学的アプローチ――メディア・当事者・支援活動』(ミネルヴァ書房)、共著に『セルフ・ネグレクトのアセスメントとケア――ツールを活用したゴミ屋敷・支援拒否・8050問題への対応』(中央法規出版)、『大人になる・社会をつくる――若者の貧困と学校・労働・家族』(明石書店)、論文に「長期化するひきこもり事例の親のメンタルヘルスと支援」(「精神科治療学」第35巻第4号)、「ひきこもり経験者による空間の獲得――支援活動における空間の複数性・対比性の活用」(「社会学評論」第65巻第3号)、「ストーリーとしての引きこもり経験」(「愛知教育大学教育実践総合センター紀要」第8号)など。

上記内容は本書刊行時のものです。