版元ドットコム

探せる、使える、本の情報

文芸 新書 社会一般 資格・試験 ビジネス スポーツ・健康 趣味・実用 ゲーム 芸能・タレント テレビ・映画化 芸術 哲学・宗教 歴史・地理 社会科学 教育 自然科学 医学 工業・工学 コンピュータ 語学・辞事典 学参 児童図書 ヤングアダルト 全集 文庫 コミック文庫 コミックス(欠番扱) コミックス(雑誌扱) コミックス(書籍) コミックス(廉価版) ムック 雑誌 増刊 別冊
産業遺産の社会史 矢後 和彦(編著) - 青弓社
.
【利用可】

書店員向け情報 HELP

書店注文情報

注文電話番号:
注文FAX番号:
注文メール:

在庫ステータス

在庫あり

取引情報

取引取次:
ト・日     書店
子どもの文化     書店(直)
直接取引:あり
返品の考え方: 返品は常時フリーです。了解者名が必要な場合は「矢野」と記入してください

出版社への相談

店頭での販促・拡材・イベントのご相談がありましたらお気軽にご連絡ください。

産業遺産の社会史 (サンギョウイサンノシャカイシ) 日本とフランスの歴史・文化・課題 (ニホントフランスノレキシ ブンカ カダイ)

社会一般
このエントリーをはてなブックマークに追加
発行:青弓社
A5判
縦210mm 横148mm 厚さ15mm
重さ 311g
192ページ
並製
定価 3,000円+税
ISBN
978-4-7872-3551-0   COPY
ISBN 13
9784787235510   COPY
ISBN 10h
4-7872-3551-6   COPY
ISBN 10
4787235516   COPY
出版者記号
7872   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2025年2月27日
書店発売日
登録日
2024年12月11日
最終更新日
2025年3月27日
このエントリーをはてなブックマークに追加

紹介

時代の激流にもまれながら地域に根づいた産業の遺物である産業遺産。日本とフランスの事例を通じて、遺産に選定されるプロセス、文化的な意義、観光開発との関係性などを多角的に検証し、地方自治体や地域住民が産業遺産について考える視点を提示する。

目次

序 章 産業遺産と向き合うために ベルナール・トマン

第1部 産業遺産とは何か

第1章 産業遺産の文化的・観光的プロモーション――ルワルド鉱山歴史センター カリーヌ・スプリモン[矢後和彦訳]
 1 デロワ坑からルワルド鉱山歴史センターへ
 2 ルワルド鉱山歴史センターの成功の理由
 3 ネットワークの中心にあるルワルド鉱山歴史センター――常に進化しつづける産業遺跡

第2章 産業遺産概念の展開と建造物の用・強・美 伊東 孝
 1 産業遺産概念――誕生と展開
 2 建造物の用・強・美

第3章 産業景観――見捨てられた遺産から地域再開発のベクトルとしての遺産へ:ロレーヌの事例 シモン・エーデルブルッテ[矢後和彦訳]
 1 産業景観とは何か
 2 魅惑、拒絶、再発見
 3 伝統、遺産、地域再開発――景観の重要な役割

第2部 地域の経済・社会活性化と産業遺産

第4章 産業遺産とエコロジー的な移行プロセス ジャン゠フランソワ・カロン[矢後和彦訳]
 1 搾取された土地から世界遺産へ
 2 移行のプロセス――文化的アプローチ

第5章 なぜ保存するのか――観光のパラドクスと保存の論理 堀川三郎
 1 小樽運河保存問題とは何か
 2 保存とは変化すること――保存運動の到達点
 3 観光開発のパラドクス

第6章 世界遺産「富岡製糸場と絹産業遺産群」――SOYEUX DESTINS 絹が結ぶ縁 稲塚広美
 1 世界遺産について
 2 現在の富岡製糸場
 3 フランスからの技術移転
 4 富岡市の日仏交流

第3部 人類学・社会学・歴史学と産業遺産

第7章 石炭産業の最終局面での労働者・家族・地域――社会学研究の源泉としての産業遺産 嶋﨑尚子
 1 石炭産業への関心と多様な産業遺産
 2 産業の衰退期・最終局面への接近:1――炭鉱離職者の行方
 3 産業の衰退期・最終局面への接近:2――最終局面での炭鉱労働とコミュニティー
 4 旧産炭地の産業遺産の活用――多種多様な遺産の活用と構築

第8章 鉄道記念物と産業遺産――文化財保護をめぐる企業の社会的責任を中心に 中村尚史
 1 鉄道記念物制度の制定と運用
 2 文化財としての鉄道遺産
 3 鉄道遺産をめぐる鉄道事業者=企業の対応

第9章 産業遺産と遺産化プロセスへの歴史的接近――フランスの鉱山の事例 マリオン・フォンテーヌ[矢後和彦訳]
 1 再工業化の課題に立ち向かう産業遺産
 2 「価値付与」と「リフレーミング」の狭間での産業遺産の「ポスト産業化」的転回
 3 結論

終 章 アーカイブの窓から考える産業遺産 武田晴人
 1 リアルな歴史像を伝える遺産群
 2 産業遺産との向き合い方
 3 産業遺産と地域活性化の課題
 4 地域住民の視点
 5 産業遺産継承の努力
 6 産業遺産化を阻むもの
 7 直面する危機を乗り越える「物語」の創造

あとがき 矢後和彦

版元から一言

時代の激流にもまれながらも地域に根づいた産業の遺物である産業遺産。日本では、世界遺産に認定された長崎県の軍艦島(端島)や島根県の石見銀山、群馬県の富岡製糸場が知られ、観光地としてにぎわいをみせ、ドラマ作品の舞台としても取り上げられている。

神社仏閣や教会建築などの文化遺産とは異なる性格をもつ産業遺産は、何を基準に保存に値するものと判断され、地域でどう位置づき活用されるのか。そこでどのような問題が発生するのか。

本書では、自国の産業の保存に30年以上前から着目している日本とフランスの産業遺産――絹織物産業、炭鉱、鉄道、地域の景観などの具体例を紹介して、遺産に選定されるプロセス、歴史的な背景、文化的な意義、観光開発との関係性などを多角的に検証する。

日本とフランスの比較から、保存のあり方や活用のポイント、産業遺産を維持する費用や企業の責任をめぐる問題点を抽出して、地方自治体や地域住民が産業遺産について考える視点を提示する。

著者プロフィール

矢後 和彦  (ヤゴ カズヒコ)  (編著

早稲田大学商学学術院教授。専攻はフランス経済史、国際金融史。著書に『フランスにおける公的金融と大衆貯蓄』(東京大学出版会)、『国際決済銀行の20世紀』(蒼天社出版)、共編著にHandbook of the History of Money and Currency(Springer)、『渋沢栄一とフランス』(水声社)など。

ベルナール・トマン  (ベルナール トマン)  (編著

フランス国立東洋言語文化大学日本史教授。2019年から23年まで日仏会館・フランス国立日本研究所所長。日本の炭鉱労働者の歴史と職業病を中心に研究している。現代日本の社会史・労働史に関する著書多数。

上記内容は本書刊行時のものです。