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女性とマンガ 大城 房美(編著) - 青弓社
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女性とマンガ (ジョセイトマンガ) 日本・アジア・欧米の自由と規制を切り開く (ニホンアジアオウベイノジユウトキセイヲキリヒラク)

社会一般
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発行:青弓社
A5判
縦210mm 横148mm 厚さ19mm
重さ 390g
288ページ
並製
定価 2,600円+税
ISBN
978-4-7872-3550-3   COPY
ISBN 13
9784787235503   COPY
ISBN 10h
4-7872-3550-8   COPY
ISBN 10
4787235508   COPY
出版者記号
7872   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2025年1月29日
書店発売日
登録日
2024年11月25日
最終更新日
2025年3月4日
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紹介

2000年代以降、アジアや欧米で広く受容されるマンガの実情を、自由と規制という視点を軸にして多面的に考察する。女性とマンガをめぐる主体的な表現の可能性や葛藤を、萩尾望都をはじめとした表現者へのインタビューと研究者の論考から立体的に描き出す。

目次

はじめに――なぜ女性か、そしてマンガなのか 大城房美

第1部 女性とマンガ

第1章 インタビュー:少女マンガと自由――破壊と挑戦の半世紀 萩尾望都 聞き手:大城房美/米村典子

第2章 少女マンガの不自由への挑戦――参加者は誰だったのか、そして誰なのか 大城房美
 1 1970年代前後の少女マンガ
 2 「少女」という縛り――萩尾望都の場合
 3 近代社会での女性の制限と自由を育んだ装置としての「少女」
 4 少女マンガの不自由への挑戦――少女マンガを超える
 5 マンガを描くのが楽になったと感じられる時代、1990年代
 6 描きたいものを描く――男女で分ける必要がない時代へ
 7 少女マンガの挑戦――なぜ少年か
 8 グローバル化と少女マンガ的なもの(Shoujomanga-Esque)

第3章 SNSにおけるエッセイマンガ――女性の主体性表現の場とメディア的条件 竹内美帆
 1 SNSのエッセイマンガ
 2 「カジュアルな描き手」によるエッセイマンガの特徴
 3 個人が「マンガ」を制作すること――2010年代以降のメディア状況
 4 女性の多様な活動の場としてのSNSの可能性

コラム 少女はどんな服を着るか 米村典子

第2部 異文化をつなぐマンガ

第4章 Kaoruへのインタビュー Kaoru(マレーシア:コミックスアーティスト) 聞き手:大城房美/チェン・ジュウ/長池一美/杉本バウエンス・ジェシカ[中川裕二訳]

第5章 テレサ・ワイチュン・リーとの対話――Miss 13 Dots (『13点』)の創造者 テレサ・ワイチュン・リー(香港:コミックスアーティスト) 聞き手:コニー・ラム[大城房美/中川裕二訳]

コラム 香港のマンガ ステラ・ソウ[大城房美訳]

第6章 フィリピンの商業BLマンガを読み解く――日本のBLマンガとの比較分析を中心に 長池一美/カミル・ジョイス・トゥアソン
 1 ブラックインクBL作品のジャンル分析
 2 BL作品から読み解く人種にまつわる言説
 3 フィリピンBLに表象される「日本」 
 4 BLからつながるLGBTQ理解促進

第7章 シンガポールのコミックス規制――チェンジュ・リムへのインタビューからみえてきたこと 杉本バウエンス・ジェシカ
 1 コミックス業界での都市国家としてのシンガポールの特異的立場
 2 現在のシンガポールの表現規制
 3 シンガポールで読まれるコミックス

コラム 『Martin’s Purrspective』からみるフィリピンのジェンダー問題 カールイアン・ウイ・チェンチュア

第3部 規制とマンガ

第8章 マシュー・ルークスへのインタビュー マシュー・ルークス(アメリカ:コミックスアーティスト) 聞き手:大城房美/杉本バウエンス・ジェシカ/パトリック・ウィリアム・ガルブレイス[中川裕二訳]

第9章 サイモン・邦子へのインタビュー サイモン・邦子(アメリカ:図書館司書) 聞き手:大城房美/長池一美/濱野 健/竹内美帆/パトリック・ウィリアム・ガルブレイス

第10章 マンガを「読む」社会からマンガを「語る」社会へ――マスメディア言説でのマンガの表現に関する「有害図書」論争の変遷から 濱野 健
 1 データの集計――全体的な特徴
 2 データ分析:1――年代別の特徴
 3 データ分析:2――時系列的な変化を探る 

第11章 「子どもを思想から守る」は、誰を何から守っているのか パトリック・ウィリアム・ガルブレイス
 1 “Raising Children”――人類学的な視点から
 2 “Raising Readers”――マンガ研究の視点から
 3 “Raising Questions”――結論のかわりに

第12章 拡張するイマジナリーな身体と世界――Second Remix 永山 薫
 1 16年目の『エロマンガ・スタディーズ』
 2 『エロマンガ・スタディーズ』の背景
 3 「エロ漫画」が置かれていた状況
 4 『エロマンガ・スタディーズ』執筆の経緯
 5 表現規制については外せない
 6 歴史観とジェンダー観
 7 拡張するイマジナリーな身体と世界

あとがき 長池一美

版元から一言

2000年代以降、日本のマンガ作品は海外でMANGAという言葉を生み出すほど大きな影響力をもち、各国・各地域で受容されて、独自の文化として読者に親しまれている。

一方で、日本の特に少女マンガは女性をエンパワーメントしながら性や暴力への問題提起を表現に織り込んできたため、規制の不十分さが批判されもしてきた。マンガは、自由に主体性を表現するグローバルな文化として、このまま定着し発展していけるのだろうか。

本書では、萩尾望都への25,000字超のインタビューを筆頭に、自由と規制という切り口を軸にして、SNSのエッセイマンガ、有害図書論争、成人向けマンガなどを検証する。また、香港・マレーシア・シンガポール・フィリピンなどのマンガ家との対話を積み重ね、BLマンガや規制の実態も浮き彫りにする。さらに、アメリカの図書館員やアーティストの貴重な聞き書きも収める。

グローバルな展開をみせるマンガと女性をめぐる主体的な表現の可能性や葛藤を、表現者へのインタビューと研究者の論考から立体的に描き出す。

著者プロフィール

大城 房美  (オオギ フサミ)  (編著

筑紫女学園大学文学部教授。専攻は比較文化・文学、女性学、アメリカ文学・文化。編著に『女性マンガ研究』(青弓社)、共編著に『マンガは越境する!』(世界思想社)、Womenʼs Manga in Asia and Beyond(Palgrave Macmillan)、共著に『〈翻訳〉の圏域』(イセブ)、論文に“Womenʼs Manga: A Symposium Moderated by Fusami Ogi”(International Journal of Comic Art. Vol. 26, No. 1 Spring/Summer 2024)など。

長池 一美  (ナガイケ カズミ)  (編著

大分大学国際教育推進センター教授。専攻は大衆文化研究、ジェンダー・セクシュアリティ研究。著書にFantasies of Cross-dressing(Brill)、共編著にBoys Love Manga and Beyond(University Press of Mississippi)、共著に『BLが開く扉』(青土社)、『女性マンガ研究』(青弓社)など。

上記内容は本書刊行時のものです。