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1970年代文化論 日高 勝之(編著) - 青弓社
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1970年代文化論 (センキュウヒャクナナジュウネンダイブンカロン)

社会一般
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発行:青弓社
四六判
縦188mm 横128mm 厚さ16mm
重さ 319g
284ページ
並製
定価 1,800円+税
ISBN
978-4-7872-3508-4   COPY
ISBN 13
9784787235084   COPY
ISBN 10h
4-7872-3508-7   COPY
ISBN 10
4787235087   COPY
出版者記号
7872   COPY
Cコード
C0336  
0:一般 3:全集・双書 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2022年8月26日
書店発売日
登録日
2022年7月22日
最終更新日
2023年1月26日
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紹介

〈政治の季節〉である1960年代と、大衆消費社会の進展とバブル文化の開花に特徴づけられる80年代に挟まれる70年代の文化がもつ意義とは何か。映画、テレビ、雑誌、アート、社会運動などを横断的に検証し、70年代のメディアや文化の複合的なありように迫る。

目次

序 章 みえにくい一九七〇年代 日高勝之
 1 〈政治の季節〉とバブルの時代のはざま
 2 一九七〇年代の一筋縄ではいかない複雑さ
 3 本書の構成と問題設定

第1部 家族・若者・中高年

第1章 「からかい」からみる女性運動と社会運動、若者文化の七〇年代――雑誌「ビックリハウス」におけるウーマン・リブ/フェミニズム言説を通じて 富永京子
 1 一九七〇年代の若者と政治
 2 若者文化の媒体としての「ビックリハウス」
 3 「ビックリハウス」は女性運動をどのように受容したのか
 4 相対主義的価値観と構造的格差の不可視化

第2章 家族とテレビドラマの一九七〇年代――「ホームドラマ」から「反ホームドラマ」への転換とその背景 米倉 律
 1 テレビドラマ史のなかのホームドラマ
 2 反ホームドラマの登場
 3 一九七〇年代の家族の「両義性」
 4 「お茶の間」の解体とテレビ視聴の個人化

第3章 「司馬史観」への共感とポスト「明治百年」――「教養主義の没落」後の中年教養文化 福間良明
 1 一九七〇年代と司馬ブーム
 2 「教養」としての「余談」
 3 高度経済成長後の社会とビジネスマンの読者

第2部 政治・性・マイノリティ

第4章 大島渚と蓮實重彦――反時代・フランス・マゾヒズム 日高勝之
 1 反時代・反政治・反制度――連合赤軍事件と三島事件との遭遇
 2 「フランス」の威権と効用
 3 マゾヒズムと一九七〇年代

第5章 太田竜――ポスト新左翼の「革命」とアイヌ民族運動の胎動 藤巻光浩
 1 アイヌ革命論とアイヌ解放同盟
 2 革命の季節の到来と決裂
 3 太田にとっての「アイヌモシリ」
 4 アイヌにとっての「アイヌモシリ」
 5 太田にとってのアイデンティティの季節

第6章 東郷健――マイノリティ・ポリティクスとアートの不都合な関係 長﨑励朗
 1 「おかま」の政治演説
 2 美輪明宏と東郷健――セクシュアル・マイノリティをめぐる芸術と政治
 3 「The Gay」とその時代
 4 雑民の会と当事者性
 5 一九七〇年代が提示した課題

第3部 国家・地方とメディア

第7章 テレビが媒介するナショナルな時空間の編成――NHK『新日本紀行』を中心に 米倉 律
 1 『新日本紀行』の誕生
 2 「想像の共同体」としての「地方=故郷」
 3 変化する「故郷」へのまなざしの両義性
 4 ナショナルな“国土像”と単一の時空間の編成

第8章 四畳半テレビ――CATVとビデオ・アートが夢見た「コミュニティメディア」 飯田 豊
 1 二つの「情報コミューン」――ポスト大阪万博、ポスト七〇年安保のプロジェクト
 2 テレビの民主化――「コミュニティビデオ」の思想と実践
 3 CATVとビデオ・アートの交差点

終 章 「癒合」の時代――一九七〇年代のリアルと現代性 日高勝之
 1 ポスト〈政治の季節〉と多様なアクターの交錯
 2 新左翼の一九七〇年代――地方、マイノリティ、メディア
 3 日本の新左翼の「生の感覚」
 4 島耕作、サヨク、スキゾ
 5 新自由主義と個の自由
 6 新自由主義、新左翼、ポストモダン、戦後民主主義
 7 「癒合」の時代――一九七〇年代のメタプロセス
 8 二十一世紀と一九七〇年代――ウィズ/ポスト・コロナの時代から考える

あとがき 日高勝之

版元から一言

〈政治の季節〉として語られる1960年代と、大衆消費社会やバブル文化で特徴づけられる80年代に挟まれた1970年代の文化は、2つの時代の「断絶」に位置して見過ごされ、戦後史での位置づけは不十分だった。

沖縄返還や日中国交正常化などの政治の動き、高度経済成長や第一次石油ショックなどの経済の変容を押さえたうえで、1970年代の映画、テレビ、雑誌、文学、音楽、アート、国家イベント、社会運動を横断的に考察する。その際、「家族・若者・中高年」「政治・性・マイノリティ」「国家・地方・周縁」などに注目しながら予断を排して検証する。

〈政治の季節〉から消費社会への過渡期という1970年代の単線的な歴史理解を退けて、新自由主義、新左翼、ポストモダン、戦後民主主義などが複雑に交錯した70年代の文化の深淵に迫り、「70年代とは何か」という問いに正面から応答する試み。

著者プロフィール

日高 勝之  (ヒダカ カツユキ)  (編著

1965年、大阪府生まれ。立命館大学産業社会学部教授。専攻はメディア文化研究、記憶研究、政治コミュニケーション。著書に『昭和ノスタルジアとは何か』(世界思想社。2015年度日本コミュニケーション学会・学会賞受賞)、『「反原発」のメディア・言説史』(岩波書店)、Japanese Media at the Beginning of the 21st Century(Routledge)、Japanese Media and the Intelligentsia after Fukushima(Routledge)など。

上記内容は本書刊行時のものです。