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空間と統治の社会学
住宅・郊外・ステイホーム
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2021年9月28日
- 書店発売日
- 2021年9月28日
- 登録日
- 2021年8月11日
- 最終更新日
- 2022年4月30日
書評掲載情報
2021-12-25 |
東京新聞/中日新聞
朝刊 評者: 飯野友幸(上智大学教授・アメリカ文学) |
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紹介
1990年代以降の経済的な危機のなか、都市空間や住居空間はどのように変容してきたのか。ルフェーブルやフーコーの議論を補助線にしながら、1990年代から現在までの空間のありようをたどり、流動性や利便性を求める空間の「不自由さ」を批判的に検証する。
目次
序 章 「空間の不自由」を問うということ
第1章 新自由主義と空間の暴力――金融資本と空間の接合
1 サブプライムローン問題と住宅という財
2 都市空間の変貌
3 空間開発と金融資本
4 公共空間の市場化と社会的所有の放棄
第2章 都市空間の変容のなかのオリンピック――再開発のなかの建築と空間
1 書き換えられる都市空間
2 フローの空間としての東京――首都高と経済空間への書き換え
3 フローの空間としての都市――新自由主義化する空間
4 二〇二〇年オリンピックの空間
第3章 囲われる空間のパラドックス
1 生活を囲い込むこと
2 集住空間のセキュリティ
3 測定される安全/危険
4 象徴暴力とコミュニティ
5 逆説的な安全な空間
第4章 スマートシティと生政治――パブリック―プライベートの産業から住むことの統治に向けて
1 スマートシティと空間――テクノロジーは何を対象にするのか
2 産業としてのスマートシティ
3 生政治としてのスマートシティ
第5章 郊外空間の反転した世界――『空中庭園』と住空間の経験
1 表象としての住宅
2 郊外と「住まわせる論理」
3 郊外または反転した世界
4 性愛の空間としての郊外
終 章 新型コロナ禍と「ホーム」という場所――カフカ「巣穴」を読む
1 コロナ禍と権力の問題
2 カフカ「巣穴」とホーム
あとがき
版元から一言
1990年代以降、バブル経済の崩壊とリーマンショックに象徴される経済的な危機や社会的な停滞のなか、都市空間や住居空間はどのように変容して、私たちはそのなかでどのような経験をしてきたのか。また、それを支えるテクノロジーは、私たちの身体にどのような影響を与えているのか。
開発と金融資本の結び付きや東京の再開発をたどることで「空間の動産化」を浮き彫りにして、集住空間のセキュリティやスマートシティの事例から住空間と統治のテクノロジーの関係を分析する。加えて、郊外の現在のありようやコロナ禍でのステイホームから、住まう空間が私たちに何を経験させているのかを明らかにする。
アンリ・ルフェーブルやミシェル・フーコーの議論を補助線にしながら、1990年代から現在までの空間の変容を具体的な事例からひもとき、流動性や利便性を求める空間の「不自由さ」を批判的に検証する。
上記内容は本書刊行時のものです。