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ネット右派の歴史社会学 伊藤 昌亮(著) - 青弓社
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ネット右派の歴史社会学 (ネットウハノレキシシャカイガク) アンダーグラウンド平成史1990-2000年代 (アンダーグラウンドヘイセイシ センキュウヒャクキュウジュウ ニセンネン ネンダイ)

社会科学
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発行:青弓社
A5判
縦216mm 横152mm 厚さ38mm
重さ 709g
514ページ
上製
定価 3,000円+税
ISBN
978-4-7872-3458-2   COPY
ISBN 13
9784787234582   COPY
ISBN 10h
4-7872-3458-7   COPY
ISBN 10
4787234587   COPY
出版者記号
7872   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2019年8月14日
書店発売日
登録日
2019年6月18日
最終更新日
2021年8月3日
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書評掲載情報

2021-10-16 東京新聞/中日新聞  朝刊
評者: 栗原裕一郎(評論家)
2019-10-27 読売新聞  朝刊
評者: 森健(専修大学非常勤講師、ジャーナリスト)
2019-10-12 朝日新聞  朝刊
評者: 宇野重規(東京大学教授・政治思想史)
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重版情報

3刷 出来予定日: 2021-08-20
2刷 出来予定日: 2019-11-14
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インターネットの普及とともに台頭してきたネット右派はどのように現れ、その存在を確固としたものにしていったのでしょうか。圧巻の情報量からネット右派の現代史を描き出す本書が、おかげさまで3刷出来です。

紹介

保守的・愛国的な信条を背景に、その言動でしばしば他者を排撃するネット右派。彼らはどのように生まれ、いかに日本社会を侵食していったのか。政治・文化・社会問題・運動など、日本社会に全面展開するネット右派の現代史を圧巻の情報量で描き出す。

目次

はじめに

第1章 新保守論壇と嫌韓アジェンダ――一九九〇年代前半まで
 1 既成保守論壇から新保守論壇へ
 2 『SAPIO』の登場とその後の右傾化
 3 嫌韓アジェンダと反日アジェンダ
 4 『SAPIO』の反日国家スキームの変遷
 5 ジャパンバッシングの嵐のなかから
 6 日本版反ユダヤ主義と陰謀論
 7 「日韓論争」の展開
 8 反日嫌韓スキームの成立
 9 『醜い韓国人』をめぐる動き
 10 歴史認識をめぐる神学論争
 11 リベラル派対保守派の代理戦争
 12 嫌韓アジェンダをめぐるいくつかの通説

第2章 サブカル保守クラスタと反リベラル市民アジェンダ――一九九〇年代半ばまで
 1 リベラル市民主義の盛り上がり
 2 日本型市民社会論と戦後民主主義
 3 市民主義への自己批判という問題意識
 4 ユーフォリアのなかのリベラル市民主義ブーム
 5 小林よしのりによる市民運動批判
 6 市民主義批判から戦後民主主義批判へ
 7 リベラル市民主義の擁護者としての『朝日新聞』
 8 大月隆寛による市民主義批判
 9 サブカル保守クラスタの形成
 10 「市民」対「庶民」の階級対立
 11 サブカル保守クラスタとオタク文化との親和性
 12 戦後民主主義と戦闘サブカルチャー
 13 「上から目線」へのアンチテーゼとして

第3章 バックラッシュ保守クラスタと歴史修正主義アジェンダ――一九九〇年代後半まで
 1 東京裁判史観と歴史教科書問題
 2 バックラッシュ保守クラスタの台頭
 3 自由主義史観研究会から「つくる会」へ
 4 サブカル保守クラスタからの流れ
 5 権威主義と反権威主義との野合
 6 戦前エスタブリッシュメントと戦後エスタブリッシュメント
 7 右からの引力と左からの斥力
 8 ホロコースト否定論と日本型歴史修正主義
 9 サブカル保守クラスタと歴史修正主義アジェンダとの親和性
 10 善悪二元論批判と歴史的物語観
 11 三つのアジェンダの統合と新保守論壇の完成

第4章 ネット右派論壇と保守系・右翼系の二つのセクター――一九九〇年代後半まで
 1 ネット右派論壇の形成
 2 密教を真に受けた人々
 3 掲示板文化とメーリングリスト文化
 4 ネット右派論壇を構成するサイト
 5 新保守論壇の流れを汲む保守系セクター
 6 右翼・民族派の流れを汲む右翼系セクター
 7 保守と右翼との位置付けをめぐって
 8 右翼・民族派をめぐる当時の状況
 9 日本ちゃちゃちゃ倶楽部(日本茶掲示板)――保守系セクターを代表する存在
 10 鐵扇會――既成右翼系クラスタを代表する存在
 11 右翼共和派――新右翼系クラスタを代表する存在

第5章 ネオナチ極右クラスタと排外主義アジェンダ――二〇〇〇年前後まで
 1 ヨーロッパ極右の流れを汲むネオナチ極右クラスタ
 2 外国人労働者問題と外国人犯罪問題
 3 ヨーロッパ極右をめぐる当時の状況
 4 瀬戸弘幸と世界戦略研究所
 5 篠原節と民族思想研究会
 6 農本主義とエコロジー
 7 「血と土」のイデオロギー
 8 民族主義とディープエコロジー
 9 反ユダヤ主義から外国人労働者排斥へ
 10 山田一成と国家社会主義日本労働者党
 11 ネオナチ極右クラスタの形成
 12 ナチサブカルチャーへの強い志向
 13 「三国人発言」と外国人参政権問題
 14 日本茶掲示板と民団掲示板との論戦
 15 嫌韓アジェンダと排外主義アジェンダとの結合
 16 ネット右派論壇内部のカルチュラルポリティクス
 17 サブカル保守クラスタとナチサブカルチャーとの親和性
 18 民族主義の構造転換
 19 差別主義への志向とカルト宗教
 20 ナショナリズム・ナチュラリズム・スピリチュアリズム

第6章 2ちゃんねる文化と反マスメディアアジェンダ――二〇〇〇年代前半まで
 1 ネット常民としての2ちゃんねらー
 2 「ニホンちゃん」と観客民主主義
 3 2ちゃんねる初の大規模な炎上騒ぎ
 4 屈折した反権威主義の精神
 5 プロ市民概念の発明
 6 「悪い子」的キャラクターと「ダメな子」的キャラクター
 7 ネトウヨ底辺説をめぐる誤解
 8 反リベラル市民から反マスメディアへ
 9 マスメディアのインチキを暴く
 10 女性国際戦犯法廷とNHKの番組改変
 11 朝日新聞叩きの系譜
 12 明示的な偏向批判と暗黙的な特権批判
 13 アングラネット論壇での朝日新聞不買運動
 14 フジテレビ叩きに至る経緯
 15 日韓共催ワールドカップサッカーをめぐって
 16 韓流ゴリ押し姿勢をめぐる誤解
 17 親殺しとしてのフジテレビ叩き
 18 新旧メディアの階級対立
 19 反日マスコミ批判の動き

第7章 ネット右派の顕在化――二〇〇〇年代後半まで
 1 反知性主義の構造転換
 2 エンジョイコリアでの日韓論争
 3 ネイバー総督府とバファリン作戦
 4 反知性主義対主知主義という構図
 5 専門知対集合知という構図
 6 集団思考と決断主義
 7 嫌韓厨から嫌韓流へ
 8 桜井誠と嫌韓コミュニティ
 9 『マンガ嫌韓流』以降の嫌韓本ブーム
 10 『WiLL』の創刊と「大人目線」の右傾化路線
 11 チャンネル桜の開局と右翼・民族派への眼差し
 12 動画共有サイトの普及とチャンネル桜による啓蒙
 13 バックラッシュ保守クラスタの再興とその背景
 14 権威主義と反権威主義との結び付き
 15 決断主義とポピュリズム
 16 シンボルとしての田母神俊雄
 17 在日特権という発想
 18 瀬戸弘幸のその後と西村修平
 19 「行動する保守」の成立

第8章 ネット右派の広がりとビジネス保守クラスタ――二〇一〇年前後まで
 1 ビジネス保守クラスタの形成
 2 三橋貴明とビジネス保守クラスタの思想
 3 日本青年会議所(JC)の右傾化
 4 ビジネス保守クラスタのリアルな支え手
 5 リベラル市民主義への復讐
 6 ネット右派論壇のバージョンアップ
 7 その後のネット右派の成熟と停滞
 8 響きと怒り、そして語り
 9 大衆の原像と幻像

あとがき

人名索引

版元から一言

保守的・愛国的な信条を背景に、その言動でしばしば他者を排撃する「ネット右派」。彼らはどのように生まれ、いかに日本社会を侵食していったのか。その真の意図とは何だったのか。

前史にあたる1990年代の雑誌論壇と草創期のネット論壇、55年体制の崩壊から現政権の成立までの政治状況、マンガ・アニメや「2ちゃんねる」などの文化状況、歴史教科書問題や外国人労働者問題、日本会議・在特会・極右組織などの団体の動向――。

日本社会に全面展開するネット右派の2000年代までを、嫌韓・反リベラル市民・歴史修正主義・排外主義・反マスメディアという5つのアジェンダ(論題)と、サブカル保守・バックラッシュ保守・ネオナチ極右・ビジネス保守という4つのクラスタ(担い手)からあざやかに分析する。

圧巻の情報量で「ネット右派の現代史」と「平成のアンダーグラウンド」を描き出す「ネット/右翼」研究の決定版。

著者プロフィール

伊藤 昌亮  (イトウ マサアキ)  (

1961年生まれ。成蹊大学文学部教授。専攻はメディア論。著書に『デモのメディア論――社会運動社会のゆくえ』(筑摩書房)、『フラッシュモブズ――儀礼と運動の交わるところ』(NTT出版)、共著に『奇妙なナショナリズムの時代――排外主義に抗して』(岩波書店)、『ネットが生んだ文化――誰もが表現者の時代』(KADOKAWA)、共訳書にキャロリン・マーヴィン『古いメディアが新しかった時――19世紀末社会と電気テクノロジー』(新曜社)など。

上記内容は本書刊行時のものです。