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趣味の社会学 片岡 栄美(著) - 青弓社
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趣味の社会学 文化・階層・ジェンダー

発行:青弓社
A5判
縦210mm 横148mm 厚さ25mm
重さ 506g
380ページ
並製
定価 4,000円+税
ISBN
978-4-7872-3456-8
Cコード
C0036
一般 単行本 社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2019年9月24日
書店発売日
登録日
2019年6月17日
最終更新日
2020年9月9日
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書評掲載情報

2019-12-28 朝日新聞  朝刊
評者: 本田由紀(東京大学教授)
2019-11-10 読売新聞  朝刊
評者: 鈴木洋仁(東洋大学研究助手、社会学者)

重版情報

2刷 出来予定日: 2020-04-01
日本では、クラシックを聞く家の子どもと聞かない家の子どもでは趣味の持ち方にどんな違いがあるのか? 本を読む親と読まない親では子どもの趣味は変わる? そんな「趣味」に着目した社会学、おかげさまで2刷出来です。

紹介

ピエール・ブルデューの『ディスタンクシオン』の問題意識を共有しながら、社会調査や計量分析を基に、日本における文化的オムニボア(文化的雑食性)という特性を浮き彫りにする。そして、日本で文化の再生産が隠蔽されてきたメカニズムを解き明かす。

目次

序章 文化的平等神話
 1 文化的平等神話
 2 文化の正統性とは
 3 文化による差異化、学歴による差異化
 4 グローバリゼーションと文化の均質化、そしてアイデンティティの行方

第1章 趣味の社会学の成立と展開
 1 趣味の社会学とは 
 2 文化による自己表現と脱近代
 3 自己実現のポリティックスと趣味、テイスト
 4 ポストモダニズムと大衆文化社会、商業主義
 5 分析の視点と課題
 6 ブルデューの意義とポスト・ブルデューの文化社会学

第2章 文化資本、ハビトゥス、実践
 1 象徴闘争としての趣味・テイストと文化の階層性
 2 ハビトゥスと実践(プラティック)
 3 戦略とハビトゥス
 4 ハビトゥスは単数か複数か
 5 文化資本とは
 6 文化資本の獲得様式と蓄積性
 7 文化資本と学歴資本――男女の違い
 8 文化資本と階層・階級
 9 文化資本は測定可能か
 10 家庭の文化環境と文化的再生産
 11 相続文化資本と家庭の文化的環境に関する先行研究
 12 家庭の文化資本の測定
 13 家庭の文化的環境と社会階層
 14 初期の経験的研究での文化資本の測定

第3章 階級・階層から差異の空間へ
 1 ブルデューの発生論的構造主義と階級・階層
 2 わが国での差異の体系と趣味のヴァリアント
 3 文化の入れ子構造――フランスとの相違点
 4 都市部の生活様式空間と社会空間の相同性

第4章 文化的オムニボアと象徴的境界――現代の文化資本とは何か
 1 文化的な排他性それとも寛容性
 2 文化の威信スコアと指標
 3 文化的寛容性は現代の文化資本か?
 4 進行する文化的オムニボア化
 5 ハイカルチャーと大衆文化の象徴的境界
 6 大衆化社会における文化戦略と文化的再生産

第5章 写真イメージにみる美的性向
 1 中間芸術としての写真とハビトゥス
 2 調査方法
 3 写真イメージにみる美的性向
 4 男女による美的性向の差異
 5 学歴資本と美的性向の関連
 6 写真イメージにみる美的性向は男性で均質化
 7 職業と美的性向
 8 考察

第6章 文化消費の構造と階層・ジェンダー
 1 性と年齢による文化のすみ分け
 2 文化の階層性とジェンダー
 3 高学歴化と文化資本
 4 文化貴族と文化的成り上がり――文化の獲得は学校か家庭か
 5 収入と文化消費
 6 文化の構造――男女による違い
 7 文化の規定要因
 8 わが国の文化的再生産過程
 9 文化のコーポレート支配仮説(文化産業仮説)

第7章 階層再生産と文化的再生産のジェンダー構造――地位形成に及ぼす読書文化と芸術文化の効果
 1 文化か知能か
 2 地位達成での学歴と文化資本
 3 文化資本の収益
 4 問題設定
 5 教育市場・労働市場・婚姻市場での文化資本の効果
 6 労働市場での収益と転換効果
 7 婚姻市場での文化資本の収益
 8 結果の要約
 9 階層再生産と文化的再生産のジェンダー構造

第8章 教育達成過程における家族の教育戦略とジェンダー――文化資本効果と学校外教育投資効果のジェンダー差を中心に
 1 家族の教育戦略への焦点化
 2 メリトクラシーと文化選抜
 3 文化資本と人的資本
 4 家族の教育戦略と社会階層
 5 分析の方法と変数の特性
 6 文化的な女性は成績がよいか
 7 教育達成メカニズムの変容
 8 文化資本の学校での収益の変化
 9 学校外教育投資効果の変容と教育戦略の外部化
 10 象徴的強制効果とハビトゥス的な文化的再生産過程
 11 男女で教育達成メカニズムが異なるのはなぜか
 12 結論と考察

第9章 ジェンダーと文化――なぜ男の子はスポーツで、女の子はピアノなのか
 1 文化定義のジェンダー化
 2 文化評価のジェンダー差
 3 文化評価をめぐる諸言説
 4 性役割意識と文化への意味付与
 5 概念間の関連性

第10章 バウンダリー・ワークとしての友人選択とハビトゥス――友人選択の基準にみる象徴的境界とライフスタイルの諸類型
 1 問題設定
 2 象徴的境界とは何か
 3 バウンダリー・ワークの3つの基準
 4 日本での研究の意義
 5 調査の概要
 6 友人選択基準にみる象徴的境界
 7 バウンダリーの社会的特徴
 8 友人選択での象徴的境界の特徴
 9 バウンダリー・ワークに関する知見
 10 象徴的境界とライフスタイル

第11章 階級のハビトゥスとしての文化弁別力とその社会的構成――文化の評価システムと社会階層
 1 文化評価と階級
 2 分析課題
 3 文化の威信評価と評定の意味
 4 文化評価の一次元性と対抗文化の不在
 5 階級のハビトゥスとしての文化弁別力
 6 文化による差異化と文化の階層性
 7 自らが優位になる分類システムの採用
 8 地位移動と文化評価

参考文献一覧

初出論文

あとがき

索引

版元から一言

「日本に経済格差はあるが、文化的には平等である」――戦後、こういった神話が語られてきたが、はたして本当に平等と言えるだろうか。平等だと言うことで、どういう現実が覆い隠されてきたのだろうか。

ピエール・ブルデューの『ディスタンクシオン』の問題意識と方法を共有しながら、社会調査や計量分析を基に、日本の文化資本の機能を読み解く。

芸術・音楽・読書などの趣味とジェンダー/ライフスタイルの関係、趣味を通じた友人のネットワーク形成、家庭の文化資本が学歴や地位の形成に及ぼす効果とその男女差などの分析を通して、日本における文化的オムニボア(文化的雑食性)という特性とジェンダーによる文化の差異を浮き彫りにする。そして、日本で文化の再生産が隠蔽されてきたメカニズムを解き明かす。

著者プロフィール

片岡 栄美  (カタオカ エミ)  (

駒澤大学文学部教授。専攻は文化社会学、社会階層論。共著に『変容する社会と教育のゆくえ』(岩波書店)、『文化の権力――反射するブルデュー』(藤原書店)、『社会階層のポストモダン』(東京大学出版会)など。

上記内容は本書刊行時のものです。