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社会的分断を越境する 塩原 良和(編著) - 青弓社
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社会的分断を越境する (シャカイテキブンダンヲエッキョウスル) 他者と出会いなおす想像力 (タシャトデアイナオスソウゾウリョク)

社会一般
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発行:青弓社
A5判
縦210mm 横148mm 厚さ19mm
重さ 368g
288ページ
並製
定価 3,000円+税
ISBN
978-4-7872-3411-7   COPY
ISBN 13
9784787234117   COPY
ISBN 10h
4-7872-3411-0   COPY
ISBN 10
4787234110   COPY
出版者記号
7872   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
品切れ・重版未定
初版年月日
2017年1月
書店発売日
登録日
2016年11月30日
最終更新日
2018年12月3日
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書評掲載情報

2017-06-10 POSSE(ポッセ)  35
2017-03-12 信濃毎日新聞
評者: 山本圭
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紹介

移民、難民、テロ、犯罪、ヘイトスピーチ――国内外の具体的事例と現場を「越境」と「想像力」という視点から読み解き、そこに潜む問題性を浮き彫りにする。社会的分断を乗り越えるために、私たちの想像力をバージョンアップするアクチュアルな成果。

目次

世界を再想像する テッサ・モーリス=スズキ

解題 他者と出会いなおし、世界を想像しなおす 塩原良和

序章 越境的想像力に向けて 塩原良和
 1 共感と想像力
 2 社会学的想像力と歴史的想像力
 3 ナショナルな想像力の限界
 4 社会階層と想像力の制約
 5 リアリティの分断とスティグマ化
 6 想像力を「越境」させる
 7 本書の構成

第1章 越境者・媒介者・コスモポリタンをめぐるリアル・ユートピア――長野・宮城・バンクーバーにおける移住者たちのトランスナショナリズム 西原和久
 1 日本農村にみられる越境者――交流の諸相と媒介者の発見
 2 震災被災地・宮城の越境者たち――外国人被災者と媒介者
 3 出移民と媒介者たち――オイジンとカナダ移民を中心に
 4 多文化社会の再検討と媒介者の変容――国家主義を超えて

第2章 民間外交と移民――戦間期の日米経済人交流を事例として 辛島理人
 1 移民のはじまりとしての開国
 2 日本の民間経済外交
 3 アメリカの排日運動
 4 渋沢栄一の対米民間外交
 5 パナマ運河の開通とサンフランシスコ万博
 6 日米関係委員会
 7 排日移民法
 8 その後

第3章 移民史と海事史を越境する――二十世紀初頭のアメリカ諸港における日本海員の「脱船」を事例として 栢木清吾
 1 渡米手段としての脱船
 2 日本の出国管理を潜り抜ける海員の移動
 3 脱船の防止策と失敗

第4章 「避難民」としての越境――神戸の白系ロシア人の事例から 中西雄二
 1 白系ロシア人を取り巻く情勢と諸制度
 2 神戸の白系ロシア人社会の形成
 3 就業状況と日本社会との関わり
 4 戦後の白系ロシア人社会

第5章 コロニアル・クリミナリティの系譜学――韓国・朝鮮人への蔑称から探る「継続する植民地主義」 ジョエル・マシューズ[鈴木弥香子訳]
 1 日本で作られた「朝鮮学」
 2 日本宗主国への「転移」
 3 日本の統計学の発展と「不逞鮮人」言説
 4 ポストコロニアルな空間に残存する植民地主義

第6章 反知性主義、未決性、互酬性から希望へ――ヘイトスピーチでの「分断」から考える 川端浩平
 1 ヘイトスピーチの現場から見えてくる奇妙な三角関係
 2 ヘイトスピーチと「分断」
 3 ストリートから消え去った者たちの現在
 4 反知性主義に向き合うことから見えてくる未決性と希望

第7章 反税運動と移民排斥運動にみる福祉ショービニズム――デンマークにおける「租税同意」の歴史的経緯から考える 倉地真太郎
 1 「納税者の反乱」から「移民排斥運動」への文脈
 2 地方財政と多様なニーズ

第8章 風刺と宗教――ポスト世俗化時代のデモクラシー 清水知子
 1 揺れる欧州、回帰する神々
 2 世俗主義の系譜とその破綻――問いなおされる公共圏
 3 変貌する戦争とテロリズム
 4 狂信者とは何者か――寛容と暴力の行方
 5 文化の翻訳と赦し

第9章 多文化共生概念が「禁止」するもの――ブラジル人集住地区のリアリティ 山本直子
 1 X地区とブラジル人
 2 エスニック・コミュニティの役割の変化
 3 多文化共生の名のもとで

第10章 「根のあるコスモポリタニズム」へ――グローバル化時代の新たな試練と希望 鈴木弥香子
 1 なぜコスモポリタニズムは再び注目されたのか
 2 「根のないコスモポリタニズム」?
 3 コスモポリタニズムが抱える歴史的・文化的問題性
 4 「根のあるコスモポリタニズム」

第11章 阪神・淡路大震災を「想像し続ける」歴史実践のために――「一九九五年生まれ」の空間性と帰属感覚 稲津秀樹
 1 阪神・淡路大震災の空間と神戸・長田の「土壌」
 2 軌跡の可視化と不可視化の間――復興まちづくりのなかで
 3 「一・一七のつどい」を行き交う軌跡の渦へ
 4 「一九九五年生まれ」の空間性と帰属感覚――まとめにかえて

あとがき――もうひとつのまえがき 稲津秀樹

版元から一言

貧困や格差の拡大、テロ/人種差別といった剥き出しの暴力と排外主義の台頭、他者へのバッシング……グローバル化を背景に国境を越えて再編される現代の越境社会は、いま様々な場面で分断を抱えた危機的状況にある。

移民、難民、テロ、犯罪、ヘイトスピーチ、多文化共生、福祉財政、災害被災地――国内外の具体的事例と現場を「越境」と「想像力」に着目しながら読み解き、そこに潜む問題性を浮き彫りにする。他者と対話し理解しようと努める人びとの営みを「越境的想像力」と位置づけ、他者の経験を想像力によって自身のリアリティーに取り込む重要性を指摘する。社会的分断を乗り越えるために、私たちの想像力をバージョンアップするアクチュアルな成果。

著者プロフィール

塩原 良和  (シオバラ ヨシカズ)  (編著

1973年、埼玉県生まれ。慶應義塾大学法学部教授。専攻は社会学・社会変動論、オーストラリア社会研究。著書に『変革する多文化主義へ』(法政大学出版局)、『共に生きる』(弘文堂)、翻訳書にガッサン・ハージ『希望の分配メカニズム』(御茶の水書房)など。

稲津 秀樹  (イナヅ ヒデキ)  (編著

1984年、兵庫県生まれ。日本学術振興会特別研究員(PD)。専攻は社会学、カルチュラル・スタディーズ。共著に『カルチュラル・スタディーズで読み解くアジア』(せりか書房)、『フィールドに入る』(古今書院)、『排除と差別の社会学[新版]』(有斐閣)など。

上記内容は本書刊行時のものです。