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東京オリンピック1964の遺産 坂上 康博(編著) - 青弓社
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東京オリンピック1964の遺産 (トウキョウオリンピックセンキュウヒャクロクジュウヨンノイサン) 成功神話と記憶のはざま (セイコウシンワトキオクノハザマ)

社会一般
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発行:青弓社
四六判
縦188mm 横128mm 厚さ28mm
重さ 328g
362ページ
並製
定価 2,800円+税
ISBN
978-4-7872-2092-9   COPY
ISBN 13
9784787220929   COPY
ISBN 10h
4-7872-2092-6   COPY
ISBN 10
4787220926   COPY
出版者記号
7872   COPY
Cコード
C0021  
0:一般 0:単行本 21:日本歴史
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2021年12月28日
書店発売日
登録日
2021年11月24日
最終更新日
2022年4月30日
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紹介

開催に反対する世論、政治家の思惑、文学者による批判、地方都市での受け止め方、学校での関連教材の配布や観戦動員、音楽や踊りの経験、パイロット選手の記憶――。1964年の記憶を掘り起こし、成功神話を批判的に検証して、遺産の正負両面を明らかにする。

目次

まえがき 坂上康博/來田享子

第1章 池田勇人首相と東京オリンピック 中房敏朗
 1 国会の施政方針演説でのオリンピック
 2 総裁選挙と東京オリンピック
 3 原潜の寄港阻止運動とオリンピック
 4 「花道」としての東京オリンピック

第2章 天皇・原子力・オリンピック 中房敏朗
 1 パトロン・オブ・ザ・ゲームズ
 2 オリンピック・イブの集火式
 3 オリンピックと原発――二つの国家的事業
 4 「人類」と「平和」
 5 組織委員会からみたオリンピック

第3章 忘れられた遺産――文学者たちの東京オリンピック批判 坂上康博
 1 封じ込められた国民の批判意識
 2 膨大な開催経費や都市開発に対する批判
 3 平和への決意と願い
 4 抑圧的な状況に向かって
 5 「無責任なナショナリズム」の広がり!?

コラム 敗者へのまなざし――文学者は何を思ったか 坂上康博

第4章 五輪競技を開催した八王子市――記録映画にみる都市の経験 高尾将幸
 1 八王子市の記録映画
 2 八王子市による自転車競技誘致と植竹市政
 3 八王子を美しく!
 4 イベントと親切都市宣言とオリンピック
 5 競技施設の建設

第5章 学校に届いた東京オリンピック 木村華織
 1 学習教材にみる東京オリンピック
 2 教師たちの記憶
 3 足助小学校に大松博文がやってきた
 4 学校体育の変化――体力づくりの波

第6章 東京オリンピックと踊る人々 伊東佳那子
 1 踊りへの誘い――「東京五輪音頭」「東京オリンピック音頭」「東京五輪おどり」
 2 平和を語りかける歌詞
 3 近代スポーツと伝統文化の融合

第7章 「オリンピック・マーチ」が鳴り響いた空――「オリンピックと音楽」に刻まれる「記憶」 尾崎正峰
 1 戦前・戦後のオリンピックと楽曲
 2 一九六四年東京大会をめぐる楽曲
 3 古関裕而の人と音楽
 4 リバイバルで復活した古関の人気
 5 映画『東京オリンピック』による「記憶」の書き換え

第8章 パイロット選手の記憶 來田享子
 1 体操競技会場になった東京体育館
 2 地方から一九六四年を目指して
 3 パイロット選手の記憶――競技の舞台裏で
 4 言葉を通じて蘇る体操競技の風景
 5 テストパイロットから正選手へ――一九六八年メキシコ大会と一九七二年ミュンヘン大会の記憶

コラム 手のひらに届いたオリンピック 來田享子

終 章 対談:一九六四年大会と二〇二〇年大会を双方向で捉え直す 坂上康博/來田享子
 1 二〇二〇年大会と一九六四年大会を往還する
 2 オリンピックを学ぶということ
 3 一九六四年大会の意義
 4 オリンピックの使い方
 5 メダルランキングという罪

コラム 世界の東京オリンピック研究――海外文献データベースを検索してみた 冨田幸祐

あとがき 坂上康博

版元から一言

1964年の東京オリンピックは、戦後日本の復興を象徴し、高度経済成長と一体となった「世紀の祭典」として語られてきた。その語りは、日中戦争によって返上された1940年「幻の東京大会」の悲劇性との対比で、国民に感動と誇りと活力を与えた成功譚として記憶されてきた。

東京が三度招致した東京2020オリンピックは、新型コロナウイルスによって延期になり、国民的な批判を浴びながら、史上初、無観客で開催された。悲劇性を抱えた2つの東京大会のはざまで、1964年の東京オリンピックは、唯一、正常に開催されたオリンピックになった。

本書は、1964年の東京オリンピックの遺産の正負両面を具体的な事実にもとづいて掘り下げ、脱神話化を試みる。開催に反対する世論、オリンピックをめぐる政治家の思惑、文学者たちによる批判、地方都市での受け止め方、学校での関連教材の配布や観戦動員、パイロット選手の記憶、音楽や踊りなど身体を通したオリンピックの経験に光を当てる。

そして、1964年の東京オリンピックの遺産を通して、東京2020オリンピックの意義をあらためて検証する。

中京大学スポーツミュージアムとも連携して、当時の資料が閲覧可能に。スマートフォンやパソコンを通して、1964年を追体験できるスポーツ・デジタルアーカイブの新たな試み。

著者プロフィール

坂上 康博  (サカウエ ヤスヒロ)  (編著

1959年生まれ。一橋大学大学院社会学研究科教授。専攻はスポーツ史、スポーツ社会学、社会史。著書に『権力装置としてのスポーツ』(講談社)、『にっぽん野球の系譜学』(青弓社)、『スポーツと政治』(山川出版社)、『昭和天皇とスポーツ』(吉川弘文館)、編著書に『12の問いから始めるオリンピック・パラリンピック研究』(かもがわ出版)、共編著に『幻の東京オリンピックとその時代』(青弓社)、『スポーツの世界史』(一色出版)など。

來田 享子  (ライタ キョウコ)  (編著

1963年生まれ。中京大学スポーツ科学部教授。専攻はオリンピック・ムーブメント史、スポーツとジェンダー。東京2020オリンピック・パラリンピック大会組織委員会理事を務めた。また、2021年に国際オリンピック史家協会のヴィケラス賞を受賞。共編著に『身体・性・生』(尚学社)、『知の饗宴としてのオリンピック』(エイデル研究所)、『よくわかるスポーツとジェンダー』(ミネルヴァ書房)、論文に「オリンピック憲章における「スポーツ」一考察」(「現代スポーツ評論」第42号)など。

上記内容は本書刊行時のものです。