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歌う大衆と関東大震災 永嶺 重敏(著) - 青弓社
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歌う大衆と関東大震災 「船頭小唄」「籠の鳥」はなぜ流行したのか

発行:青弓社
四六判
縦188mm 横128mm 厚さ15mm
253ページ
並製
定価 2,000円+税
ISBN
978-4-7872-2085-1
Cコード
C0021
一般 単行本 日本歴史
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2019年10月16日
書店発売日
登録日
2019年7月30日
最終更新日
2019年10月21日
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紹介

関東大震災と前後して大流行した「船頭小唄」と「籠の鳥」。同時に、労働運動の高まりを受けてメーデー歌の「聞け万国の労働者」を各地で誰もが歌った。歌う大衆が出現した時代を、流行歌を伝播するメディアと歌を心の糧とした大衆の受容の変遷の関係から描く。

目次

まえがき

第1章 「船頭小唄」の誕生とレコードの大ヒット
 1 「船頭小唄」の誕生過程
 2 演歌師による流行と大衆層
 3 レコードの大ヒット
 4 レコードの社会的受容

第2章 小唄映画の誕生と「船頭小唄」を歌う人々
 1 小唄映画の誕生
 2 全国での上映と独唱歌手の登場
 3 スター女優の誕生
 4 無声映画と「生の声」の魅力
 5 『枯れすすき』劇と替え歌
 6 「船頭小唄」を歌う人々

第3章 関東大震災と復興の街に流れた歌
 1 関東大震災と天譴論
 2 「船頭小唄」批判と音曲自粛
 3 「船頭小唄」が再び歌われる
 4 復興歌と復興節

第4章 「籠の鳥」の流行と小唄映画の大ブーム
 1 「籠の鳥」の誕生過程
 2 演歌師とレコードの発売
 3 帝キネの『籠の鳥』に観客が熱狂
 4 日活の『新籠の鳥』も大盛況
 5 松竹の『小唄集』は若者に人気
 6 『籠の鳥続編』と小唄映画ブームの発展
 7 『籠の鳥』劇もブームに
 8 小唄映画における歌手と観客

第5章 流行小唄禁止令と合唱する観客への恐れ
 1 流行小唄禁止令とその背景
 2 流行小唄の小学生への広がり
 3 「籠の鳥」禁止令の全国化
 4 小唄映画の歌の禁止とその反響
 5 映画検閲と合唱する観客への恐れ

第6章 メーデー歌を合唱する大衆の誕生
 1 革命歌を歌う人々
 2 メーデー歌は警察の公認歌へ
 3 政治的武器としての合唱の発見
 4 歌う大衆の誕生と合唱統制

終 章 その後の展開
 1 「森繁節」から「昭和枯れすゝき」へ
 2 「籠の鳥」の著作権をめぐって

参考文献

あとがき

版元から一言

死者10万人の犠牲者を出した1923年の関東大震災と前後して、2つの歌謡曲が大流行する。「船頭小唄」と「籠の鳥」である。同時に、労働運動の高まりを受けて、メーデー歌の「聞け万国の労働者」も大流行する。人々の心情に響く曲と運動を勇気づける曲は、どのようにして全国に伝播したのか。

復興、歌の大流行、大正デモクラシーが一体になった結果、「歌う大衆」が出現した。その背景にはレコードと蓄音機というニューメディアの普及はもちろんのこと、艶歌師=演歌師の存在があった。街角の演歌師の歌声に加えて、小唄の映画化がさらに人気に拍車をかけた。

流行小唄と革命歌やメーデー歌を各地で誰もが歌っていた時代を、流行歌を伝播するメディアという社会的基盤と、歌を心の糧としてきた有名無名の無数の人々が構成する受容基盤との関係から浮かび上がらせる。

著者プロフィール

永嶺 重敏  (ナガミネ シゲトシ)  (

1955年、鹿児島県生まれ。九州大学文学部卒業、出版文化・大衆文化研究。日本出版学会、日本マス・コミュニケーション学会、メディア史研究会、日本ポピュラー音楽学会会員。著書に『「リンゴの唄」の真実――戦後初めての流行歌を追う』(青弓社)、『オッペケペー節と明治』(文藝春秋)、『流行歌の誕生――「カチューシャの唄」とその時代』(吉川弘文館)、『怪盗ジゴマと活動写真の時代』(新潮社)など。

上記内容は本書刊行時のものです。