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みんなで戦争 重信 幸彦(著) - 青弓社
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みんなで戦争 (ミンナデセンソウ) 銃後美談と動員のフォークロア (ジュウゴビダントドウインノフォークロア)

社会一般
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発行:青弓社
A5判
縦210mm 横148mm 厚さ24mm
重さ 494g
408ページ
並製
定価 3,200円+税
ISBN
978-4-7872-2082-0   COPY
ISBN 13
9784787220820   COPY
ISBN 10h
4-7872-2082-9   COPY
ISBN 10
4787220829   COPY
出版者記号
7872   COPY
Cコード
C0021  
0:一般 0:単行本 21:日本歴史
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2019年3月26日
書店発売日
登録日
2019年2月4日
最終更新日
2020年9月9日
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書評掲載情報

2019-05-18 日本経済新聞  朝刊
評者: 一ノ瀬俊也(埼玉大学教授)
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紹介

万歳三唱のなか出征する兵士、残された子を養う隣人、納豆を売って献金する子ども――。満洲事変から日中戦争へと続く戦時下の日常には、愛国の物語である銃後美談があふれていた。美談から戦時下の「空気」を読み取り、「善意」を介した動員の実態に迫る。

目次

はしがき

序 章 美談の読み方――からみつくつながりと銃後
 1 「銃後美談」へ
 2 銃後美談との向き合い方
 3 「日中戦争期」という状況
 4 「動員」と銃後美談の読み方
 5 「美談」を編むこと、「戦意」を測ること
 6 フォークロアという視点

第1部 銃後美談とは何か

第1章 銃後美談集を編む
 1 総力戦――満洲事変から日中戦争へ
 2 総力戦の制度と銃後美談集
 3 検閲と銃後美談

第2章 銃後美談と活字メディア
 1 新聞のなかの銃後美談
 2 前線の美談と銃後の美談――雑誌とその付録

第3章 増殖する銃後美談
 1 メディアと美談
 2 規範化する美談
 3 「世間へ顔出しができません」――「水兵の母」の記憶

第2部 銃後美談が動員する社会

第4章 応召する男たちをめぐって
 1 応召という出来事
 2 妻子を残して
 3 「即日帰郷」という事件

第5章 納豆を売る子どもたち
 1 銃後の子どもたち
 2 納豆を売る子どもたち
 3 「無邪気」と銃後の空気

第6章 妻そして母たちの銃後
 1 「母」という役割
 2 「軍国の妻/母」の姿
 3 『日本の母』と文学者たちの動員――日本文学報国会

第7章 モダンガールと少女たちの銃後
 1 街頭という銃後――千人針を縫う女たち
 2 献金する「街頭」の女たち
 3 「お兄様」への手紙――少女たちと兵士のラブレター

第8章 もう一つの銃後
 1 対照的な話群
 2 銃後の犯罪例集
 3 銃後美談の合わせ鏡
 4 善意と悪意のはざま

終章 動員と「弱さ」をめぐって
 1 善意の「中間集団全体主義」
 2 「弱さ」をすりつぶす動員
 3 「動員」のなかで

巻末資料 銃後美談関連図書一覧

参考文献一覧

参考資料一覧

あとがき

索引

版元から一言

満洲事変から日中戦争へと続く戦時下の日常=銃後では、プロパガンダを意図した美談が様々な団体によって作られ、新聞や雑誌は「愛国の物語」にあふれていた。

万歳三唱のなか出征する兵士、残された子を養う隣人、納豆を売って献金する子ども、夫の戦死を誇る妻、戦地の兵士を「お兄様」と呼び武運を祈る少女――。

赤誠・献身・愛国・義心など、銃後美談にこびりつく戦意高揚や動員の言葉を慎重にはぎ取り、戦時下に漂う「空気」を示す記録・資料として美談を読み替える。そして、銃後美談から、総力戦下の矛盾や人々の困難、善意という暴力、戦争のリアリティーを浮き彫りにする。

著者プロフィール

重信 幸彦  (シゲノブ ユキヒコ)  (

1959年、東京都生まれ。専攻は民俗学、口承文芸学、近代都市生活文化研究。慶應義塾大学文学部卒業、筑波大学大学院博士課程歴史人類学研究科単位取得退学。著書に『〈お話〉と家庭の近代』(久山社)、『タクシー/モダン東京民俗誌』(日本エディタースクール出版部)、共著に『市民の日本語へ――対話のためのコミュニケーションモデルを作る』(ひつじ書房)、『タクシードライバーの言い分――運転席からの人権宣言』(JICC出版局)、共編著に『民俗表象の現在――博物館型研究統合の視座から』(岩田書院)、『たったひとりのメディアが走った――「タクシージャーナル」三十三年の奮闘記』(現代書館)など。

上記内容は本書刊行時のものです。