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一九六四年東京オリンピックは何を生んだのか 石坂 友司(編著) - 青弓社
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一九六四年東京オリンピックは何を生んだのか

発行:青弓社
A5判
縦210mm 横148mm 厚さ15mm
重さ 367g
256ページ
並製
定価 2,800円+税
ISBN
978-4-7872-2080-6
Cコード
C0021
一般 単行本 日本歴史
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2018年12月21日
書店発売日
登録日
2018年11月19日
最終更新日
2019年1月24日
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紹介

高度経済成長と重ね合わせて、強烈なまでの成功神話として記憶される1964年のオリンピックを、スポーツ界と都市という2つの視点から読み解き、語られない実態を浮き彫りにする。64年大会の遺産=レガシーに正面から対峙して、インパクトを冷静に見定める。

目次

序 章 なぜいま一九六四年東京オリンピックを問うのか 石坂友司/松林秀樹
 1 六四年大会と現在
 2 本書の構成――六四年大会は成功したのか

第1部 オリンピックの熱狂と内実――オリンピック至上主義の誕生と大衆化の行方

第1章 成功神話の内実と記録映画がもたらす集合的記憶 石坂友司
 1 準備期での六四年大会の混乱
 2 六四年大会に対する評価
 3 大会を人々はどのように記憶したのか
 4 オリンピックはどこまでナショナリズムを高めたのか
 5 記録映画に込められた意図

第2章 情報社会化のなかの東京オリンピック――都市、情報、身体 新倉貴仁
 1 都市、光学、情報
 2 東京オリンピックと日本IBM
 3 リアルタイムの社会
 4 身体の計測と効率化
 5 スポーツと情報の交錯――現代都市での生

第3章 女性スポーツの大衆化――東洋の魔女からママさんバレーへ 高岡治子
 1 ママさんバレー誕生の時代背景
 2 東洋の魔女からママさんバレーへ
 3 ママさんバレーの構造

第4章 根性論の系譜学――六四年東京オリンピックはスポーツ根性論を生んだのか? 下竹亮志
 1 スポーツ界の根性論
 2 学術界の根性論
 3 経済界の根性論

第5章 パラリンピックの開催――東京パラリンピックが生んだもの 渡 正
 1 個人のレベルから見たパラリンピック
 2 公的な言説でのパラリンピックの価値
 3 パラリンピック批判――メディアのレベル

第6章 背中合わせのオリンピックと地域スポーツ 尾崎正峰
 1 人々のスポーツ活動の胎動と終息
 2 オリンピック東京大会と地域スポーツ振興の隘路
 3 スポーツ振興施策の地域的展開――「三鷹方式」の創出とその背景

第2部 都市の改編とインパクト

第7章 オリンピックで見上げた空はなぜ青かったのか――メガイベントの隠れた効用とその両義性 町村敬志
 1 六四年大会の都市的意味
 2 「急がされた」オリンピック――一九八八年ソウル大会との比較から
 3 どこに「空地」を見つけるか――「脱軍都」「脱皇都」から「再ナショナル化」へ 
 4 周辺へとにじみ出す東京――首都圏形成とオリンピック
 5 メガイベントの隠された効用とその両義性――二〇年大会は何をもたらすのか

第8章 オリンピックに向けた道路整備――六四年大会が残したもの 松林秀樹
 1 道路網の整備過程――首都高速の建設
 2 東京圏の高速道路網の拡大――三環状九放射
 3 高速交通網の弊害――東京にもたらされたもの
 4 東京の道路問題の現代への「接続」

第9章 なにが革新都政を誕生させたのか 丸山真央
 1 世論調査の二次分析による現代史の再検証
 2 階級対立?
 3 革新統一の成果?
 4 なにが争点だったのか?
 5 イメージ選挙?

第10章 大阪万国博覧会と地域整備――万博関連事業の成立と展開 高岡裕之
 1 万博会場の決定経緯
 2 万博関連事業と近畿圏整備
 3 万博関連事業の実施

第11章 警告する新潟地震――オリンピックを介した二つの「破壊」 水出幸輝
 1 “テレビ地震”の衝撃
 2 「復興の灯」としての聖火
 3 「被災地」不在のオリンピック
 4 オリンピックに沸く心性

あとがき 石坂友司/松林秀樹

版元から一言

高度経済成長と重ね合わせて、強烈なまでの成功神話として記憶される1964年のオリンピックだが、はたして成功に満ちあふれていたのだろうか。64年大会の遺産は日本をどう変えていったのだろうか。

本書では、スポーツ界と都市という2つの視点から、成功神話の陰にある語られない実態に迫る。第1部では、スポーツの情報化、指導者と根性論、女性スポーツの大衆化など、スポーツ界への影響の大きさを史料から掘り起こす。第2部では、メガイベントが作り出した道路整備とその影響、都政との関係性、大阪万博や新潟震災から見る東京など、インフラや政治、地方格差の問題を検証する。

2020年大会への過剰な期待や歓迎ムードとは距離を置き、ネガティブなものも含めて64年大会の遺産に正面から対峙して、インパクトを冷静に見定める。

著者プロフィール

石坂 友司  (イシザカ ユウジ)  (編著

1976年、北海道生まれ。奈良女子大学研究院生活環境科学系准教授。専攻はスポーツ社会学、歴史社会学。著書に『現代オリンピックの発展と危機1940-2020』(人文書院)、共編著に『〈オリンピックの遺産〉の社会学』『〈ニッポン〉のオリンピック』(ともに青弓社)、『オリンピックが生み出す愛国心』(かもがわ出版)、論文に「東京オリンピックと高度成長の時代」(「年報・日本現代史」第14号)など。

松林 秀樹  (マツバヤシ ヒデキ)  (編著

1975年、山形県生まれ。平成国際大学スポーツ健康学部准教授。専攻は都市社会学、スポーツ社会学。共編著に『〈オリンピックの遺産〉の社会学』(青弓社)、共著に『東京大都市圏の空間形成とコミュニティ』(古今書院)、『開発の時間 開発の空間』(東京大学出版会)、論文に「交通網整備からみる都市構造の変遷」(「日本都市社会学会年報」第22号)など。

上記内容は本書刊行時のものです。