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観音像とは何か 君島 彩子(著) - 青弓社
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観音像とは何か (カンノンゾウトハナニカ) 平和モニュメントの近・現代 (ヘイワモニュメントノキンゲンダイ)

社会一般
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発行:青弓社
A5判
縦210mm 横148mm 厚さ19mm
重さ 425g
236ページ
並製
定価 2,400円+税
ISBN
978-4-7872-1056-2   COPY
ISBN 13
9784787210562   COPY
ISBN 10h
4-7872-1056-4   COPY
ISBN 10
4787210564   COPY
出版者記号
7872   COPY
Cコード
C0014  
0:一般 0:単行本 14:宗教
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2021年10月27日
書店発売日
登録日
2021年8月11日
最終更新日
2022年6月30日
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紹介

興亜、戦争死者慰霊、ランドマーク、地域振興――。戦争や社会状況、人々の信仰や思いを背景に時代ごとに性格を変えながらも、平和の象徴として共通認識されることでモニュメントとして独自の発展を遂げた観音像の近・現代史を描く。貴重な写真を多数所収。

目次

はじめに――なぜ「平和観音」なのか

第1章 近代彫刻史のなかの観音像
 1 「近代彫刻」と「彫刻史」の成立
 2 近代彫刻としての観音像の造形
 3 新しい時代に求められた白衣観音
 4 美術作品としての観音像の広がり
 5 美術的価値観を反映した観音像

第2章 戦時下の観音像と怨親平等
 1 戦争の時代に求められた観音像
 2 近代常滑とモニュメント
 3 興亜観音の誕生
 4 怨親平等と観音信仰
 5 アジア太平洋戦争末期から敗戦へ
 6 興亜観音の終焉

第3章 平和観音の流行
 1 興亜の時代から平和の時代へ
 2 「平和観音讃仰歌」と平和観音会
 3 世田谷と知覧の特攻平和観音
 4 戦死者慰霊の観音像の特徴
 5 平和観音の定着

第4章 平和のモニュメントとしての観音像
 1 戦災犠牲者の慰霊と敗戦からの復興を願う
 2 原爆犠牲者の慰霊と観音像
 3 巨大化する平和観音
 4 「観音」のイメージを反映したモニュメント
 5 観音が具有する「平和」のイメージ

第5章 巨大化する観音像と「平和」のイメージ
 1 研究対象としての大観音像
 2 大観音像のプロトタイプ、高崎白衣大観音
 3 戦争死者慰霊と大観音像
 4 大観音像の存続に不可欠なもの
 5 「平和」のイメージから戦争死者慰霊へ

第6章 平和観音から生まれた平和活動
 1 観音像はどのように平和活動に関わるのか
 2 共生(ルビ:ともいき)思想を具体化した平和観音
 3 平和観音寄贈活動と協力者
 4 大阪万博と平和祈念施設の建設
 5 理想世界の中心に立つ観音像
 6 超越的な平和の象徴へ

第7章 仏教を超えた平和の象徴としての観音像
 1 怨親平等の戦後
 2 平和観音と戦後の怨親平等
 3 キリスト教を意識した造形の観音像
 4 マリア観音による怨親平等の慰霊
 5 仏教を超越した「平和の象徴」へ

おわりに――現代の観音像へ

あとがき


【お詫びと訂正1】
本書の第5章の注番号に誤りがありました。
162ページの注番号(42)が不要でした。校正時の確認不足で誠に申し訳ありません。
162ページの注番号(42)を削除して、現在の(43)以降を1つずつ少なくしたものが正しい注番号です。
なお、165ページから始まる注はすべて正しく、(42)を削除して番号をずらせば注と注番号も合致します。
読者のみなさまにご迷惑をおかけしたことを、心からお詫びします。

君島彩子/青弓社編集部 2021年11月5日

【お詫びと訂正2】
本書の151ページから153ページで取り上げている霊山観音の内容に関して、橘尚彦様からご指摘をいただきました。上記の箇所は橘様の下記の論文を参考に、著者自身も調査を重ねて執筆しましたが、橘様の論文を参照したことを示す注が足りていませんでした。

橘尚彦「京都忠霊塔と霊山観音――東山・霊山山麓における戦死者祭祀をめぐって」、京都民俗学会編「京都民俗」第28号、京都民俗学会、2011年

つきましては、以下のように訂正します。

[訂正内容]
151ページ:後ろから4行目以降の文章に注番号を追加。
京都市東山区に建立された霊山観音は、京都忠霊塔の関連施設を取り込んで戦後に建立された大観音像である(注24)(図76)。【以下の注番号がずれる】

167ページ:注(23)のあとに、以下の注(24)を新たに挿入。
(24)ここで取り上げる霊山観音については、橘尚彦の研究を適宜参照した。詳しくは、前掲「京都忠霊塔と霊山観音」を参照。

読者のみなさまと橘様に多大なご迷惑をおかけしたことを、心からお詫び申し上げます。

君島彩子/青弓社編集部 2022年6月30日

版元から一言

観音像はいかに平和を象徴する存在として広く認識されるようになったのか。近代以降に美術概念の影響を受け制作されるようになった観音像は、寺院や墓地のように従来から仏像が設置されてきた空間だけではなく、公園などの公共空間にもモニュメントとして建立された。戦前から戦時期には興亜や戦死者慰霊の観音像が多く建立され、大東亜共栄圏を象徴するモニュメントという時代性も背負うことになった。

戦後、戦争死者の慰霊や地域の復興などを目的に、観音像は平和を象徴するモニュメントに姿を変えていき、ランドマークとなる巨大な観音像も作られていった。また、平和観音の寄贈活動、硫黄島やレイテ島に建立されたマリア観音など、ほかの尊格の仏像とは異なるユニークな活動もみられるようになった。

戦争や社会状況、人々の信仰や思いを背景に時代ごとに性格を変えながらも、平和の象徴として共通認識されることでモニュメントとして独自の発展を遂げた観音像の近・現代史を描き出す。

著者プロフィール

君島 彩子  (キミシマ アヤコ)  (

1980年、東京都生まれ。総合研究大学院大学文化科学研究科博士後期課程修了。博士(学術)。日本学術振興会特別研究員。物質宗教論、宗教美術史を専門とする。共著に『万博学――万国博覧会という、世界を把握する方法』(思文閣出版)、学位論文に「平和祈念信仰における観音像の研究」(第15回国際宗教研究所賞・奨励賞受賞)、論文に「平和モニュメントと観音像――長崎市平和公園内の彫像における信仰と形象」(「宗教と社会」第24号)、「現代の「マリア観音」と戦争死者慰霊――硫黄島、レイテ島、グアム島、サイパン島の事例から」(中外日報社、第15回涙骨賞受賞)など。

上記内容は本書刊行時のものです。