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苦学と立身と図書館 伊東 達也(著) - 青弓社
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苦学と立身と図書館 パブリック・ライブラリーと近代日本

発行:青弓社
四六判
縦188mm 横128mm 厚さ18mm
重さ 276g
264ページ
並製
定価 2,600円+税
ISBN
978-4-7872-0074-7
Cコード
C0000
一般 単行本 総記
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2020年10月26日
書店発売日
登録日
2020年7月29日
最終更新日
2020年10月28日
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紹介

明治初期の唯一の無料公開図書館・東京書籍館の設置と展開をたどり、音読の禁止を背景に弁護士・医師・教員の資格試験の勉強空間として図書館を使う若者が増えた歴史を掘り起こす。さらに、独学と立身出世の関係を読み解き、学歴社会への階層移行も描出する。

目次

序 章 “public library”と日本の図書館
 1 日本の「公共図書館」は“public library”か
 2 問題の所在
 3 先行研究の検討と本書の意義
 4 本書の構成

第1章 日本的図書館観の原型
 1 福岡藩の庶民文庫の発展
 2 近代図書館としての福岡図書館の成立

第2章 パブリック・ライブラリーを日本に
 1 日本初のパブリック・ライブラリー東京書籍館の誕生とそのゆくえ
 2 田中不二麿の図書館観の特徴とその起源

第3章 東京遊学と図書館の発見
 1 上京遊学と図書館
 2 職業資格試験による学習需要の発生
 3 職業資格試験受験者による図書館利用
 4 図書館政策の変化と利用の変化
 5 上京遊学者による図書館の発見

第4章 読書装置としての貸本屋と図書館
 1 新式貸本屋の出現
 2 新式貸本屋の特徴
 3 新式貸本屋の利用状況
 4 貸本屋と図書館の共存
 5 図書館での音読禁止

第5章 苦学と立身と図書館
 1 雑誌「成功」と図書館
 2 「成功」の成功思想
 3 学歴獲得競争への参入
 4 苦学の変化と「図書館勉強」の成立
 5 地方改良運動の影響
 6 独学の変化と図書館

第6章 勉強空間としての図書館の成立
 1 「遊学」から「受験」へ
 2 閲覧室という勉強空間の誕生

おわりに――なぜ日本の図書館は学生が多く利用するようになったのか

版元から一言

いまでこそ「自習」する場所として活用されているが、公共図書館はいつ・どのようにして勉強・独学の空間になったのか。明治期からの近代化のなかで、勉学の情熱を抱えた青年・女性たちに果たした図書館の役割とは何だったのか。

明治初期の唯一の無料公開図書館である東京書籍館の成立と展開をたどる。そして、音読の禁止を背景にして、弁護士・医師・教員の資格試験の勉強空間として図書館を使う利用者が増えたことを掘り起こす。一方で、図書館での独学を軽んじる社会的な風潮もあり、そういった独学をしていた専門学校や社会人経験を経た大学入学者に対して差別があった事実も指摘する。

加えて、雑誌「成功」から当時の社会的な成功のあり方、独学と立身出世の関係を読み解き、学歴社会への移行も描出する。

これまで正面から取り上げられてこなかった「図書館と勉強」をめぐる独特な文化を掘り下げて、近代日本の風俗や社会的な感性も浮き彫りにする。

著者プロフィール

伊東 達也  (イトウ タツヤ)  (

1965年、福岡県生まれ。九州大学大学院人間環境学府教育システム専攻博士課程単位取得退学。博士(教育学)。山口大学人文学部講師。専攻は図書館学、日本教育史。共著に『読書と図書館』(青弓社)、論文に「明治期の「苦学」の変化の図書館論への影響――雑誌『成功』を中心として」(「図書館文化史研究」第32号)、「学制施行期の書籍館政策について――“free public library”としての東京書籍館の成立をめぐって」(「日本図書館情報学会誌」第59巻第4号)など。

上記内容は本書刊行時のものです。