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小さな惣菜チェーンの社長さんが「募集費1/2 採用数2倍」でやったこと 川名 勝経(著) - 商業界
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小さな惣菜チェーンの社長さんが「募集費1/2 採用数2倍」でやったこと (チイサナソウザイチェーンノ シャチョウサンガ ボシュウヒニブンノイチ サイヨウスウニバイデ ヤッタコト)

ビジネス
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発行:商業界
四六判
224ページ
並製
定価 1,500円+税
ISBN
978-4-7855-0555-4   COPY
ISBN 13
9784785505554   COPY
ISBN 10h
4-7855-0555-9   COPY
ISBN 10
4785505559   COPY
出版者記号
7855   COPY
Cコード
C0063  
0:一般 0:単行本 63:商業
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2019年10月5日
書店発売日
登録日
2019年8月27日
最終更新日
2019年10月2日
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紹介

はなまるフードサービスは、首都圏を中心に惣菜・弁当の製造販売店16店と飲食店2店舗を展開している企業です。SCやエキナカへの出店により、2014年度以降売上げが2倍増と、急成長を続けています。
 ですが、はなまるは順風満帆で来たわけではありません。多くの中小フードビジネス企業が頭を抱えている「人の問題」が大きく立ちはだかりました。
店をオープンしても、当日まで働く人を手当てできず、「このまま人を集められなければ会社は潰れてしまう」といった窮地に追い込まれました。人材不足を乗り切ろうと既存の社員に負担をかけたせいで離職を招くといった悪循環に陥ることになります。
危機感を募らせたはなまるは、リクルート活動に真剣に取り組みました。募集から、面接、試験、採用、教育まで、人材に困らない体制づくりに邁進したのです。その結果、募集費は従来の2分の1に削減でき、逆に年間採用数は2倍増となりました。
本書は、はなまるの実際の募集・採用の取り組みに焦点を当てるとともに、その背景となった著者自身の経営理念の遷移も取り上げています。
貧しい家庭に育った著者は、お金を稼ぐためがむしゃらに働きますが、その姿勢に疑問を感じたことをきっかけに、経営の目的が、お金儲けから利益追求へ、利益追求から顧客満足へ、そして顧客満足(CS)から従業員満足(ES)へと変わり、それが「人の問題」を解決することにもつながったのです。
「人の問題」に悩む企業にお読みいただきたい一冊です。

目次

第1章 人集めの大失敗
第2章 募集費削減、応募者激増
第3章 「店はお客さまの為にある」
第4章 年商16億円の惣菜ビジネス
第5章 人材を「人財」にする
第6章 「共育」のすすめ

前書きなど

はなまるフードサービスは、首都圏を中心に惣菜・弁当の製造販売店16店舗と、飲食店2店舗を展開しています。創業は1996年、川崎市に「惣菜屋はなまる生田駅前店」を開店したのが始まりで、06年には念願のショッピングセンターに店を構え、13年には、みなとみらいの「MARK IS(マークイズ)」の開業に合わせて出店しました。それ以降は駅ビルを中心に毎年店を出し続け、事業を拡大している真っ最中です。当面は50店舗、売上50億円を目標にして、店舗運営に磨きをかけていく計画です。
私たちが今、こうして店数を順調に増やし続けられるのも、人材獲得に関して、ある一定のノウハウを身につけているからに他なりません。つい最近まで経営者の悩みは90%が資金繰りでした。今は90%が人材不足です。
かく言う私も、募集費300万円をかけて集まったのはダブルワークの学生1名という失敗を過去にしています。新規出店に伴い毎年2000万円の募集費をかけても人材を集められず、店が開けるのかどうか危機的な状況も経験しています。そのあげく、人材不足を乗り切ろうと既存の社員に負担をかけたせいで離職を招くといった悪循環にもはまりました。
このまま人を集められなければ会社は潰れてしまう。
危機感を募らせた私たちはリクルート活動に真剣に取り組みました。募集から、面接、試験、採用、教育まで、人材に困らない体制づくりに邁進したのです。その結果、今では店を任せられる優秀な店長を続々と誕生させるに至っています。
募集費は従来の2分の1に削減でき、逆に年間採用数は2倍増となりました。商業施設からの出店要請に対しても、何とか慌てずに開店できるような体制を整えています。
私は、これらの実践を通して得た、応募者を増やす方法や初期教育のプログラム、社員が自ら考え、自ら行動する仕組みづくりなど、他の多くの経営者と共有できたらと願って筆を執りました。
 もう一つ本書を通じて訴えたかったことは、私自身の仕事の目的と、その変遷です。40年間のほとんどを「経営者」として過ごした私は、過去に幾つかの失敗を経験しています。私自身の労働観や人生観が経営者として不十分だったのではないかと今では反省しています。
 本書に詳しく記していますが、私は貧しい家庭に育ったせいか、20代の頃は経営の目的をお金儲けと捉えていました。ところが、経営者として社員を雇用すると、事業として利益を出し続けることの重要性を学びます。
「がんばろう、がんばった分だけ給料を出すから」と社員にはっぱをかけました。
 最初は目を輝かせた社員も、やがてみんな辞めてしまいます。誰も私に付いてこないのです。そんな矢先に、ある事件が起こるのです。私は利益だけを追求する経営に疑問を感じ始めます。 
 悶々とした日々を送っていた私は、たまたま出席したセミナーで「店はお客さまの為にある」とする経営哲学に出会います。至極真っ当な言葉に聞こえるかもしれませんが、当時の私は、商売の目的はお金儲けのためや、利益追求のためと信じていたので、大変な衝撃を受けたのです。ただ涙が止まらなかったことを憶えています。
「そうか、自身の仕事は、お客さまの為にあるんだ」
 その翌年(96年)に、はなまるフードサービスを設立して、生まれ故郷の川崎市に1号店を出店します。
 私の人生における仕事の目的は、お金儲けから利益追求へ、利益追求から顧客満足へ、そして現在は、顧客満足(CS)から従業員満足(ES)へと変わり続けたのです。先ほどの「店はお客さまの為にある」は、倉本長治先生の言葉ですが、実はこの言葉の続きとして「店はお客さまの為にあり、店員とともに栄える」と記されているのです。
 これからも、正しい理念のもと、正しい商売をしている「誇り」、企業一家として「連帯感」、自己成長を感じられる「やりがい」を社員と共有し、お客さまに「楽しみと喜びと感動を与える」企業になれるように社員と共に成長していきたいと願っています。
本書は、亀のようにゆっくりではありますが、「人財」を軸に成長を遂げてきた、はなまるフードサービスの戦略とその実践を、読者のみなさまと共有できれば幸いです。
                                            川名勝経

著者プロフィール

川名 勝経  (カワナ カツノリ)  (

1959年2月、神奈川県川崎市生まれ。20歳で焼鳥屋を起業したが、営業不振で閉店。借金返済のため大学を中退し、数々の飲食店で働きながら、外食産業の経営を学ぶ。87年、オーナーから営業不振のレストランを買い上げ、再び経営を担う。95年、商業界主催の商業界ゼミナールに参加。倉本長治先生の「店はお客さまのためにある」の理念に出合う。96年、中食産業に進出するため、㈱はなまるフードサービスを設立。惣菜屋「はなまる」1号店を神奈川県川崎市で開業。同年、産業能率大学情報経営学科(通信過程)に入学。2013年、はなまるダイニングセレクトの業態開発により、駅ビルを中心に首都圏への出店攻勢が始まる。18年、中小企業診断士の登録を経て、㈱横浜マネジメントコンサルティングJPSを設立。
現在、惣菜専門店16店、飲食店2店を経営する傍ら、外食・中食の専門コンサルタントとして、売上拡大、原価低減、資金繰りなどの指導で全国を飛び回る。公的機関を中心に、「人の問題」をテーマとする講演活動を精力的に行う

上記内容は本書刊行時のものです。