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陸上植物の形態と進化 長谷部 光泰(著/文) - 裳華房
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陸上植物の形態と進化 (リクジョウショクブツノケイタイトシンカ)

自然科学
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発行:裳華房
A5判
縦210mm 横148mm 厚さ18mm
重さ 561g
304ページ
定価 4,000円+税
ISBN
978-4-7853-5871-6   COPY
ISBN 13
9784785358716   COPY
ISBN 10h
4-7853-5871-8   COPY
ISBN 10
4785358718   COPY
出版者記号
7853   COPY
Cコード
C3045  
3:専門 0:単行本 45:生物学
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2020年7月1日
書店発売日
登録日
2020年5月22日
最終更新日
2020年6月9日
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紹介

 陸上植物の代表的な群でのゲノム解析が進展し、それらの比較から、陸上植物の四群(種子植物、シダ植物、小葉植物、コケ植物)では、それぞれ発生様式とその遺伝子制御ネットワークが大きく異なっていることがわかってきた。
 本書ではこれらの成果をもとに、植物進化の新しい体系の構築を試みた。現生植物のゲノム生物学、細胞生物学、発生学、形態学の知見に古生物学の知見を融合し、陸上植物全体について包括的に形態と進化を議論した、世界に類を見ない教科書と言える。

目次

1.植物と陸上植物の定義
 1.1 葉緑体を一次共生としてもつ一次植物は単系統の可能性が高い
 1.2 二次植物は単系統群ではない
 1.3 「植物」の使い方
 1.4 陸上植物

2.膈膜形成体植物
 2.1 体の先端に幹細胞を形成するしくみの進化
 2.2 成長途中で新しい幹細胞を作るしくみ
 2.3 膈膜形成体を介した細胞質分裂の進化
 2.4 表層微小管による細胞伸長制御
 2.5 中心体の消失と前期前微小管束による細胞分裂面制御機構の進化
 2.6 潜性前期前微小管束の位置はどのように決まるのか
 2.7 先端成長する糸状吸収組織
 2.8 疎水性細胞外生体高分子-1:スポロポレニン

3.陸上植物の多様性:ヒメツリガネゴケとシロイヌナズナの比較
 3.1 陸上植物の生活史
 3.2 胞子から原糸体:胞子の最初の分裂で幹細胞を作る
 3.3 原糸体の枝分かれ:発生の途中で分化細胞から新しい幹細胞を作る
 3.4 クロロネマからカウロネマへの転換:幹細胞の性質の変化
 3.5 茎葉体の形成:糸状の体から茎葉構造への転換
 3.6 茎葉体頂端幹細胞の形成
 3.7 茎葉体頂端幹細胞から葉頂端幹細胞がくり返し作られ葉序ができる
 3.8 葉は1つの葉頂端幹細胞に起源する
 3.9 分泌毛
 3.10 仮 根
 3.11 茎葉体頂端幹細胞が造精器頂端幹細胞に変化する
 3.12 造卵器は造卵器頂端幹細胞から形成される
 3.13 受精卵の最初の分裂で胞子体幹細胞ができる
 3.14 被子植物の配偶体世代
 3.15 被子植物の胞子体世代:胚発生
 3.16 被子植物の胞子体世代:根
 3.17 被子植物の胞子体世代:栄養シュートの葉序
 3.18 被子植物の胞子体世代:葉
 3.19 被子植物の胞子体世代:生殖シュート,花,種

4.陸上植物の系統と共通祖先の形態
 4.1 現生陸上植物の系統関係
 4.2 前維管束植物が陸上植物の共通祖先の可能性がある
 4.3 陸上植物の共通祖先を知る方法

5.膈膜形成体緑藻類から陸上植物への進化
 5.1 多細胞胞子体の獲得
 5.2 胞子や受精卵から幹細胞ができるまでに多細胞体を形成する
 5.3 前の分裂面と交わるような分裂をする頂端幹細胞
 5.4 外界に接しない細胞を作る分裂:体の内側と外側を分ける分裂
 5.5 表皮細胞
 5.6 疎水性細胞外生体高分子-2:クチクラ
 5.7 気孔
 5.8 造精器と造卵器
 5.9 受精卵と若い胞子体が親植物体の中で成長する
 5.10 原形質連絡による細胞間コミュニケーション
 5.11 細胞死による水通導細胞形成
 5.12 栄養輸送細胞を形成する
 5.13 胞子嚢の進化
 5.14 二叉分枝

6.コケ植物の進化
 6.1 コケ植物の共有派生形質-1:胞子体の退縮と配偶体への半寄生
 6.2 コケ植物の共有派生形質-2:胞子嚢内で胞子とともに弾糸を形成する
 6.3 コケ植物の共有派生形質-3:介在分裂組織
 6.4 ツノゴケ類の共有派生形質
 6.5 セン類とタイ類の共有派生形質
 6.6 タイ類の共有派生形質
 6.7 セン類の共有派生形質

7.維管束植物の進化
 7.1 疎水性細胞外生体高分子-3:クチン,スベリン,リグニン
 7.2 カスパリー線
 7.3 水通導組織の細胞壁が二次肥厚し仮導管が進化
 7.4 数細胞からできる胞子嚢の進化

8.小葉植物への進化
 8.1 茎の一次木部が心原型原生中心柱から外原型原生中心柱へ進化
 8.2 複数の幹細胞をもつ茎頂と根端分裂組織
 8.3 小葉
 8.4 小葉の向軸側に胞子嚢形成
 8.5 アステロキシロンと小葉植物での中心柱の変化
 8.6 根の進化
 8.7 配偶体の縮小
 8.8 現生ヒカゲノカズラ類の共有派生形質:地中性配偶体
 8.9 単軸分枝
 8.10 小舌
 8.11 異形胞子性
 8.12 イワヒバ類の共有派生形質:単細胞性頂端幹細胞,トラベキュラ,担根体
 8.13 リンボク類とミズニラ類の共有派生形質:維管束形成層,空隙のある根
 8.14 リンボク類の共有派生形質:皮層が分裂肥大する茎,リゾモルフ
 8.15 ミズニラ類の共有派生形質:特殊な内部構造の球茎,ベルム,トラベキュラ

9.シダ植物と木質植物の共通祖先の進化
 9.1 無限成長する主軸と有限成長し螺旋配列する側軸の分化
 9.2 枝から葉への進化:現代的なテローム説
 9.3 流用co-option,新生de novo進化,モジュール
 9.4 トリメロフィトン類の中に茎が太くなり維管束が腕状に伸び出すものが進化した
 9.5 シダ植物の祖先で原生木部が首飾り様に配列
 9.6 木質植物の祖先で両面維管束形成層が進化
 9.7 根の起源

10.シダ植物
 10.1 トクサ類
 10.2 薄嚢シダ類,リュウビンタイ類,ハナヤスリ類,マツバラン類の共通祖先
 10.3 薄嚢シダ類
 10.4 リュウビンタイ類,ハナヤスリ類,マツバラン類の共通祖先
 10.5 リュウビンタイ類
 10.6 ハナヤスリ類とマツバラン類の共有派生形質
 10.7 ハナヤスリ類
 10.8 マツバラン類

11.木質植物
 11.1 複数幹細胞をもつ茎頂分裂組織と根端分裂組織
 11.2 両面維管束形成層
 11.3 葉の進化

12.前裸子植物
 12.1 中心柱の進化
 12.2 異形胞子性

13.シダ種子類
 13.1 腋芽,複葉
 13.2 異形葉性
 13.3 花粉と胚珠の進化:イチョウの花粉と胚珠
 13.4 胚珠とキュピュール
 13.5 雌性胞子が胞子体から散布されず雌性配偶体が胞子体に寄生する
 13.6 雄性配偶体の細胞数の減数

14.現生種子植物の共通祖先
 14.1 内原型真正中心柱の進化
 14.2 雄性胞子の発芽口が近位から遠位方向に変わる
 14.3 花粉管
 14.4 雌性胞子が遊離核分裂後に細胞化して雌性配偶体を形成する

15.現生裸子植物への進化
 15.1 針葉樹類
 15.2 イチョウ類
 15.3 ソテツ類

16.被子植物の進化
 16.1 被子植物の祖先裸子植物
 16.2 高次網状脈系の進化
 16.3 茎頂に2細胞層以上の外衣層
 16.4 花形成のしくみ
 16.5 花器官形成遺伝子の進化
 16.6 2胞子嚢を2組もつ雄性胞子葉(雄蕊)
 16.7 心皮の獲得
 16.8 外珠皮の進化
 16.9 花粉管受精と倒生胚珠

著者プロフィール

長谷部 光泰  (ハセベ ミツヤス)  (著/文

基礎生物学研究所教授、博士(理学)。1963年 千葉県に生まれる。東京大学理学部卒業、東京大学大学院理学系研究科博士課程中退。東京大学助手、基礎生物学研究所助教授などを経て現職。主な著書・訳書に『進化の謎をゲノムで解く』(学研プラス)、『植物の百科事典』(共編、朝倉書店)、ギフォード&フォスター著『維管束植物の形態と進化』(共訳、文一総合出版)などがある。

上記内容は本書刊行時のものです。