版元ドットコム

探せる、使える、本の情報

文芸 新書 社会一般 資格・試験 ビジネス スポーツ・健康 趣味・実用 ゲーム 芸能・タレント テレビ・映画化 芸術 哲学・宗教 歴史・地理 社会科学 教育 自然科学 医学 工業・工学 コンピュータ 語学・辞事典 学参 児童図書 ヤングアダルト 全集 文庫 コミック文庫 コミックス(欠番扱) コミックス(雑誌扱) コミックス(書籍) コミックス(廉価版) ムック 雑誌 増刊 別冊
独立栄養微生物によるCO2資源化技術 新井博之(監修) - シーエムシー出版
..
【利用不可】

独立栄養微生物によるCO2資源化技術 (ドクリツエイヨウビセイブツニヨルシーオーツーシゲンカギジュツ)

このエントリーをはてなブックマークに追加
B5判
232ページ
定価 61,000円+税
ISBN
978-4-7813-1756-4   COPY
ISBN 13
9784781317564   COPY
ISBN 10h
4-7813-1756-1   COPY
ISBN 10
4781317561   COPY
出版者記号
7813   COPY
Cコード
C3045  
3:専門 0:単行本 45:生物学
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2023年12月13日
書店発売日
登録日
2023年12月6日
最終更新日
2023年12月8日
このエントリーをはてなブックマークに追加

紹介

炭素源として有機物を必要とせず、二酸化炭素(CO2)を唯一の炭素源として生育可能な「独立栄養微生物」の培養法・保存法、地球温暖化対策となる独立栄養微生物を用いたCO2削減・有効利用技術についてまとめた1冊。

目次

【第I編 総論】
第1章 独立栄養細菌の炭酸固定経路と基本的性質
1 はじめに
2 炭酸固定経路
 2.1 Calvin回路
 2.2 還元的TCA回路
 2.3 Wood-Ljungdahl(WL)経路
 2.4 3-Hydroxypropionate(3HP)回路
 2.5 3HP/4HB回路
 2.6 DC/4HB回路
 2.7 還元的Gly経路
3 炭酸固定経路の比較
4 独立栄養細菌における炭酸固定代謝

第2章 独立栄養微生物の培養・保存法
1 独立栄養微生物
2 独立栄養微生物の培養
 2.1 培地
 2.2 基質
3 独立栄養微生物の保存
 3.1 保存方法
 3.2 凍結保存法
4 カルチャーコレクションによる分譲

第3章 メタン生成菌・水素細菌・藍藻などで利用されている遺伝子操作の方法論
1 メタン生成アーキアにおける遺伝子操作系
2 水素細菌における遺伝子操作系
3 シアノバクテリアにおける遺伝子操作系

第4章 合成生物学による新規独立栄養生物・炭酸固定経路の創出
1 はじめに
2 独立栄養生物の創出
 2.1 独立栄養生物創出の意義と必要条件
 2.2 CO2資化能の付与
 2.3 ギ酸やメタノールの資化能の付与
 2.4 実験室進化実験と独立栄養生物創出
3 非天然型炭酸固定経路の創出
 3.1 物質生産系としての炭酸固定経路の適性評価
 3.2 非天然型炭酸固定経路のin silico設計
 3.3 非天然型炭酸固定経路のin vitro構築:CETCH回路
 3.4 その他の炭酸固定経路の構築
4 終わりに

第5章 微生物代謝によるCO2固定化量の評価
1 CO2固定化量の評価
2 全有機体炭素計
3 TOCによるCO2固定化量の分析事例

【第II編 CO2資源化技術】
第1章 水素細菌マイクロコンパートメントによるCO2の濃縮・固定機構
1 はじめに
2 Hydrogenovibrio marinus MH-110のRubisCO遺伝子群
3 H. marinus MH-110のCO2応答と3つのRubisCOの役割分担
4 RubisCO遺伝子の転写調節因子
5 物質生産への応用可能性

第2章 水素酸化細菌による生分解性ポリエステル生産
1 はじめに
2 ポリヒドロキシアルカン酸(PHA)
3 代表的なPHAとその生合成経路
4 天然微生物が生産するPHAの材料特性
5 遺伝子組換え技術を用いた高性能PHAの開発
 5.1 Scl/mclハイブリッドPHA
 5.2 中鎖長ホモPHA
 5.3 α位にメチル基側鎖を有するPHA
6 水素酸化細菌を用いた二酸化炭素からのPHA生産
 6.1 閉鎖循環式ガス発酵システムの開発
 6.2 爆発下限界の低濃度水素ガスを用いた二酸化炭素からのPHA生産
7 おわりに

第3章 水素細菌によるグリコーゲンおよび養魚飼料用タンパク質資源の生産
1 水素細菌の利活用1:培養とグリコーゲンの生産
 1.1 水素細菌とは
 1.2 海洋性水素細菌Hydrogenovibrio marinusについて
 1.3 H. marinusの培養とグリコーゲンの生産
2 水素細菌の利活用2:養魚飼料の製造技術
 2.1 水産養殖と飼料
 2.2 エサとしての水素細菌
 2.3 今後の方向や問題点
3 おわりに

第4章 ヒドロゲナーゼの反応機構と産業利用に向けた構造化学
1 はじめに
2 水素酸化還元酵素ヒドロゲナーゼ
3 [NiFe]ヒドロゲナーゼの構造
4 [NiFe]ヒドロゲナーゼの触媒反応機構
5 [NiFe]ヒドロゲナーゼの酸素耐性機構
6 ヒドロゲナーゼの産業利用に向けて

第5章 水素酵素によるCO2還元反応と物質・エネルギー生成
1 はじめに
2 水素を活性化する酵素
3 ギ酸酵素(ギ酸デヒドロゲナーゼ)
4 酵素触媒によるCO2の水素化反応系の構築
5 今後の展望

第6章 メタン生成菌・酢酸生成菌の培養
1 メタン生成菌
2 メタン生成菌の培養
 2.1 基礎培地
 2.2 培地調製方法
 2.3 基質
3 酢酸生成菌
4 酢酸生成菌の培養
 4.1 一般的な培養方法
 4.2 独立栄養条件の培養
 4.3 培養時の注意点
 4.4 NBRCで実施した分離

第7章 二酸化炭素からの生物学的メタン生成(バイオメタネーション)
1 バイオメタネーションとは
 1.1 メタネーション反応
 1.2 バイオメタネーションとは
 1.3 バイオメタネーション反応を行う微生物
2 バイオメタネーションシステム
 2.1 バイオメタネーションシステム
 2.2 バイオメタネーションの研究開発動向
 2.3 下水処理場の嫌気性消化との組み合わせ
3 バイオメタネーションリアクタの性能向上因子
 3.1 水素溶解効率
 3.2 ガス滞留時間と混合特性
4 ラボスケールでの実験例
 4.1 実験方法
 4.2 実験結果
5 まとめ

第8章 バイオメタネーションを用いたe-methane製造技術の開発
1 熱エネルギーの脱炭素化
2 二酸化炭素のメタネーション技術
3 バイオメタネーションの原理
4 バイオメタネーションの方式
5 下水汚泥を対象とするバイオメタネーション
6 国土交通省下水道応用研究でのバイオメタネーション技術開発
7 2022年度までの開発成果
8 生ごみ由来バイオガスを対象とするバイオメタネーション
9 終わりに

第9章 酢酸生成菌によるCO2資源化
1 はじめに
2 酢酸生成菌,還元的アセチルCoA経路の基本特性
3 H2およびCOをエネルギー源とした酢酸生成菌による物質生産
4 電気をエネルギー源とした酢酸生成菌による物質生産
5 おわりに

第10章 鉄酸化細菌,硫黄酸化細菌のエネルギー代謝と応用微生物学
1 はじめに
2 鉄酸化細菌
3 異化的鉄酸化代謝
4 好酸性鉄酸化細菌の培養
5 硫黄酸化細菌
6 異化的硫黄酸化代謝
7 好酸性硫黄酸化細菌の培養
8 鉄酸化細菌,硫黄酸化細菌の利用
 8.1 バイオリーチング
 8.2 酸性鉱山排水処理技術
9 おわりに-鉄酸化細菌,硫黄酸化細菌によるCO2資源化技術の可能性

第11章 電気を還元力とした微生物変換によるCO2の資源化
1 緒言
2 電極から還元力を供給するMESの原理と特性
3 MESの技術開発動向
 3.1 MESが生産対象とする化合物
 3.2 培養槽および電極の開発
4 MESの実用化に向けた課題と今後の展望
 4.1 大型化のリアクターデザイン
 4.2 生産性
 4.3 生産プロセス全体のコスト試算と低減策
5 結言

第12章 好熱性細菌によるセルロース合成
1 はじめに
2 陸上温泉に発達する微生物マット
3 セルロース合成に関わる遺伝子
 3.1 多様な系統の細菌種から見つかるセルロース合成酵素遺伝子
 3.2 セルロース合成遺伝子群
4 おわりに

第13章 硝化微生物の培養・保存法,炭酸固定経路とその応用
1 培養法
 1.1 アンモニア酸化バクテリアおよび亜硝酸酸化バクテリアの培養
 1.2 アンモニア酸化アーキアの培養
2 保存法
 2.1 硝化バクテリアのシリカゲル冷凍保存法
 2.2 アンモニア酸化アーキアのDMSO冷凍保存法
3 炭酸固定経路とその応用
 3.1 硝化バクテリアの炭酸固定経路とその応用
 3.2 アンモニア酸化アーキアの炭酸固定経路とその応用

第14章 硝化微生物群を活用した人工土壌創製
1 はじめに
2 作物栽培の基盤となる土壌機能
3 土壌硝化微生物群の馴養培養
4 硝化微生物群のスクリーニング
5 硝化反応中の菌叢推移の解析
6 硝化微生物群のモデル化の検討
7 有機培地中での硝化細菌の増殖
8 モデル硝化微生物群を用いた作物栽培
9 人工土壌創製
10 土壌創製技術の展開
11 おわりに

第15章 光合成独立栄養細菌の培養
1 はじめに
2 酸素発生型光合成細菌シアノバクテリア
 2.1 培地
 2.2 光源
 2.3 保存
3 酸素非発生型光合成細菌
 3.1 培地
 3.2 光源
 3.3 検出
 3.4 保存
4 おわりに

第16章 光合成によるCO2の異化的な資源化:緑色硫黄細菌を利用した実例
1 はじめに
2 同化反応によるCO2資源化の問題点
3 異化反応のみで構築するCO2還元系
4 明反応と連結可能な異化的CO2還元
5 緑色硫黄細菌の光合成水素生産系
6 緑色硫黄細菌とメタン生成菌の共培養
7 おわりに

第17章 焼酎粕で培養可能な光合成細菌と農業への応用
1 はじめに
2 球磨焼酎粕リサイクルの現状と課題
3 球磨焼酎粕で培養可能な光合成細菌のスクリーニング
4 植物の成長を促進する光合成細菌バイオプライミング(biopriming)技術
5 光合成細菌の新たな植物成長促進物質Lipopolysaccharide(LPS)
 5.1 光合成細菌LPSの植物成長促進効果
 5.2 光合成細菌LPSがイネの根の遺伝子発現に及ぼす影響:次世代シーケンサー
    (Next generation sequencer:NGS)RNA-seq解析
 5.3 光合成細菌LPSと他のグラム陰性菌LPSの違い
6 おわりに

第18章 シアノバクテリアのCO2濃縮機構
1 CO2固定酵素RubisCOの特性
2 RubisCOのcarboxylase反応を促進するCO2濃縮機構
3 シアノバクテリアのCCM
4 無機炭素輸送体によるHCO3-の輸送と炭酸脱水酵素によるCO2への変換
5 カルボキシソームの殻の形成
6 カルボキシソーム内部のRubisCOクラスターの形成
7 シアノバクテリアのHCO3-輸送体を陸上植物へ導入する試み
8 シアノバクテリアのカルボキシソームを陸上植物の葉緑体で再構成する試み

上記内容は本書刊行時のものです。