書店員向け情報 HELP
障害をもつ人の心理と支援 ―育ち・成長・かかわり―
- 初版年月日
- 2022年4月30日
- 書店発売日
- 2022年5月12日
- 登録日
- 2022年4月18日
- 最終更新日
- 2022年4月18日
紹介
これまで心理系の資格といえば,公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会が認定する臨床心理士が代表的な資格として,準国家資格のような役割を果たしてきたといっても過言ではなく,そしてそれは約30年の歴史がある。そのような中,2015年に厚生労働省・文部科学省(共管)で公認心理師国家資格が誕生した。また,特別支援学校教諭になるには,これまでは小中高普通免許状があれば可能であったが,特別支援学校教員免許状を取得していないと教員採用試験を受験できなくなった。いずれの資格免許においても養成科目の中に障害者・障害児心理の科目が位置づけられている。
本書は,心理職,福祉職,教職を目指す学生の皆さんの基本的な学びのためや,既に専門職に就かれている先生方の日ごろの実践に役立つための,そして実践を振り返るための専門書として出版したものである。
私たちが生きている社会には,どのような障害をもった方々がいるのであろうか。障害の種類をあげてみると,身体的なものから精神的なものまである。
身体面での障害は視覚障害,聴覚障害,言語障害,肢体不自由,知的障害,重度・重複障害,そして中途障害などがあげられる。精神面では精神障害,情緒障害などがある。人間の五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・皮膚感覚)に関する障害としては視覚,聴覚の障害である。
本書では,まず「第Ⅰ部 身体障害・知的障害・精神障害・発達障害をもつ人の心理と支援」として,各障害について定義や仕組み,障害をもつ人の心理的・行動的特性,支援のあり方を考える。
次に「第Ⅱ部 障害をもつ人の育ち・成長にいかにかかわるか」として,「なぜあなたは障害児・者にかかわろうと思ったのか?」と問いかけ,障害をもつ人にかかわる動機・目的の明確化を図る。次の章で,障害をもつ人の育ち・成長・悩みの解決に有効と考えられる心理的支援についていくつかの例(療法)を挙げて考察し,続く章で「家族支援」と「社会参加(就労支援/ICTの利活用)」を学ぶ。
「第Ⅲ部 障害をもつ人の教育と福祉」では,特別支援教育の歴史・課題・展望および障害者福祉の国際的な動き・歴史・今後の課題について考察する。
巻末に付録として,聴覚障害,発達障害,肢体不自由児,重度・重複障害児の事例研究を掲載しているので,実際の障害をもつ人とのかかわり方を体験することができよう。
目次
序論 障害をもつ人の育ち・成長・かかわりについて
第Ⅰ部 身体障害・知的障害・精神障害・発達障害をもつ人の心理と支援
第1章 視覚障害をもつ人の心理と支援
第2章 聴覚障害をもつ人の心理と支援
第3章 言語障害をもつ人の心理と支援
第4章 肢体不自由をもつ人の心理と支援
第5章 知的障害をもつ人の心理と支援
第6章 精神障害をもつ人の心理と支援
第7章 発達障害をもつ人の心理と支援
第8章 重度・重複障害をもつ人の心理と支援
第9章 中途障害者の心理と支援
第Ⅱ部 障害をもつ人の育ち・成長にいかにかかわるか
第10章 障害をもつ人にかかわる人の基本的姿勢
第11章 障害をもつ人の育ち・成長に有効な心理的支援(カウンセリング/遊戯療法/認知行動療法/心理リハビリテイション(臨床動作法)/家族療法)
第12章 障害をもつ人の家族の支援と社会参加
第Ⅲ部 障害をもつ人の教育と福祉
第13章 特別支援教育
第14章 障害者福祉
事例研究(聴覚障害の事例/発達障害の事例/肢体不自由児の事例/重度・重複障害児の事例)
付録 用語解説
身体障害者程度等級表
上記内容は本書刊行時のものです。