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算数教育の基礎がわかる本
- 書店発売日
- 2019年10月30日
- 登録日
- 2019年10月17日
- 最終更新日
- 2019年11月8日
紹介
小学校の先生向けに,子供たちに算数を教える際に,指導者自身が身に付けておいて欲しい基礎となる内容(基礎となる数学)を,平成29年告示の新学習指導要領の領域・内容に準拠させて,わかりやすく解説しました。あわせて,その解説を踏まえた指導の要点(指導の方法)を記述しました。さらに,それらの内容や方法が,どのように発展していくのかという小学校と中学校の関連(小中の連携)についても記述しました。ですから,中学校の先生がお読みになっても,とても意義があります。
また,幼児の活動の数学的な意味や価値についても,新学習指導要領の領域・内容ごとに記述しました。幼児の活動をトピック的に抜き出し,そこに数学的な意味や価値づけをしている本はありましたが,小学校の学習領域や内容と関連させている本は類を見ません。幼児期の保育や教育に携わる先生向けに,保育園や幼稚園における活動の中に表れる幼児の姿が,どのような数学的な意味や価値をもっているのかについて,わかりやすく記述しました。
少し堅い話になりますが,新しい幼稚園教育要領や保育所保育指針,小学校学習指導要領等には,幼保小との関連の重要性が明記され,同様に,小学校・中学校双方の学習指導要領には,小中の連携の重要性が明記されました。これらのことからも,この本は時代の要請にも応えています。現状の算数・数学に関する本や,その指導法に関する本は難解なものが多く,大学生であれば,算数・数学の面白さを感じることなく,単位だけとり卒業して免許状をとる,このようなことの繰り返しです。指導者自身が算数・数学の面白さや楽しさを感じることなくして,子供たちに面白さや楽しさを教えることができないのは,火を見るよりも明らかです。算数・数学好きの子供を育てるには,指導者自身が算数・数学好きになることが,はじめの一歩であり,もっとも重要なことです。
そのために,私たち執筆者一同は,できる限りわかりやすく読みやすい本となるように心がけました。お読みくださっているみなさんの顔を,常に思い浮かべながら執筆しました。この本は必ずやみなさんのご期待に沿えるはずです。
(はじめにから抜粋)
目次
第1部 算数科の概括
第1章 算数科の目的・目標の変遷
(算数科における目的論/明治・大正・昭和初期における算数教育史/戦後の学習指導要領からみた目標の変遷)
第2章 数学的な見方・考え方と数学的活動
(数学的な見方・考え方/数学的活動)
第3章 学力調査、PISA、TIMSSなどの話題
(全国学力・学習状況調査/PISA・TIMSS/プログラミング教育)
第2部 算数科の内容と指導方法
第4章 数と計算
(「数と計算」領域の概要/数とその表し方/加法と減法/乗法と除法/小数の意味と表し方/小数の計算/分数の意味と表し方/分数の計算/式による表現)
第5章 図形
(「図形」領域の概要/図形を説明することば/かたち(平面図形)/かたち(空間図形)/量(面積、体積))
第6章 測定
(「測定」領域の概要/量と測定の基礎/長さ、広さ、かさ、重さの測定と単位/時刻と時間)
第7章 変化と関係
(「変化と関係」領域の概要/関数の考え方/割合・百分率・単位量あたりの大きさ/比・比例・反比例)
第8章 データの活用
(「データの活用」領域の概要/代表値/統計的な表やグラフ/起こり得る場合、統計的な問題解決)
第3部 算数科の授業づくり
第9章 安心して学べる学級づくり
(学級経営の基礎・基本/学級担任制と教科担任制/ユニバーサルデザインと合理的配慮)
第10章 授業づくりの考え方
(今日、求められている学力/算数科における主体的・対話的で深い学び/校種内及び校種間の学びのつながり)
第11章 授業づくりの進め方
(目標設定/教材研究/児童の実態把握/指導計画の立案/展開の構想/評価)
第12章 学習指導案の書き方
(学習指導案の様式と種類/学習指導案の役割/学習指導案の実際)
第13章 学習指導の技術
(板書/発問/ノート指導)
第14章 授業の見方
(授業の視点/子どもを観る/教師を観る)
付録 ピアジェの発達理論
上記内容は本書刊行時のものです。