書店員向け情報 HELP
出版者情報
転機におけるキャリア支援のオートエスノグラフィー
- 初版年月日
- 2022年11月30日
- 書店発売日
- 2022年11月30日
- 登録日
- 2022年10月25日
- 最終更新日
- 2022年11月24日
紹介
現在ある自己は,折々の転機に際し,どう選択をし,どうのり越えてきたのか。
その折々に,どのような相互交流があり,どのような支援に巡り合ったのか。
今ある人生は結果としてどのような文化の産物なのか。
●著者紹介
土元哲平(つちもと・てっぺい)
立命館大学大学院文学研究科博士後期課程修了
博士(文学)
現在,日本学術振興会特別研究員PD(大阪大学人文学研究科)
主要著作
『文化心理学─ 理論・各論・方法論』(分担執筆,ちとせプレス,2019 年)
『成長の瞬間を生み出す「よいキャリア支援」の意味感覚─ TAE ステップを用いた理論
構築』(共著,『質的心理学研究』第19 号,2020 年)
『転機研究における「個人と社会との相互作用」のアプローチ』(共著,『キャリア教育研
究』第37 巻第2号,2019 年)
目次
はじめに
Ⅰ.本研究の主題と目的
Ⅱ.本研究の考え方の基盤と全体構成
Ⅲ.筆者のライフストーリー:「自己紹介」
Ⅳ.本研究で扱う「転機」
第1部 転機研究の研究背景とオートエスノグラフィーの理論的・方法論的基盤
第1章 社会的背景:転機研究における「個人と社会との相互作用」のアプローチ
Ⅰ.「職業指導」から「キャリア教育」へ
1.パーソンズの職業指導と職業選択
2.アメリカと日本における「職業指導」から「キャリア教育」への流れ
Ⅱ.キャリア論における転機研究の主要な論点
1.発達的アプローチ
2.偶発性アプローチ
Ⅲ.「個人と社会との相互作用」のアプローチ
1.ナラティヴとしての転機
2.記号としての転機
Ⅳ.結 論
第2章 理論的背景:オートエスノグラフィーの方法論と文化心理学
Ⅰ.序 論
1.オートエスノグラフィーとは
2.喚起か分析か:AE におけるスペクトラム
3.問題と目的:オートエスノグラフィーにおける方法論の課題
4.文献レビューと類型化の方法
Ⅱ.オートエスノグラフィーの方法論の広がりを捉える2次元と4類型
1.オートエスノグラフィーの方法論の広がりを捉える次元
2.オートエスノグラフィーの方法論の広がりを捉える類型
Ⅲ.本研究の意義とオートエスノグラフィーにおける方法論的議論の可能性
Ⅳ.結論:文化心理学とオートエスノグラフィーの接合に向けて
1.文化心理学とオートエスノグラフィー
2.オートエスノグラフィーにおける「文化」と意味づけ 54
資料(第2章): 海外オートエスノグラフィー関連文献(本章にてレビューしたもの)/
日本におけるオートエスノグラフィー関連文献(本章にてレビューしたもの)
第2部 オートエスノグラフィーの実践研究
第3章 オートエスノグラフィーの構成
Ⅰ.第1部のまとめと方法論的示唆
Ⅱ.視点の体系的トライアンギュレーション
Ⅲ.トライアンギュレーションの指針
1.方法論的・理論的視角
2.認識論的検討:文化心理学とGendlin の哲学
第4章(研究1) 教員志望学生のキャリア選択過程:Auto-TEM を用いた人生径路の探究
Ⅰ.問 題
1.キャリア選択に関する先行研究
2.キャリア選択の「意味づけ」の理解へ:職業的キャリアとライフ・キャリア
3.本研究の目的
Ⅱ.方 法
1.複線径路等至性アプローチ(TEA)とは
2.分析枠組み
3.具体的な分析視点
4.分析過程
Ⅲ.結果と考察
1.結果の概要
2.キャリア選択のライフストーリー:TEM による分析
Ⅳ.総合考察
1.レジリエンスとキャリア目標:本研究から得られるキャリア選択支援への示唆
2.「 影の径路」の探究:本研究の限界およびキャリア支援への示唆
3.キャリア研究・教育におけるAuto-TEM の意義と可能性
資料(第4章)1:研究ノートの抜粋
資料(第4章)2:Auto-TEM 作成時に留意した点
第5章(研究2) 大学教員による日常的なキャリア支援:「支援者インタビュー」による検討
Ⅰ.問題と目的
1.大学教員による日常的なキャリア支援
2.オートエスノグラフィー実践としての本研究の意義
Ⅱ.方 法
1.「支援者インタビュー」と研究協力者
2.具体的なデータ収集方法
3.語りを促すための資料
4.データ理解の方法としてのKJ 法
Ⅲ.結果と考察
1.調査の概要と分析過程
2.A 先生のキャリア支援の「実践モデル」における主要概念(第1回~第3回)
3.〈回収できない責任〉:キャリア支援者としてのA 先生のジレンマ
Ⅳ.総合考察
1.〈自分探し〉の意味
2.〈やりたいこと〉の意味
3.方法論的内省:「支援者インタビュー」の利点と欠点
4.課題と展望
資料(第5章):インタビューガイド
第6章(研究3) 成長の瞬間を生み出す「よいキャリア支援」の意味感覚:TAE ステップを用いた理論構築
Ⅰ.問 題
1.キャリア発達の主体の変化と転機
2.「成長の瞬間」と「からだ」の感覚
3.「成長の瞬間」と「よいキャリア支援」
Ⅱ.方 法
1.基本的な分析方法とデータ収集
2.データの解釈枠組み:メタファーによる拡張
Ⅲ.分析過程
1.パート1:フェルトセンスから語る
2.パート2:側面(実例)からパターンを見つける
3.パート3:理論構築・拡張
Ⅳ.考察と展望
1.キャリア支援のメタファーとしての卓球ラリー
2.身体感覚に基づくキャリア支援研究の可能性
3.オートエスノグラフィーの方法としてのTAE ステップ
Ⅴ.結 論
資料(第6章):卓球メタファーについての語り
第3部 総合考察
第7章 総合考察
Ⅰ.ここまでの研究のまとめ
第1章 転機研究における「個人と社会との相互作用」のアプローチ
第2章 オートエスノグラフィーの方法論と文化心理学
第4章( 研究1)教員志望学生のキャリア選択過程:Auto-TEM を用いた人生径路の探究
第5章( 研究2)大学教員による日常的なキャリア支援:「支援者インタビュー」による検討
第6章( 研究3)成長の瞬間を生み出す「よいキャリア支援」の意味感覚:TAE ステップを用いた理論構築
Ⅱ.本研究の視座と「転機のオートエスノグラフィー研究」の展望
Ⅲ.転機を促すキャリア支援への示唆
Ⅳ.オートエスノグラフィー研究への示唆
Ⅴ.本研究の限界と課題
おわりに
引用文献
索 引
初出一覧
謝 辞
上記内容は本書刊行時のものです。