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現場の大学論 崎山 直樹(編集) - ナカニシヤ出版
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現場の大学論 (ゲンバノダイガクロン) 大学改革を超えて未来を拓くために (ダイガクカイカクヲコエテミライヲヒラクタメニ)

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A5判
252ページ
定価 2,600円+税
ISBN
978-4-7795-1545-3   COPY
ISBN 13
9784779515453   COPY
ISBN 10h
4-7795-1545-9   COPY
ISBN 10
4779515459   COPY
出版者記号
7795   COPY
Cコード
C1037  
1:教養 0:単行本 37:教育
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2022年7月20日
書店発売日
登録日
2022年6月15日
最終更新日
2022年6月15日
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紹介

混乱のなかで、よりよき未来を掴むために、
今、考えるべきことは何か。

何が起こっているのか、そして、それにどう関わるべきなのか問うために。状況に即した思考を積み上げ、開かれた議論の契機を拓く、大学改革の現場からの、現場のための大学論。

本書の編集の過程で,筆者が本題または副題へ入れるようお願いをした言葉が「現場」であった。大学に限らず個人的,社会的な実践が行われるさまざまな「現場」において,そのときそこで生じていたこと,感じられていたこと,考えられていたことを書き留めることは難しい。たいていの場合において実践そのものに注力するべきであって,それをわざわざ記録する余裕はない。しかし,あるべき像が大所高所から提示されることと同時に,「現場」の状況に即して思考を少しずつ積み上げていくことも必要である。国民国家の成立よりもはるかに古い時代から存在している,人びとが集まって真理の探究を進める大学について,その長い歴史の経緯を丁寧に踏まえた理想のあり方と「いまここ」での現実に対して考えられていることがらの両者を同時に検討するのである。(「あとがき」より)


執筆者紹介(五十音順,*は編者)

井上義和(いのうえ よしかず)
帝京大学共通教育センター教授
担当:第6章

笠木雅史(かさき まさし)
広島大学人間社会科学研究科・総合科学部准教授
担当:第7章

北村紗衣(きたむら さえ)
武蔵大学人文学部英語英米文化学科准教授
担当:第8章

崎山直樹*(さきやま なおき)
千葉大学大学院国際学術研究院准教授
担当:まえがき・序章・インタビュー

標葉靖子(しねは せいこ)
実践女子大学人間社会学部准教授
担当:第5章

標葉隆馬(しねは りゅうま)
大阪大学社会技術共創研究センター准教授
担当:第3章

嶋内佐絵(しまうち さえ)
東京都立大学国際センター准教授
担当:第1章

成瀬尚志(なるせ たかし)
大阪成蹊大学経営学部准教授
担当:第9章

二宮 祐*(にのみや ゆう)
群馬大学学術研究院(主担当 大学教育・学生支援機構教育改革推進室) 准教授
担当:第4章・インタビュー・あとがき

羽田貴史(はた たかし)
広島大学名誉教授・東北大学名誉教授
担当:インタビュー

光永悠彦(みつなが はるひこ)
名古屋大学大学院教育発達科学研究科准教授
担当:第2章

吉田 文(よしだ あや)
早稲田大学教育・総合科学学術院教授
担当:インタビュー

渡邉浩一*(わたなべ こういち)
福井県立大学学術教養センター准教授
担当:インタビュー

目次

まえがき 崎山直樹

1 COVID-19と大学
2 本書の構成

序 章 無責任な大学改革を越えて
 なぜ準備不足のまま計画通り進むのか 崎山直樹

1 国立大学改革と「賭金」
2 2040年のグランドデザイン
3 官邸主導の文教政策
4 グランドデザインを越えて

第1章 大学「国際化」の二面性
 留学生移動と教育における言語に注目して 嶋内佐絵

1 はじめに
2 「国際化」とは,何を意味するのか
3 英語化がもたらすもの
4 日本語による留学生の受け入れの現実と課題
5 国際化と言語
6 むすびに

第2章 教育測定学からみた大学入試制度改革
 「再改革」に向けた予備的考察 光永悠彦

1 大学入試制度改革への期待と現実
2 メリトクラシーの再帰性と大学入試
3 今後の「再改革」に向けて
4 理想と現実とのギャップを乗り越えて

第3章 これからの人文・社会科学の研究評価を考えるために
 変化する研究環境と学術の幅広いインパクトの視点 標葉隆馬

1 研究を取り巻く状況の変化
2 研究評価をめぐるアプローチの変化
3 安易な研究評価論を避けるために
4 人文・社会科学分野の研究評価をめぐる議論
5 人文・社会科学分野がもつインパクトの理解を広げること
6 最後に

第4章 若手研究者問題としての「新しい専門職」
 誰がそれを担い,どのような困難に直面しているか 二宮 祐

1 大学院生の就職難と「大学改革」の奇妙な関係
2 質問紙調査からわかる「新しい専門職」としての若手研究者
3 「大学改革」がもたらした職の功罪

第5章 科学コミュニケーション教育のあり方を考える
 多様化する大学院教育の使命 標葉靖子

1 はじめに:「科学と社会の関係深化」を目指して
2 科学コミュニケーショントレーニングの必要性
3 大学院教育における科学コミュニケーショントレーニング:その政策的背景からみた課題
4 米国事例からの示唆:GradSciCommプロジェクト
5 おわりに:大学院教育の使命

羽田貴史:インタビュー
 「改革」論議から高等教育研究へ

1 はじめに
2 なぜ高等教育研究に向かったか
3 高等教育研究コミュニティ
4 政策を批判する
5 教養教育の再生と専門分化
6 プレFDのなかの教養教育
7 FDのあり方と「研究者が変えるもの」

第6章 参加型パラダイムは学生の自由を促進するか?
 放任が自由を奪う時代に自由を設計するために 井上義和

1 学習を「自由」の観点から捉え直す
2 「能動的な学修」を促す参加型パラダイム
3 放任が自由を奪う:過渡期のジレンマ
4 設計的な自由へ:自由を促進するためのデザイン
5 誰が学生の自由を保障するのか?

第7章 教育改革とライティング教育
 アメリカのライティング教育史からの視点 笠木雅史

1 教育改革における大学ライティング教育:初年次ライティング教育の導入
2 アメリカのライティング教育史:初年次ライティング科目の導入・定着とその批判
3 高校・大学ライティング教育の将来:新高等学校学習指導要領と高大接続

第8章 嫌われものを授業に取り込む
 英日翻訳ウィキペディアン養成セミナープロジェクト 北村紗衣

1 ウィキペディアを教育に使うのはなぜハードルが高いのか
2 なぜプロジェクトを始めたのか
3 プロジェクトの成果と反省
4 まとめにかえて:ウィキペディアンの願い事

第9章 課題解決とソーシャルアクション
 プロジェクト型授業における「お題」について考える 成瀬尚志

1 プロジェクト型授業としての「嵐山シャルソン」
2 プロジェクト型授業の問題点
3 ソーシャルアクション
4 プロジェクト型授業としてのソーシャルアクション
5 最後に:“お題を救え,さらばすべてが救われん”

吉田 文:インタビュー前編 教養教育の現在
 危機のなかで

1 はじめに
2 現在の教養教育:各大学の現状から
3 危機からみる教養教育の未来
4 教養教育・一般教育の諸形態

吉田 文:インタビュー後編 大学はどう変わるか
 これからの議論に向けて

1 はじめに
2 大学カリキュラムのなかの教養教育
3 若手研究者の雇用をめぐる諸問題,その解決の困難さ
4 おわりに

あとがき 二宮 祐

事項索引
人名索引

著者プロフィール

崎山 直樹  (サキヤマ ナオキ)  (編集

千葉大学大学院国際学術研究院准教授

二宮 祐  (ニノミヤ ユウ)  (編集

群馬大学学術研究院(主担当 大学教育・学生支援機構教育改革推進室) 准教授

渡邉 浩一  (ワタナベ コウイチ)  (編集

京都女子大学非常勤講師等、大阪経済法科大学教養部准教授を経て福井県立大学学術教養センター准教授。

著書:『『純粋理性批判』の方法と原理』(京都大学学術出版会,2012年)
「魂と認識論」(『日本カント研究』,2020年)

井上 義和  (イノウエ ヨシカズ)  (著/文

帝京大学共通教育センター教授

笠木 雅史  (カサキ マサシ)  (著/文

広島大学人間社会科学研究科・総合科学部准教授

北村 紗衣  (キタムラ サエ)  (著/文

武蔵大学人文学部英語英米文化学科准教授

標葉 靖子  (シネハ セイコ)  (著/文

1981年生まれ。大阪府にて育つ。京都大学大学院生命科学研究科博士後期課程修了。博士(生命科学)。東京工業大学環境・社会理工学院イノベーション科学系助教を経て実践女子大学人間社会学部准教授。専攻は植物分子生物学、科学コミュニケーション。

標葉 隆馬  (シネハ リュウマ)  (著/文

1982年生まれ。京都大学農学部応用生命科学科卒業、京都大学大学院生命科学研究科博士課程修了(生命文化学分野)。博士(生命科学)。総合研究大学院大学先導科学研究科「科学と社会」分野・助教、成城大学文芸学部マスコミュニケーション学科・准教授などを経て、現在、大阪大学社会技術共創研究センター・准教授。専攻は、科学社会学・科学技術社会論・科学技術政策論。

嶋内 佐絵  (シマウチ サエ)  (著/文

東京都立大学国際センター准教授

成瀬 尚志  (ナルセ タカシ)  (著/文

大阪成蹊大学経営学部准教授

羽田 貴史  (ハタ タカシ)  (著/文

広島大学名誉教授・東北大学名誉教授。専門は教育学。放送大学客員教授,桜美林大学大学アドミニストレーション専攻教授(非常勤),名古屋大学高等教育センター客員教授、東北大学高度教養教育・学生支援機構教授,大学教育支援センター長などを歴任。

光永 悠彦  (ミツナガ ハルヒコ)  (著/文

光永悠彦(みつなが はるひこ)
1979年北海道生まれ。人事院人材局試験専門官室,島根大学教育・学生支援機構 講師を経て,名古屋大学大学院教育発達科学研究科准教授。東京工業大学大学院社会理工学研究科人間行動システム専攻博士課程修了,博士(学術)。
専門は心理統計学,テスト理論,多変量解析。
主な著書に『テストは何を測るのか――項目反応理論の考え方』(ナカニシヤ出版,2017年),主な論文に「多群 IRTモデルにおける簡素化の評価――水平等化場面のシミュレーョンを通じて」(共著,行動計量学,2014年), 「看護系大学共用試験(CBT)項目バンク構築における潜在ランク理論の適用と評価」(単著,日本テスト学会誌,2015年)など。

吉田 文  (ヨシダ アヤ)  (著/文

早稲田大学教育・総合科学学術院教授

上記内容は本書刊行時のものです。