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ポスト3・11のリスク社会学 井口 暁(著/文) - ナカニシヤ出版
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ポスト3・11のリスク社会学 (ポストサンイチイチノリスクシャカイガク) 原発事故と放射線リスクはどのように語られたのか (ゲンパツジコトホウシャセンリスクハドノヨウニカタラレタノカ)

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四六判
464ページ
定価 3,400円+税
ISBN
978-4-7795-1393-0   COPY
ISBN 13
9784779513930   COPY
ISBN 10h
4-7795-1393-6   COPY
ISBN 10
4779513936   COPY
出版者記号
7795   COPY
Cコード
C3036  
3:専門 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2019年3月26日
最終更新日
2019年3月30日
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目次

序章 ポスト3・11の社会的対立とリスク社会学
 第一節 ポスト3・11の社会的論争と原発回帰
 第二節 なぜリスク社会学なのか  
 第三節 なぜルーマン理論なのか  
 第四節 本書の構成


第一部 災厄の定義をめぐるコンフリクト

第一章 リスクと危険の帰属をめぐるコンフリクト
 第一節 構築主義的アプローチのリスク論
 第二節 リスクと危険の概念  
 第三節 帰属分析の視角――「危険社会」から「リスク社会」への移行  
 第四節 コンフリクト分析とその問題点  
 第五節 帰属コンフリクト論の再構築  

第二章  新しいリスクと責任追及のパラドクス―ベック理論の批判的検討
 第一節 新しいリスク  
 第二節 「組織化された無責任」の二つの経路  
 第三節  事故調査・学習プロセスにおける新しいリスクの矮小化――非知と時間の力学 

第三章  福島原発事故の定義をめぐるポリティクスの構図と力学
 第一節 ポスト3・11の原発回帰と国会事故調 
 第二節 国会事故調における福島原発事故の原因分析と提言  
 第三節 大地震と大津波の可能性は科学的に予測されていたのか  
 第四節 国会事故調における「新しいリスク」の矮小化と科学万能主義   


第二部 科学的非知をめぐるコンフリクト

第四章 低線量被ばく論争と非知の社会学
 第一節 低線量被ばく論争の勃発と紛糾  
 第二節 確率論とトランスサイエンス論 

第五章 非知の社会学
 第一節 非知とは何か――非真 、誤謬、リスク、不確実性との差異  
 第二節 非知社会学の系譜と潮流  
 第三節 非知の多元性と非知をめぐる争い

第六章 低線量被ばくに関する科学的知見と防護体制
 第一節 UNSCEAR における科学的知見  
 第二節 ICRP による防護体制の構築  

第七章 低線量被ばく論争の対立構図
 第一節 推進派の言説  
 第二節 批判派の言説  
 第三節  「御用学者」論争はなぜ紛糾したのか――非知論争の政治化と道徳化


第三部 リスク・ダイアローグの可能性

第八章 ハーバーマスの理性的合意論とその問題点
 第一節 理性的合意を目指す了解過程としての討議  
 第二節 初期ルーマンのハーバーマス批判  

第九章 ハーンの了解論の地平―争いを収める協同実践
 第一節 ハーバーマス理論に対するハーンの批判点  
 第二節 戦略的了解の形式と条件  
 第三節 ハーン理論の意義

第十章 ルーマンの了解論―コミュニケーション接続主義の地平
 第一節 「コミュニケーションの受容」としての了解  
 第二節 リスク・ダイアローグ論  
 第三節 ギャグルール(討論制限規則)の提案  
 第四節 「コミュニケーション接続主義」の意義  

第十一章 ファースト・オーダー復帰論と物質性
 第一節 謎めいた助言  
 第二節 ファースト・オーダー復帰論  
 第三節 芸術論におけるファースト・オーダー復帰論  
 第四節 客体を媒介とした社会関係の安定化

第十二章 了解指向的対話の具体化に向けて
 第一節 了解指向的対話の二面性  
 第二節 核廃棄物をめぐる熟議の試み  
 第三節 災禍後の「和解」と「修復的対話」の試み  

結章 ポスト3・11のリスク社会学

あとがき  

文  献  
Abstract   
索  引

著者プロフィール

井口 暁  (イグチ サトシ)  (著/文

1986年生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(文学)。現在、日本学術振興会特別研究員(PD)。京都大学・甲南女子大学・京都府立大学非常勤講師。
論文に、「リスクと危険の帰属をめぐるコンフリクト―ポスト3.11 におけるルーマン・リスク論の可能性」(『ソシオロジ』第59巻第2 号、21-38 頁、2014 年)、「ルーマンの政治理論は何を目指したのか( 上・下)――S.ランゲ『ニクラス・ルーマンの政治理論』の批判的検討」(『京都社会学年報』第22 号、69-88 頁、2014 年;第23 号、55-74 頁、2015 年)、「異質性を基礎とした協同形式としての了解――アロイス・ハーンの「戦略としての了解」論を手がかりに」(『ソシオロジ』第62 号第1 巻、3-21 頁、2017 年)などがある。

上記内容は本書刊行時のものです。