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出版者情報
未来を創る教育制度論(新版)
- 初版年月日
- 2020年4月22日
- 書店発売日
- 2020年4月25日
- 登録日
- 2020年4月15日
- 最終更新日
- 2020年4月15日
紹介
教育制度の役割、歴史、教育法のしくみ等、現在の教育制度状況や問題点をわかりやすく解説。教育制度の基本知識の習得に最適の書。 教職を目指す学生や教育現場に身を置く現職教員必携の一冊。
新版では、改訂版以降の制度改定・政策展開に合わせ、記載法令をアップデートし、新教育委員会制度、多様な教育機会確保法、チーム学校、教員の働き方改革、保育制度改定、学校安全と学校環境などについての記述を加えています。
目次
第1講 教育制度を学ぶことの意味
1 小・中学校の昼食は学校給食? 弁当?
2 法治国家・立憲国家と教育制度
3 なぜ教育制度を学ぶのか
(1)なぜ教育制度を学ぶのか― 教育制度に対する忠実性と主体性・創造性 (2)教育制度をみる視点―「 教育を受ける権利」の自由権的保障と社会権的保障
第2講 子どもの権利
1 子どもの意見をきいて
(1)権利を主張するのはわがままか?(2)フランスの事例に学ぶ
2 子どもの人権・権利の歩み
(1)人権とは何か(2)近代における子どもの発見と子どもの権利
3 子どもの権利条約を知っていますか
(1)子どもの権利条約と日本(2)子どもの権利条約の内容と特徴
コラム 2-1 子どもか児童か ―条約の名称をめぐって
4 日本における子どもの権利保障の現実
(1)日本の法制度の不十分さ(2)国連子どもの権利委員会の勧告
5 子どもの権利条約を活かすには
(1)日本の学校における取り組み
コラム 2-2 フランスの高校生が起こした教育改善要求運動
(2)子どもの権利を尊重する社会の実現に向けて
コラム 2-3 学校安全と学校環境
第3講 教育法のしくみ
1 教育に関する成文法
(1)国の教育法(2)義務教育に関する国の教育法体系(3)国際教育法(4)地方公共団体の教育法
2 教育制度の法律主義
(1)法律によってつくられた教育制度(2)教育制度の法律主義がかかえる問題点
3 教育に関する不文法
(1)教育条理法(2)教育判例法(3)教育慣習法
第4講 教育内容の制度
1 教育内容と学習指導要領
2 学習指導要領と教育課程の自主編成運動
3 教科書検定と歴史教科書問題
コラム 4-1 教科書採択のしくみ
コラム 4-2 教科書裁判
4 教育課程編成の 3 つのレベル
コラム 4-3 義務教育諸学校及び高等学校教科用図書検定基準
コラム 4-4 教育基本法と政治教育
5 教育課程編成の主体としての教師
コラム 4-5 学習指導要領の性格
第5講 日本国憲法と教育基本法
1 戦前における日本の教育制度の特質
(1)大日本帝国憲法と「教育勅語」体制(2)戦後教育改革と教育制度の転換
2 「憲法・教育基本法」体制の特質と歴史的意義
(1)権利としての「教育を受ける」こと(2)「教育を受けさせる義務」(3)日本国憲法と旧教育基本法の一体性(4)教育制度の法律主義(5)教育の直接責任性と教師の教育の自由(6)教育行政の地方自治(7)教育行政の教育条件整備義務
3 教育基本法の改定とその問題
(1)教育基本法改定の経緯(2)教育基本法改定のねらい(3)新教育基本法の特徴と問題点
4 「憲法・教育基本法」体制のゆくえ
コラム 5-1 学習権の思想
第6講 教育の目的と目標
1 新教育基本法における教育の目的・目標
(1)教育の目的(1条)(2)教育の目標(2条)
2 教育の目標(新教育基本法2条)が抱える問題
(1)教育目標の法定化(2)個人よりも国家を優先する価値観の注入(3)教育の態度主義(4)教育目標の具体化
コラム 6-1 入学式・卒業式における国旗・国歌の指導
コラム 6-2 東京都「君が代」不起立処分取消訴訟最高裁判決 (2012 年 1 月)
3 新教育基本法とどう向きあうか
(1)新教育基本法の立憲主義的解釈(2)教師の手にかかる「教育」と「教化」のわかれ道
第7講 学校の制度
1 フリースクールは「学校」か
2 教育基本法・学校教育法における「学校」
(1)法律に定める学校( 一条校 )
コラム 7-1 学校体系 ―日本とドイツ
(2)それ以外の教育施設
3 法律に定める学校(一条校)の公の性質と設置者
(1)一条校の公の性質(2)一条校の設置者の限定と学校法人による私立学校設置(3)一条校の設置者の責務(4)一条校中心の学校制度の意義
4 一条校中心の学校制度がかかえる問題
(1)管理ゆえの学校教育の柔軟性の欠如(2)管理のなかに見られる権力的統制
コラム 7-2 七生養護学校事件 (「こころとからだの学習」裁判)
第8講 義務教育の制度
1 義務教育の「義務」とはだれの「義務」か?
(1)日本国憲法と義務教育(2)義務教育の 3 原則(3)「教育勅語」体制における義務教育制度の誕生
2 義務教育の目的・目標
(1)義務教育の目的(2)義務教育の目標
3 保護者の就学義務
(1)保護者の就学させる義務(2)就学義務の猶予・免除
コラム 8-1 重度の障害のある子どもたちと義務教育
4 義務教育に関する国・地方公共団体の責務
(1)地方公共団体の学校設置義務(2)国・地方公共団体の就学保障義務
コラム 8-2 通学区域制度と学校選択制
5 すべての子どもの学び・発達が保障される義務教育へ
第9講 教育の機会均等
1 夜間中学校を知っていますか?
2 義務教育は「タダ」ですか?
(1)義務教育では何にお金がかかるのか(2)義務教育の無償の範囲はどこまでか
3 貧しい家庭の子どもに義務教育段階の教育を保障する制度
(1)教育の機会を左右する経済的地位(2)貧しい家庭の子どもの就学を保障する制度
コラム 9-1 子どもの貧困
コラム 9-2 経済的困難を抱える子どもへの学習支援
4 義務教育の修了後における教育機会の保障
(1)国際的に目指されている中等教育と高等教育の無償化(2)児童養護施設の青年たちが見せる現実
コラム 9-3 児童養護施設で育った子どもの高等教育を受ける権利保障の ために
3 奨学金制度の功罪
4 働きながら学ぶことができる学校
5 「教育の機会均等」の実現を展望するために
第 10 講 教職員の制度
1 地域を歩いた教師の姿から見えてくるもの
2 専門職としての教員とその採用
(1)専門職としての教員(2)教員の採用
3 教育の自由とその制約
(1)教育の自由と教師の教育権(2)教育の自由の制約
コラム 10-1 懲戒と体罰
(3)教育の集団的自由と教員組織
4 養成と研修による力量形成
コラム 10-2 教員の働き方改革
コラム 10-3 チーム学校
(1)教員養成制度(2)教員研修制度
5 教職員の制度をより良いものにするために
第 11 講 教育行政の制度
1 戦後教育行政の基本原則
(1)教育行政の基本原則(2)地方教育行政の原則
2 地方教育行政制度の変質と現状
(1)公選制教育委員会制度の廃止と中央集権的教育行政の成立(2)教育基本法改定と地方教育行政制度 (3)2014 年の地方教育行政法の改定
3 国の教育行政制度の原則と現実
(1)国の教育行政の原則(2)現在の文部科学省の概要(3)国の教育行政の現実
コラム 11-1 中央教育審議会
4 現状の克服に向けて
第 12 講 保育の制度― 保育所の制度
1 保育を保障する憲法・法律上の理念
(1)憲法における生存権の理念(2)児童福祉法における子どもの権利保障の理念
2 子ども・子育て支援新制度
(1)保育制度改革の背景と経過(2)新制度の概要
3 公的保育所制度のしくみ
(1)市町村の保育実施責任(2)保育所の最低基準(3)保育所の財政(4)保育制度改革の行方
第 13 講 保育の制度― 幼稚園・認定こども園の制度
1 新教育基本法における家庭教育と幼児期の教育の振興
2 幼稚園の制度
(1)幼稚園の目的と教育内容(2)幼稚園の入園のしくみと施設・設備
3 幼保連携型認定こどもの制度
(1)認定こども園制度の背景と経過(2)認定こども園の概要
4 子育て支援と発達保障としての保育制度を
第 14 講 社会教育の制度
1 社会教育とは何か― 事例から考える
(1)愛知県名古屋市天白生涯学習センター(2)埼玉県浦和市(当時)公民館での子ども会活動
2 法における社会教育の意味
3 社会教育制度の理念
(1)住民の自由で自主的な学習・教育活動の環境を整える(2)生涯にわたる学習権を保障する¥
4 社会教育制度の権力統制的な側面
(1)不当配転の原因は何か?(2)生涯学習政策と教育基本法改定
コラム 14-1 学校と地域をつなぐことの意味
5 社会教育制度を発展させるために
コラム 14-2 岡山市の公民館充実運動の取り組み
コラム 14-3 九条俳句不掲載事件と大人の学習権
第 15 講 ゆたかな教育制度を創造するために
1 教育制度がもつ二つの顔― 教育制度の本質
2 教育制度の創造的な発展のために
(1)学習権の思想をよりどころにして(2)ゆたかな教育制度の創造に向けて
3 教師を目指すみなさんへ
上記内容は本書刊行時のものです。