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疾駆する白象
ザ・グレート・ゲーム東漸
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2021年11月
- 書店発売日
- 2021年11月8日
- 登録日
- 2021年9月23日
- 最終更新日
- 2022年2月4日
紹介
あらゆる歴史は現代史である(ベネデット・クローチェ)
コンバウン朝ビルマでは、第六代ボードーパヤー王(在1782 ~ 1819)が
1784年末、アラカン王国を制圧、当時上座部仏教の崇拝の的だった青銅製の
大牟尼仏を略奪し、同時に緩衝地帯はなくなり英領インドと対峙した。
ついで北部のマニプール王国、アッサム王国をも支配下におき、版図を最大に
広げ、列強国と角突き合わせた。
ベンガル州の平原プラッシーにおいては1756年6月23日、東インド会社が、
仏ベンガル太守の連合軍を撃破する。1764年10月には、ブクサールの戦いで
ムガル帝国・アワド太守・前ベンガル太守の連合軍を破り、1765年8月、
アラーハーバード条約が締結される。これにより東インド会社は、
ムガル帝国からベンガル、オリッサ、ビハール三州での租税徴収権を獲得する
こととなり、徴税官を介して財政基盤を固め、民間商社から政治機構へと転身する
こととなった。財源を失ったムガル皇帝とベンガル太守は、単なる年金受領者に
落魄し、同じように度重なる戦争と飢饉により東インド会社も財政難に陥っていった。
1774年、140万ポンドの政府貸付金と引換えにしたノース法により、本国からの
規制をも受けることとなる。1784年8月13日、ピット政権はインド法を議会通過
させ印度庁を政府内に設けた。東インド会社は多額の国費を本国に支払いながらも
政府との二重権力の下、インドの植民地化を推進。ナポレオンの時代になる1806年、
弟ルイはオランダに王政を布いたものの、兄の指示に従わなったため1810年、
オランダはナポレオンの直轄領とされることとなった。
これを契機に、1810年~11年にかけては、ベンガル総督ミントーがオランダ支配下
のジャワ島を侵略しラッフルズを知事代理に任命、4年間統治させた。ラッフルズは
1819年、シンガポールをも開く。間もなく王は第七代バジドー王に代替わりし、
そして、西欧列強による東南アジア進出はいよいよ拍車がかかることとなった。
本書は、こうした当時のミャンマー(ビルマ)情勢を背景として、
日本人の漂流民と、アワド藩王国出身のセポイ(インド兵)を主人公にすえて、
血湧き肉躍る冒険活劇的に、小説として創りあげたものである。
目次
"第一章 曇天の霹靂
第二章 観念
第三章 遠雷
第四章 休憩の境地
第五章 退避
第六章 ヤンゴン攻防
第七章 治天村
第八章 雨のさなか
第九章 疼き
第十章 不慮
第十一章 外れ
第十二章 再会
第十三章 熟練の役人
第十四章 村の僧侶
第十五章 勝てる時だけ勝負しろ
第十六章 名誉の負傷
第十七章 黒い魔物
第十八章 闘い暮れて
第十九章 ダニュービュー
第二十章 文明
第二十一章 最果て
第二十二章 目出度さも
第二十三章 頭隠して
第二十四章 いつか見た月
第二十五章 洎夫藍色の僧衣
終章
主要参考文献 "
上記内容は本書刊行時のものです。