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軍人と自衛官
日本のシビリアン・コントロール論の特質と問題
原書: Civilian Control of The Military
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2019年9月
- 書店発売日
- 2019年9月17日
- 登録日
- 2019年2月27日
- 最終更新日
- 2019年9月6日
紹介
自衛隊は旧日本軍とは違う!
旧来の日本の「シビリアン・コントロール」論は、
合憲、違憲論者を問わず、
自衛隊の行動様式を
戦前暴走した旧軍と同じ“危険”なものと同一視し、
「文官統制」に象徴される
統制強化論と運用制約を中心とする管理論である。
それ自体否定すべきものではないが、やや硬直的な面があり、
現実に見合った柔軟な議論を進め、本来の統制のあり方とは、
如何なるものかが問われるべきである。
本書は、「シビリアン・コントロール」論の学説史を俯瞰
すると共に、日本の憲法解釈や蓄積された研究業績を検討し、
日本的[文民統制」の論理構成を摘出することに努め、
合わせて防衛問題に関する諸研究の中で論じられてきた
自衛隊認識と「シビリアン・コントロール」の関係性を
解明するものである。
そして、自衛隊の“暴走”の可能性についても検討し、
旧軍との差異を明らかにしようとしている。
現状、かつてより国民との距離が縮まっている自衛隊について、
多角的な分析研究をかさねることで、本書は、現実に役立つ
「シビリアン・コントロール」論の構築を提唱する労作と
なっている。
目次
序 章 ミリタリー・プロフェッショナリズム論からの検討
第1節 歴史的生成物としての「シビリアン・コントロール」
第2節 シビリアン・コントロール研究
第3節 用語の定義と訳出の問題について
第4節 本書の構成
第1章 ミリタリー・プロフェッショナリズム論と
シビリアン・コントロール論の形成と展開
第1節 ミリタリー・プロフェッショナリズム論と
シビリアン・コントロール論の形成
第2節 「ミリタリー・プロフェッショナリズム」論の展開
──軍事社会学の発展
第3節 ハンティントン・モデルの展開
むすび
第2章 公法学と「シビリアン・コントロール」
はじめに
第1節 憲法学と「シビリアン・コントロール」
第2節 防衛法学と「シビリアン・コントロール」
むすび──統制客体に対する認識とシビリアン・コントロール論
第3章 政軍関係研究におけるシビリアン・コントロール論
はじめに
第1節 ミリタリー・プロフェッショナリズムについての論点と
「シビリアン・コントロール」
第2節 制度と「シビリアン・コントロール」
第3節 防衛政策とシビリアン・コントロール論
第4節 政治的リーダーシップと「シビリアン・コントロール」
第5節 新しいシビリアン・コントロール論
むすび
第4章 自衛隊は暴走するのか
はじめに
第1節 “暴走”とは何を意味するのか
第2節 クーデターの要因とは何か
第3節 「シビリアン・コントロール」に関わる意識
むすび
章末付録:クーデター発生国の経済成長率問題データ
終 章 日本のシビリアン・コントロール論の課題
上記内容は本書刊行時のものです。