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繋がりの詩学
近代アメリカの知的独立と〈知のコミュニティ〉の形成
原書: The Poetics of Association ; The Formation of Intellectual Communities in Modern America
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2019年2月
- 書店発売日
- 2019年2月14日
- 登録日
- 2018年11月26日
- 最終更新日
- 2020年7月31日
紹介
18世紀~19世紀末のアメリカで
〈知的コミュニティ〉がどのように立ち上がり、
「国家形成」に影響を与えたのか、
人々の繋がりからアメリカの知的独立への道をたどる。
独立戦争を経て、民主的な国家建設をめざしていた
18~19世紀のアメリカ。
文学・哲学・科学・博物学等、各分野の知識人たちは、
建国の精神を反映し、改革・発展の使命感と
ヨーロッパからの精神的自立・独立を志向し、
さまざまな〈知のコミュニティ〉を形成した。
近年、「グローバル化」と対置する形で「コミュニティ」の概念が
注目されている。
本書は、18世紀アメリカのアイデンティティ確立に貢献した
人々の繋がりを浮き彫りにし、その「コミュニティ概念」形成を
先駆けた18~19世紀のアメリカを新たに見直す論集である。
目次
第Ⅰ部 共和国と知のコミュニティ
◉マンハッタンの「魔女狩り」
──ニューヨーク奴隷叛乱陰謀事件における
情報解釈共同体的誤謬
………【白川恵子/同志社大学教授】
◉アメリカ哲学協会とアメリカン・アイデンティティの誕生
──金星とマンモスを追いかけて
………【竹腰佳誉子/富山大学准教授】
◉ニューヨークの知的サークル「フレンドリー・クラブ」と
初期アメリカ文学の形成
──チャールズ・ブロックデン・ブラウンの
『オーモンド』を中心に
………【辻祥子/松山大学教授】
第Ⅱ部 ニューイングランド的コミュニティ
◉エマソンの「透明な」自然と環大西洋思想の環流
………【成田雅彦/専修大学教授】
◉『マサチューセッツの報告書』と
ソローの「マサチューセッツの博物誌」
………【竹野富美子】
◉ホーソーンと『懐かしの故国』のピアスへの献辞
──サタデー・クラブを中心に
………【倉橋洋子】
◉知の伝道師ヘンリー・ワズワース・ロングフェロー
………【稲冨百合子/岡山大学非常勤講師】
第Ⅲ部 女性と知のコミュニティ
◉想像の世界文学共同体
──マーガレット・フラーの『ゲーテとの対話』翻訳
………【古屋耕平/神奈川大学准教授】
◉会話というコミュニティ
──〈愛〉の実現の場としてのマーガレット・フラーの〈会話〉
………【髙尾直知】
女たちのユートピア
──ブルック・ファームにおける理想と現実
………【城戸光世】
第Ⅳ部 メルヴィル的コミュニティ
◉メルヴィルとシェイクスピア、あるいは幻の文学共同体
──「ホーソーンと彼の苔」のころ
………【橋本安央/関西学院大学教授】
◉メルヴィルと「ヤング・アメリカ」
………【林姿穂/三重県立看護大学准教授】
◉劇場文化の政治学
──「二つの教会堂」を通して読み解く『信用詐欺師』
………【竹内勝徳/鹿児島大学教授】
第Ⅴ部 拡がりゆくコミュニティ
◉重なる断片、生まれるコミュニティ
──ルイーザ・メイ・オルコットの模倣とその作品の行方
………【本岡亜沙子/広島経済大学准教授】
◉ローウェル、フィールズ、ハウエルズの編集方針
──『アトランティック・マンスリー』に見る
知的コミュニティの形成
………【中村善雄/ノートルダム清心女子大学准教授】
◉世紀末イギリス社会主義者たちの〈アメリカン・ルネサンス〉
………【貞廣真紀/明治学院大学准教授】
版元から一言
上記内容は本書刊行時のものです。