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家父長制と近代女性文学
闇を裂く不穏な闘い
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2018年10月
- 書店発売日
- 2018年10月30日
- 登録日
- 2018年7月11日
- 最終更新日
- 2018年10月25日
紹介
樋口一葉、田村俊子、伊藤野枝、宮本百合子、
平林たい子、尾崎翠、佐多稲子、大田洋子、円地文子……
日本政府が主導する「明治百年」が騒がしく、
いよいよ戦前回帰が本格的に開始されている
現在こそ立ち返るべき女性作家たち。
近代女性文学のなかで、とりわけ近代の闇=家父長制を
裂くような不穏な闘いで挑んだ女性表現者やその表象を、
フェミニズム/ジェンダーの視点から追跡することによって、
殖産興業・富国強兵・アジア植民地化に邁進した
近代日本が根底的に問い直される本格的評論!
目次
Ⅰ 近代家父長制への抗い
樋口一葉「恋の狂気が意味するもの
――『裏紫』を読む」
田村俊子「初出『あきらめ』を読む
――三輪の存在をめぐって」
「〈愛〉の奴隷批判
――『生血』『彼女の生活』を読む」
「書くことの〈狂〉
――『女作者』論」
「〈妻〉という制度への反逆
――『炮烙の刑』を読む」
「〈悪女〉の季節
――家父長制秩序への反逆者たち」
Ⅱ 社会変革への挑戦
伊藤野枝「彗星のごとき伊藤野枝」
宮本百合子「〈女の時間〉の記憶
――『二つの庭』のもう一つの語り( ナラティブ)」
「『道標』と女のふたり旅
――今日問いかけるもの」
「女性文学にみる抵抗のかたち
――〈左翼系作家〉の家父長制とのたたかい」
平林たい子「反逆する文体」
「プロレタリア文学とジェンダー
――女性表現における〈労働〉の発見」
Ⅲ 戦争の時代と、終わりの惨劇
尾崎翠「不安の文学 〈母性〉からの離陸とその挫折
――尾崎翠における自我の構図」
佐多稲子「佐多稲子の〈記憶〉が問いかけるもの」
「『牡丹のある家』の世界」
「佐多稲子における愛と性
――『くれない』と『灰色の午後』の時代」
「〈美人〉作家の効用
――アジア太平洋戦争下の中国戦地慰問」
大田洋子「『桜の国』成立前後」
「二一世紀への警鐘
――原爆体験の語り部 大田洋子の生と文学」
Ⅳ 老いの創造力
円地文子「遊魂の悦楽/狐火の如き老いのエロス
――妖艶なる老年文学」
上記内容は本書刊行時のものです。